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家族と一緒に一日の行動を見える化したら、自宅での暮らしが快適になった話

こんにちは!TAM UX/UIチーム デザイナーの杭原です。

日常生活をしている中で、最初は「不便」だなと思っても、繰り返している内に慣れてしまうことってありますよね?自慢ではないですが、コンビニもスーパーも徒歩圏外、映画は公開開始から2ヶ月遅れで上映される鳥取の片田舎で生まれ育った私は、人一倍「不便」への耐性が高いです。特に自宅は、私にとって長年「寝るためだけの場所」。多少の「不便」は何の其ので、快適にしようという習慣はありませんでした。

ところが最近、子どもが産まれたのに加え、コロナの流行で一気に自宅で過ごす時間が増え、自宅を快適にしたい欲がふつふつと。そこに、夫の急な転勤話が舞い込んできたため、これはチャンス!と思い、自宅について見直すことになりました。

見直すにあたり、普段仕事で取り入れている「ユーザーの行動を見える化してWebサイトやアプリを設計をする手法」が使えると思い、夫とワークショップ形式で実施してみました。

▼「ユーザーの行動を見える化してWebサイトやアプリを設計をする手法」について気になった方はこちら

1.やったこと

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1-1.一日の行動と行動する場所を洗い出す
まず、一日の行動と行動する場所を思いつく限り付箋に書き出し、時系列に並べて貼っていきました。この時、事前に横軸を時間で区切っておくとスムーズです。今回は「仕事に行くために身支度」をするくらいの粒度で行動を書き出しましたが、後工程で行動を基に思考と感情を書き出したときに「顔を洗う」「髪をセットする」「着替える」「鞄を準備する」くらい細かい方が、思考と感情を洗い出しやすいと感じました。また、初めは行動と場所を分けて洗い出していたのですが、同じ付箋に書いた方がスムーズだったので、途中から行動の付箋の中に場所を書くようにしました。

1-2.行動を思い出しながら思考と感情を書き出す
洗い出した行動を基に、思考と感情を書き出していきました。ネガティブな思考と感情からは問題と改善案を抽出しやすいので、一目で分かるようにポジティブとネガティブで付箋の色を分けています。ポジティブな思考と感情よりも、「めんどうくさい」「時間がない」といったネガティブな思考と感情がたくさん出てきました(苦笑)。自宅についてのネガティブな思考と感情は、時に他の家族への批判に繋がりやすいものも出てきますが、「意見を批判しない」「自由に発言する(相手の意見を受け入れる)」を心がけることで、衝突するような雰囲気にはなりませんでした。

1-3.思考と感情から問題と改善案を導き出す
洗い出した思考と感情、特にネガティブな思考と感情に着目して問題と改善案を出していきました。改善案を出す時は、難易度にとらわれず自由にアイデアを出していきます。この時、相手のアイデアに対して「確かに!」「いいね!」とリアクションすると、意見を出しやすい雰囲気になってよかったです。また、アイデアを文字ではなく絵で書くと楽しいアイデアが出やすい気がしました。最後に、難易度と効果を考慮しつつ、実行する改善案を決め、丸を付けました。今回はしていないのですが、難易度と効果を縦横の軸にして改善案をマッピングすると、実行する改善案を絞りやすい気がしました。

2.わかったこと

2-1.見える化して客観視することで「不便」に気がつく
慣れてしまった「不便」も、客観的に見ることで気がつくことができます。今回、引っ越しをする前に「不便」を見える化したことで、間取りで解決できる部分を物件探しの条件に盛り込むことができました。間取りの条件はいくつかあったのですが、中でも見える化して気がついたのは、「夜中にトイレに行くのに階段を登り降りする必要があり大変」ということでした。というのも、引っ越し前の家はメゾネットタイプの賃貸マンションで、寝室が2Fでトイレが1Fにありました。この時まですっかり忘れていたのですが、特に妊娠中(かなり頻尿になる)に夜中の階段の登り降りがとても辛かったのを思い出しました。結局、新居もメゾネットタイプの賃貸マンションになったので、各階にトイレが付いている物件にしました。

2-2.行動と場所に着目すると、生活動線の改善点が見えてくる
行動と場所に着目することで生活動線の改善点が見えてくることがわかりました。具体的には、一つの行動の付箋の中に複数の場所が記載されている場合、時間帯の近い行動の付箋に離れた場所が記載されている場合などは生活動線の改善点だと言えます。実際に出てきた改善点と改善案をご紹介すると、1階のお風呂に入る前に毎回2階の寝室に下着とパジャマを取りに行っていたのですが、お風呂場に衣類用の棚を設置することで階段の登り降りをしなくてもよくなりました。

2-3.家族のコミュニケーションツールとしても使える
行動の見える化は自宅を快適にするだけではなく、家族とのコミュニケーションツールとしての副次的な効果もありました。最近、仕事と育児と家事に忙殺されて夫のことを考える余裕がなかったのですが、行動を俯瞰することで自分ごとのように相手の生活をイメージすることができ、忙しい中で育児や家事をできる範囲で頑張ってくれていると改めて感謝することができました。また、夫は「意見を批判しない」「自由に発言する(相手の意見を受け入れる)」という前提があったので、普段は反論されそうで言えない不満も書きやすかったそうです(笑)。

3.まとめ

新居での生活をはじめて3ヶ月が経ったのですが、自宅での暮らしはとても快適になりました。興味のある方はぜひ試してみてください!

▼「ユーザーの行動を見える化してWebサイトやアプリを設計をする手法」について気になった方はこちら


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杭原 加菜子 / Kanako Kuehara
デザイナー
2016年より在籍。TAMに来る前は、メーカーでソフトウェアの品質評価を担当し、日々ユーザーにとって使いやすい/魅力的な商品になっているかを考えながら、仕様提案/指摘や不具合報告を行なっていた。企業の商品やサービスに対する想いをカタチにするところに関わりたいと考え、TAMへ転職。


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