書きたい小説 (素敵な女性)
今年の四月、大学時代に書いた小説が講談社から本になった。この本にのっている五つのはなしもいれて、まだ十コぐらいしか小説を書いたことがない。大学三年から文芸科にはいり、レポートとして小説を書くまでは。小説を書こうなんて気はまったくなかった。書きたいことがあって書いたわけじゃないので、できた小説はどれも短い。本の題になった、『おやすみなさい、と男たちへ』がいちばん長くて、六十八枚。ほかは、二十枚から三、四十枚どまり。どうせ書きはじめたんだから長く書きたいと思って書いているのだが