レイジングスピリッツのラジオ内容
東京ディズニーシーのロストリバーデルタにあるアトラクション「レイジングスピリッツ」内で放送されているラジオの内容を紹介します。
注意
曲目
解説
ロストリバーアウトフィッターとの関連
ロストリバーアウトフィッター前(通称「市場エリア」)で使用されている「La Jarana」のアルバムから3曲選出されている。「ハラナ」(Jarana)とは中央アメリカはユカタン半島の伝統的なダンス音楽だそうだ。
また、同じく市場エリアで使用されている「Mexico: Fiestas of Chiapas & Oaxaca」からも選出されている。市場エリアでは「Son Sventa Ch'ul Na」が、レイジングスピリッツでは「La Jota」という曲が流れているようだ。どちらにも共通した曲である「El Chinito」を加えて、それぞれ2曲。チアパス(Chiapas)とオアハカ(Oaxaca)はどちらもメキシコ合衆国の州の名前である。
「World Music」シリーズからも1曲が選出され、2回流されている。今回紹介したレイジングスピリッツのものはアンデス山脈を扱ったVol.2だが、「市場エリア」ではVol.5のメキシコ編から4曲登場している。
また、「Mexico: The Real Mexico in Music and Song」の「La Magnolia」という曲についてはどちらのエリアでも流れているらしい。
インディ・ジョーンズ・アドベンチャーとの関連
また、「The Secret Museum Of Mankind」シリーズ、「Music Of Mexico」、「Échale Candela」、そして「Mexican-American Border Music」は、ラジオCRDと共通である。
ラジオCRDとは、「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮」「ユカタン・ベースキャンプ・グリル」「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」といったロストリバーデルタのさまざまな施設で共通して使用されているBGM。今回紹介しているレイジングスピリッツのBGMと同様、間にナレーションが挟まるラジオ形式をとっている。
「Music Of Mexico」は言わずもがなメキシコのマリアッチ音楽。レイジングスピリッツでは何故か2回流れている。ちなみにラジオCRDでは、レイジングスピリッツでも使用されている「Oye Mi Coro」が2回流れる。
「Échale Candela」はキューバ音楽の「ソン」という音楽で、トン、トン、トン・トントンというリズムが特徴。前半はコーラス、後半は掛け合いの形を取ることが基本だが、片方のパートだけでもソンと呼ばれてしまうという、割と自由な音楽性を持つ。
「市場エリア」がメキシコとユカタン半島の伝統音楽のみを扱う一方、ラジオCRDはこれらにペルーの「ワイニョ」(Huayno)、アルゼンチンタンゴ、コロンビア音楽などを加えたバリエーション豊かなものとなっている。レイジングスピリッツはその中間にあたるトラックであったと言える。
ミゲルズ・エルドラド・キャンティーナとの関連は?
レイジングスピリッツにあるコーンミール(HARINA DE MAIZ)の袋は、ミゲルズ・エルドラド・キャンティーナのレストランでも見ることができる。アメリカンウォーターフロントのニューヨークエリアに輸出されているのが見られる通り、この袋自体はそこまで珍しいものではないのだが、おそらくロストリバーデルタでこの袋が見られるのはレイジングスピリッツとミゲルズだけである。
また、ロストリバーデルタには2つの大型のレストランがあり、ミゲルズと双璧をなすのがユカタン・ベースキャンプ・グリルである。このベースキャンプはインディ・ジョーンズ・アドベンチャーとストーリー的に繋がりが深い。具体的には、ジョーンズ博士を後援する大学のベースキャンプであるということ、舞台となるクリスタルスカルの魔宮に面しており共通の意匠が見られること、ジョーンズ博士の言葉を交えたラジオCRDが放送されているということなどが挙げられる。したがって、あまりもの同士ということでレイジングスピリッツとミゲルズが深い関係にあってもおかしくない。
となると気になるのは、ミゲルズのBGMである。これは、市場エリアともラジオCRDとも違うものが使用されていることがわかっている。ひょっとしたらレイジングスピリッツと完全に共通かもしれないし、似通ったところがあるかもしれない。
順序としては、2001年に東京ディズニーシーが開園した際に市場エリア、ラジオCRD、そしてミゲルズのBGMが選曲され、すべてを考慮してレイジングスピリッツをまとめ上げたのではないか。
BGMを楽しもう
ディズニーのBGMはどこからやって来るのか
東京ディズニーリゾートのBGMの中には、例えば東京ディズニーランドのトゥモローランドなど、ディズニーが直々に録音したものもある。しかし、大部分は過去に発売されたCDやレコードの音源を繋ぎ合わせたプレイリストだ。
今回紹介したレイジングスピリッツは、後者にあたる。
そこで、スマートフォン上で使用できるShazamをはじめとしたアプリケーションを用いて検索をかけると、だいたいの曲はどのアルバムに収録のなんという曲なのかが判明する。
その情報を頼りに、配信サービスでプレイリストを組んだり、CDを購入したりすることで、パークのBGMを高音質で自由に楽しむことができるのである。
ここで、パーク内のBGMを特定する方法として自分が用いているものを紹介する。
1.ループの範囲を確認しよう
パークのBGMはふつう、30分〜1時間のプレイリストとなっており、最後までいくとまた頭に戻って延々と流れ続ける。この性質から、パークのBGMは一般的に「ループ」と呼ばれている。
例えば、「S.S.コロンビア・ダイニングルームのループがウォーターストリートでも使われている」とか、「このループの特徴は、ジャズ調にアレンジされたディズニーソングが一切入っていないことだ」とかである。
大事なのは、「どのエリアで同一のループが使用されているか」である。
理由は単純明快で、最も録音するのが簡単なエリアで録音したいからである。
レイジングスピリッツの場合、ラジオが放送されているのは待機列のごく一部のエリアと、搭乗エリアのみ。そのため録音するのが難しく、これまでインターネット上にはほとんど情報が出回っていなかった。
そこで、アトラクション併設のコインロッカーが共通のBGMを使用していることを確認し、ここを利用することにした。
2.録音しよう
ここから先は、ただ地味な作業である。1時間ベンチに座り、スマートフォンのボイスメモ機能を使用して録音する。
先に紹介したトゥモローランドのように、ディズニーが独自に作曲・アレンジしたBGMは音源がほとんど出回らない。したがって、これらを録音するときは格別の注意が必要だ。雑音が入らないのはもちろん、マイクの質にも気を遣う。
このとき、何がオリジナルで何が既存音源かを判断するのは難しく、ディズニーソングだから即座にオリジナルだと言えるわけではない。
例えば東京ディズニーシーのメディテレーニアンハーバーなどは、イタリアの民謡を使用していながら、ほとんどがオリジナルのもの。反対に、ディズニーリゾートラインの駅舎で流れているBGMはほとんどがコンピレーションアルバムや有名オーケストラのディズニーソングアルバムからとっている。稀に、映画のスコアをアレンジせず使用しているにも関わらず、すべてBGM用に新録したものなどもあるようだ。
ただ、音源を数曲Shazamして明らかに既存音源の流用なら、CDの名称と曲名だけを特定すればいいわけだから、そこまで場所にこだわる必要もない。人通りの少ないところで録音しながら、同時にShazamで音源を各個特定していく。そして、手元には1ループ分のShazamの検索履歴と録音音源が残ることになる。
3.BGMの出典を確定させよう
いくらShazamとはいえ完全無欠ではなく、弱点がある。
それは、同じ曲の別の演奏・バージョンを提案してきたり、配信上に載っている音源しか提案できなかったりすることである。
そこで、自宅に帰った後で、録音した音源を繰り返しShazamして、異なる音源が出ないかチェックする。場合によっては曲名で検索し、似たようなバージョンがないか検討することも必要である。楽器の音やテンポなどから同一の音源であることを同定して初めて、「これはこのCDのこの曲だ」と言えるのである。
4.音源を手にいれる
最後に、特定したCDを実際に購入する。
このご時世、ストリーミングサービスを利用している人の方が多数派だと思うので、単純に検索をかけてプレイリストに追加すれば良いという話ではある。
音源を実際に購入する人は、さらに高度なゲームに挑むことになる。
同じオーケストラの同じ録音が、複数のアルバムに収録されていることは珍しくない。したがって、目当ての曲が最も多く入ったアルバムを選び、最も少ない枚数のアルバムで済ませようと算盤を弾くことも必要である。そうでないと、「あ、この曲足りないわ」といって後から購入したアルバムに実は必要な曲が全て入っていて、ダブりまくりのアルバムが何故か手元に2枚……といったことになったりするので注意が必要だ。
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