日向_キュン

聴くと悦に入る音楽の話 ~キュン(日向坂46)~

Youtubeで音楽を聴く。日々目当ての曲を聴いては、関連動画が知らぬ間に流れててその曲もハマるといったサイクルを繰り返す。外出先での曲を聴きたい欲が溢れて、鼻歌で我慢して、家に帰ったら速攻Youtubeを開いて曲を聴く。
そんな日々を過ごしているが最近好きな曲が多い。その日予定が無ければ布団に入ってYoutubeを開いてずーっと曲を繰り返し聴く始末。外に出ている時に聴きたくなって早く家に帰りたい!ということに頭が持っていかれる。ちょっと日常生活に支障をきたし始めているので、文章を書いて聴きたい欲を少し解消できたらなと思う。

今回は日向坂46のデビューシングルの『キュン』について書く。

日向坂46の前身グループであるけやき坂46(ひらがなけやき)が私はとても好きだった。好きになったきっかけは、欅坂が初めてまわったツアーのファイナル。幕張メッセでみたひらがなけやきに心を奪われていた。

欅坂のツアーだったがゆえに、ひらがなけやきが歌った曲はたった2曲。ツアーにさきがけて発表されたアルバムに収録されていた『永遠の白線』と、ライブでは大定番の『誰よりも高く跳べ』だ。

欅坂の曲が歌詞のメッセージ性が強く、激しめの曲調のものが多かったために、ひらがなけやきの持つ明るい雰囲気がものすごく刺さっていた。たった2曲しか披露していないひらがなけやきだったが、若手芸人みたいなことを言うと「爪痕を残した」ツアーファイナルだった。

そんなひらがなけやきが日向坂46に改名してからのデビューシングルが今回話す『キュン』となる。彼女たちがかかげる「ハッピーオーラ」なるものが歌詞や音楽やビジュアル面に存分に表現されている1曲だ。今回は歌詞を咀嚼していきたい。


『キュン』の作詞はもちろん坂道シリーズのプロデューサーである秋元康だ。古くはおニャン子クラブからAKB、乃木坂、欅坂。今に至るまで膨大な数のアイドル楽曲に作詞をしている。某歌詞検索サイトで秋元康で検索をしたところ、同じ曲の重複も含めるが、のべ2624曲がヒットした。とにかく尋常じゃない数の曲を作詞していることが十二分にわかるだろう。


要はなにが言いたいかと、秋元康は今に至るまで想像を絶するほどの作詞をしている。それでもなお、こんなにも王道なアイドルソングを書ける。それにはもうあの人の脳みそはどうなっているんだと頭をかしげる必要がある。

サビの歌詞はこんな感じ。

君のその仕草に萌えちゃって
あっという間に虜になった
静電気みたいにほんの一瞬で
ビリビリしたよ
何もなかったようにさりげなく
遠い場所から見守っていよう
そんな思いさえ気づいていない
余計に君を抱きしめたくなった ソース・Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/hinatazaka46/kyun/

私が気になるのは、この歌詞の主人公である男はどういうやつなんだということだ。「君のその仕草」から「ビリビリしたよ」は簡潔に言えば「惚れた!」ってなる。その後の「遠い場所から見守っていよう」や「そんな思いさえ気づいていない」の部分から、かなり奥手で自信がないなよなよした男子像を私は思い浮かべた。かわいい!かわいいんだけれども遠くから見てるだけでいいかなといった調子。ただ最後に「君を抱きしめたくなった」と急に大胆になる。急に自信のメーターがぶっ壊れている。自信の度合いが囲碁将棋部からサッカー部になってる。奥手な部分と男らしい部分が混在していて非常にアンバランスな心情はきっと中学生なのかなと思う次第だ。

次のサビではこうなる

僕にできることは何でもしよう
君のためなら何でもできる
真っ白な心 汚れないように
守ってあげたい
僕にできないことも何とかしよう
言ってくれたら力になるのに…
叶わぬ願いの独り言さ
好きというのは反射神経

ソース・Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/hinatazaka46/kyun/

前半部分は「俺がお前を守ってやるよ」的な言い回し完全にサッカー部モード。対して後半部分は急に「言ってくれたら力になるのに…」だとか「叶わぬ願いの独り言さ」と弱気。囲碁将棋部メンタルになっている。好きと言うのは反射神経という金言にも触れたいが、こうも心情がぐらんぐらんに揺れ動く様はやっぱり中学生男子だと思う。私はそう思う。

そしてこの曲で一番好きな歌詞がここだ。

僕が勝手にキュンとしただけ

ソース・Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/hinatazaka46/kyun/

人はいつ恋に落ちるのかわからない。あの子がポニーテールに髪を結んだ瞬間だとか、蝶々を逃がしてあげるやさしさが垣間見えた時とか。他の人はピンとこないところでも「好きいぃぃぃぃ!」となることはある。それは別に誰かに強制されることでも、批難の対象にされるものでもない。自分だけの大切な感情なわけだ。他人から理解されなくて「俺の趣味って変なのかな?」と悩む全中学生にこの部分を聴かせてあげたい。何人かの野郎が「これでいいんだ。」と前向きになれることだろう。歌詞って偉大だなー。


齢60を迎えようとしてもなお純粋な野郎の甘酸っぱい青春を文字化できる秋元康すげえ。一日だけ秋元康の脳みそになってみたいな。でもそんなことしたらあまりの情報量におう吐しそうな自分の姿が想像できたので、やっぱ焦らずゆっくり成長していきたいなと思いながら、今日も一言も悦と言わずに80日目の連続更新を迎えるのであった。


#悦セイ #悦ソング #日向坂46

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