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【67年卒】WEB合同企業説明会 テックでトゥモローを創る【TDL】

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──茶番終わり──

東京ディズニーリゾートは世界で唯一ディズニー社が所有しないディズニーパークであり、それ故に様々な特徴が語られる。そのうちのひとつが、抜本的開発が未だ行われず過去のデザインを多分に残した「地層」としての役割である。
未来をテーマにしたトゥモローランドはその格好の例である。1950年代にオープンしたカリフォルニアのトゥモローランドに対し、70年代にオープンしたフロリダのトゥモローランドは、未来観の一新された“新しいトゥモローランド”であった。1983年にオープンした東京ディズニーランドでは、後者のデザインが採用されている。そこから、89年に登場したアストロゾーン、2011年に登場した「モンスターズ・インク“ライド&ゴーシーク!”」のエリア、ニュー・ファンタジーランドと共に登場した「ベイマックスのハッピーライド」のエリアがある。24年には「スペース・マウンテン」周辺のエリアがクローズ、トゥモローランドを象徴する広場として生まれ変わり、27年に新規オープンすることが決定した。

そんな東京のトゥモローランドだが、ある意味で共通性を見ることもできる。それは、1955年の世界初のディズニーランド、万国博覧会、新しいトゥモローランドにも共通する「企業による技術戦争」の歴史だ。
55年、カリフォルニアでのディズニーランド開業時、トゥモローランドのアトラクションがじゅうぶんに用意されなかったため、企業からの提供を受けてアトラクションを増やした。農薬会社のモンサント社の名を冠した「モンサント・ホール・オブ・ケミストリー」などは格好の例だ。64年のニューヨーク万国博覧会にてウォルト・ディズニーが大々的にパビリオンを務めた際、例えばフォード社が提供する「マジック・スカイウェイ」、ゼネラル・エレクトリックの「カルーセル・オブ・プログレス」、その他二つのアトラクションが発表され、後にディズニーランドに移設されたり、アトラクションとしてコピーされたりした(格好の例はペプシコの「イッツ・ア・スモールワールド」)。エプコットに至っては、世界最新の技術や産業を展示する「フューチャーワールド」が設置されていた。「ザ・ランド」では「リビング・ウィズ・ザ・ランド」で農園内を見学したり、ゼネラル・モーターズの「ワールド・オブ・モーション」は、移動手段の歴史をめぐるアトラクションだった。これらはもはや、「ディズニーのアトラクション」として想像される域を超えてしまっているのではないか。

現在の東京ディズニーランドのトゥモローランドにも、数多くの企業が存在する。そこでは、アトラクションの舞台となっていて社屋まで持っている主企業、取引先という形で登場する副企業、アトラクションやレストランといった施設を提供するスポンサーに分かれている。
この記事では、それぞれの企業をロゴマークと共に紹介し、どのような手法でこの“オフィス街”が運営されているのか紹介する。

*随時更新する予定です

モンスターズ・インク“ライド&ゴーシーク!”

モンスターズ・インク

アトラクション名
社屋
社屋(2)
時計
時計台座(1)
ゴミ箱と時計台座(2)
ノブ
ロビー
フロント(1)
フロント(2)
フロント(3)
セキュリティ部門
モンスターズ・インク・カンパニーストア(1)
モンスターズ・インク・カンパニーストア(2)
セキュリティ・トラム
案内表示(1)
案内表示(2)
モニター映像(1)
モニター映像(2)
モニター映像(3)(ヘルメット)
モニター映像(4)
ポスター(1)
ポスター(2)
ポスター(3)
ポスター(4)
ポスター(5)
掲示物(1)
掲示物(2)
掲示物(3)

パナソニック

アトラクション看板
ロビー
モンスタービジョン
モニター映像

ワールドバザールからトゥモローランドに入ると、目の前に飛び込んでくるのはモンスターズ・インクの社屋である。笑い声を電力に変えるエネルギー会社であり、小さな人間の女の子・ブーとモンスターのサリーやマイクがいっしょに楽しむこのアトラクションは、ディズニーランドの世界観を端的に表していると言える。
映画『モンスターズ・インク』にしろ、このアトラクションにしろ、いわゆる「エム・アイ」の使い方が非常に巧みである。Monsters, Inc.の頭文字であり、MマークにEye(目)を施したデザインになっている。

スター・ツアーズ

スター・ツアーズ

社屋
スター・ツアーズ・コンコース(1)
スター・ツアーズ・コンコース(2)
トラッシュカン
案内表示(1)
案内表示(2)
広告
アリー・サン・サン
AC-38
モニター映像(1)
モニター映像(2)

サクール工業グループ

スター・スピーダー1000
セキュリティ(1)
セキュリティ(2)
セキュリティ(3)
モニター映像

各旅行会社

エア・オルデラン
ベスピン・ダイレクト

「スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」の舞台は、旅行会社の「スター・ツアーズ」である。ここでは、個性豊かな各旅行会社の広告や、観光産業に全面的に技術提供をしているサクール社の名前が見られる。

プラズマ・レイズ・ダイナー

屋外看板(1)
屋外看板(2)
屋内看板
メニュー
展示ポスター(1)
展示ポスター(2)
トレー

パン・ギャラクティック・ピザ・ポート

屋外看板(1)
メニュー、屋外看板(2)
屋内看板
モニター映像
ピザボックス
カルツォーネ袋

トゥモローランドの飲食店が成功する鍵は、以下の三つ。

1、野心的であること
2、ひろがりがあること
3、広告ポスターや映像広告を店内できっちりと使用すること

出典:俺

例えば、プラズマ・レイズ・ダイナーならば“We're All Over The Space!”「わたしたちは宇宙展開です!」、パン・ギャラクティック・ピザ・ポートならば“We deliver anywhere in the Solar System."「太陽系のどこにでも運びます」である。加えて、プラズマ・レイズではポスターを使って各店舗のイメージを伝え、パン・ギャラクティックでは映像でモットーに触れている。"If you don't get your pizza in less than a Saturn Day, It's free!!"「もし一度土星日以内にピザが届かなければ、そのピザはタダ!」。

バズ・ライトイヤーのアストロブラスター

スター・コマンド

屋外看板
案内表示
壁画(XP-38型スペースクルーザー)
出口

アストロブラスター

アトラクション看板
アトラクション看板(2)
案内表示
取扱説明書

その他

スペース・レンジャー
クリスタリック・フュージョン?

実は複数の公式ロゴが存在し、アトラクション名のAstro Blastersも、商品としての「アストロブラスター」の取扱説明書を踏まえれば、実はその範疇であると言えそうだ。おもちゃの世界観とスター・コマンドの世界観が混在している点でもふしぎなアトラクションであると言える。

スティッチ・エンカウンター

スティッチ・モニターステーション

トゥモローランド・テラス

屋外看板(1)
屋外看板(1)
メニュー
トレー

その他

サンフランソーキョー工科大学

トレジャー・コメット
自動販売機

まとめ

「ディズニーランド化」とは何か?

「ディズニーランド化」という単語は実にさまざまな解釈の余地を残す。社会学的な意味合いも持ってしまうが、ここでは「ディズニーシーのディズニーランド化」について考えてみよう。
2011年の「タートル・トーク」オープンを皮切りに、東京ディズニーシーにはピクサー映画を中心としたアトラクションが次々登場した。同時に、複数箇所で行われていたショーは画一化され、常設にしろ特設にしろ、キャラクターが登場するショーやグッズの割合が増加していった。「トイ・ストーリー・マニア!」「ニモ&フレンズ・シーライダー」、「ソング・オブ・ミラージュ」などを見ながら、東京ディズニーシーを古くより愛するファンはこう思った。「ディズニーシーは変わってしまった。キャラクターがいない頃が楽しかったのに。ディズニーシーはディズニーランド化してしまったのか」。

もちろん、それはある側面では事実であろう。しかし、必ずしも悲嘆すべきことばかりではなかった。
過去の記事でも度々指摘した通り、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの相違の最も大きなもののひとつは、個としての存在感を持つランドと、面としての広がりを持つシーという対比である。

「スペース・マウンテン」と「モンスターズ・インク“ライド&ゴーシーク!”」は同じトゥモローランドというエリアに所属してこそいるが、それはあくまで便宜的な概念である。(中略)。ここで支配的な概念はそれぞれのアトラクションの雰囲気や世界観であり、決してトゥモローランドという括りではない。
(中略)
ここで初めて、東京ディズニーシーの名を出すとしよう。(中略)。彼らはアトラクションなどの施設単位ではなく、それぞれのエリア毎にポスターを組織して展開していると思われる。
以下では、東京ディズニーランドの「アトラクション名がエリア名を従える」構造と異なり、「エリア名がアトラクション名を従える」構造を見てほしい。

一日の計はポスターにあり【ディズニーランドの入り口で①】|TamifuruD(たみふるD)|note

であるならば、以前の記事との矛盾を憚らずに書けば、東京ディズニーランドのトゥモローランドは正に「東京ディズニーシー化」していると言える。
トゥモローランドは、それぞれのユニバースを持った施設が同居したテーマエリアである。それは確かに事実だが、一方で、複数の企業が立ち並ぶオフィス街としての側面を持ち合わせている。複数の標準使用書体が整理され、明確に使い分けられている点は正に、現実の都市のようである。加えて、「パナソニック」や「コカ・コーラ」といったような現実の組織は、「モンスターズ・インク」や「パン・ギャラクティック・ピザ・ポート」と半ば同列の扱いを受ける。

かつて1955年に生み出されたトゥモローランドは、企業の力によって生み出された。1964年の万博は、企業とディズニーが共に物語を作り出した。そして現代、トゥモローランドはその時代を再現して器として使い続けながらも、盛りつける料理は変え続けている。それこそ、「モンスターズ・インク」の意義であり、「サンフランソーキョー工科大学」の進出である。

トゥモローランドは時として、空想と空虚のテーマランドだと見なされることも多い。アドベンチャーランドやウエスタンランド、ましてや東京ディズニーシーが持つような歴史的重みや旨味がないのかもしれない。だとしても、それを作り出すのがトゥモローランドの役割だ。

トゥモローランドをより楽しむために

1 1955年からの歴史を通じて

2 「新しいトゥモローランド」プロジェクトを通じて

3 ロゴマークを通じて

4 ディズニーシーを通じて


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