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私の口に唐揚げを投函するのは誰だ

こんばんわ。

行き交う人々は長袖に腕を通し始めている。
薄手のコート的なものを纏っている人までいる始末だ。

着実に気温が下がり、過ごしやすくなったとは私も感じている。
しかし、いまだにポロシャツの背中に塩をふかせ、マイボトルに押し込んだ大量の氷をあたかも風鈴のようにカランコロン鳴り響かせながら闊歩している。

改めて私は人とは違う外れ値的存在だと認識させられる。
うむ、今日もしっかり太っている。


そんなふとっちょなわたしは誤解されがちだが、脂ギッシュな濃い味グルメばかりを食べたいわけではない。

もちろんそういったものを食べたくなることもあるが、好物は何かを考えると、焼きなすとか揚げ出し豆腐とか、セロリの浅漬けとかそういうのが思い浮かぶ。

たしかに大学時代は外食と言えばひたすらラーメンを啜っていたが、今となってはラーメンを食べると高確率で腹下るほどのデブ失格なのである。


妻から今日は食べてきて、と言われると、「あぁ、優しいものが食べたい」とか「生の野菜の栄養素をとらなくちゃ」とかオーガニックヨガピラティスOLのような気持ちになることが多い。

今日の食事が明日の体を作るのだ。
体に良いものを食べるぞ。そう決意して店を探す。

しかし、気づいた時には揚げた鶏的なものが高確率で口に含まれているのだ。唇もピカピカである。
放り込んだのはどこのどいつだと喚き散らしても誰も知らん顔だ。

よく知らないが揚げ鶏にタルタルとかいう卵のお化けが憑依していることすらある。


麺類と丼のセットみたいなものはできるだけ避け、定食的なものを選ぶようには意識しているが、私には結局定食のメインはこれでないと、という頑固な固定概念が脂肪とともに定着しているのだろう。

唐揚げ、とんかつ、ハンバーグじゃないと、と思ってしまう。


困った時にいつもいく居酒屋兼定食屋にはおでん定食やだし巻き定食、揚げ出し豆腐がメインの定食などがある。

勇気を振り絞ってそれらのヘルシー定食にすることもある。しかし、配膳を待つ間、なんとも言えぬ焦燥感に襲われ、「追加で唐揚げ」と口走ってしまうのだ。
店員もやはり足りなかったか、と名探偵顔で私を一瞥し、さも追加注文を見越して先に揚げておいたかのようなスピードで提供してくる。


潜在的に私はデブでいないといけない、という思いを抱いてしまっているのかもしれない。この思いを消滅させない限り永遠にデブいままだ。

次にその定食屋を訪れた際にはおでん定食にしよう。
それだけでは心配なら肉も食え。でも揚げないでおこう。

追伸
先日、はじめての定食屋を訪れた際、「鶏の生姜煮定食」というのがあり、生姜好きだし、揚げてないしこりゃいいや!と思って注文したら、揚げた鶏に千切り生姜の入ったカレー味の餡がかかった代物でした。うまかったけど。




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