短歌 まとめ 2016年 6~8月 (十首)

【短歌】

 

トークノートとTwitterにあげた短歌などをテキストノートにまとめました(ひと言コメント付き)。今回は6~8月分の十首です。

 

 

ひし形の朝日のかけら拾いあげ
ポケットしまい快速に乗り

(2016.6.3)

※初夏の朝の日差しが濃い影をつくって、そのなかに鮮やかなひし形の光の欠片が落ちていた。それを横目に駅の階段を昇り、上等な気分で仕事へと向かう。……と、ここまではきれいな話。で、下の一首。

 

ポケットの光のかけら取り出して
明日つく嘘つぶやいてみる

(2016.6.3)

※Twitterに掲載した続きなんですが、さて、なんでしょうねぇ。詠み手の気持ちがさっぱりわかりません。素直に上等な気分のままでいればいいのに、わざわざポケットから取り出して……性分なんですかね。

 

あなたへの言葉
逃げてく傘のなか
風が吹くだけ
雨が降るだけ

(2016.6.13)

※最近、めっきり忘れっぽくて、まじめな話なんのことやらわかりません。そんな艶っぽいことがあった記憶なんてないし、もし、事実なら絶対覚えている(いたい)……はずだし。ふむ。そんな光景を見かけたのか、ただそんな気分だったのかー。

 

「わけもなく」
自覚なき海深々と
言葉にならぬ
夜が来るまで

(2016.6.15)

※確かこのとき、何かに対して腹を立てていたのです。何に対してかはわかりません。自分に対してかもしれません。具体ではなく〈自覚なき〉怒りだったのかもしれません。で、いつものように夜を待っている、と。

 

「命までは取られない」と十回唱えれば
たいてい大丈夫ですよきみへ

(2016.6.24)

※Twitter掲載。短歌でも詩でもなんでもない、ただの呟きですね、これは。「きみへ」とか付けているけど、自分に向けている節もありますね。何かに怯えていたのでしょうか。でも、この言葉通りだと思うのです。あと、まったく関係ないですが、「お天道様は見ているから」という言葉が好きです。

 

闇の夜に
言葉をなくし
押し黙る
右耳の奥
刻む心臓

(2016.6.22)

※これもTwitterですね。確か真夜中に眠れずにベッドのなかで詠んだはず。右側を下に寝ていて、右耳が枕に押しつけられていて……って、状況説明、細かすぎますね(笑)。でも、深夜の静けさって、心臓の存在感が増しませんか?

 

静けさの
律動に傘
路をゆく
月なき季節
雨の野に泣く

(2016.6.28)

※雨の夜、ひとり路を歩いている。傘を打つ雨の律動(リズム)に静けさが浮き彫りとなる。何日も見ていない月の不在が心もとなく、泣きたいような気持ちになっている。

 

雨あがり
風吹きやんで
みずたまり
舗道あなたへの
言葉映して

(2016.6.13)

※Twitterにて、たぶんホロ酔いで。きれいな一首ですねー。と手前味噌をぐるぐるこねる。

 

枝豆と冷奴あて夏の燗
書きたい話なんてないとお前

(2016.7.5)

※ああ、わかりやすいですね。でも、そのまんまではなく、ちょっとひねっています。「お前」は「もうひとりの僕」なんですね。解説なしでわかるはずないですね、ご免なさい。

 

ああ今日はダメな日だなと坂の途中
それでも明日へ粛々とゆく

(2016.8.24)

※Twitterにて、前の句は午前、後の句は夜に。「坂の途中」は掛詞。「夢の途中」は来生たかお……

 

 

さて、今回のまとめはだいぶいい加減な解説でしたね。そして7月、8月はnoteを休みがちだったので、一首ずつでした。
よろしければ今後の参考に、ご意見、ご感想、「どれがいい」「これはひどい!」などのひと言を、いただけるとうれしいです。

 

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最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。ではまた、次回のまとめの際にお会いしましょう!

 

tamito

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