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文学フリマ東京38はじめての出店レポ①本をつくって売ること

2024年5月19日に開催された文学フリマ東京38に出店してきました。せっかくなので、
①本をつくって売ること
②Indesignを使った原稿の作り方備忘録
③いざ、出店当日
の三本にわたってレポを書いていきたいと思います。

出店のきっかけは約3か月前、日記を本にするという文化があることを知ったことです。
もともと、形にするつもりもなくただ惰性でnoteに公開し続けていた日記がちょうど1年分溜まったところだったので、いっちょ本にしてみるか? と思い、文学フリマに出店申込をしました。勢いで。

WordとIndesignで原稿をつくり、Illustratorで表紙をつくります。(Indesignの操作方法はちょっと複雑だったので、備忘録として次の記事に書いておこうと思います。)

原稿作業がどうのこうの、とSNSに書くたびに、「この発言、作家の先生みたいでかっけぇ~!!」と思っていました。というか、そういう心の声もだだ漏れで投稿していました。

あとは、奥付にメールアドレスを記載した方が良いっぽかったので水田たまり名義のgmailを作ったり、印刷所を調べたり、用紙見本を注文して表紙や本文の紙を選定したり、直前には宣伝や設営の準備などの作業もありました。

そのうち、「1冊だけじゃ物足りなくない……?」と思い、過去に書いた東京についての記事をもとに、『東京が好きだった』という本を書くことにしました。
ちなみに、タイトルについては仮の段階で『東京零景』(太宰治の『東京八景』のオマージュで、私は東京のことをまだ全然知らないので零にした)とつけていましたが、自分への自信の無さから私はまだ太宰治のオマージュをしていい人間ではないな……と考え直し、このタイトルに落ち着きました。

この本が、結構大変で。東京に居たのは約1年前だったので、地図アプリに保存した行ってみたかった店のリストを見たり、路線図を見てあの用事でこの駅に行ったなぁとか、記憶を呼び起こしながら執筆にあたりました。

私はコロナ禍どまんなかで上京生活を送っていたので、東京という街を十分に満喫することが出来ませんでした。この本で東京への後悔をつらつらと語って、本を手に取ってくださった方のなかでいま東京に足の届く範囲に居る人たちが、私の後悔を少しでも掬い取って私の代わりに東京という街を満喫してもらいたい、そんな想いで書きました。東京はいい街だけれどもそれを十分に満喫するには人間の人生ひとつじゃ足りないなというニヒルめいた感情も交えたつもりでしたが、それがうまく表現できている自信はないです。

正直、この本は売れるかどうか不安でした。文章を書く大変さと作品への愛は比例しないようで、ページ数も日記本と比べて大幅に少なくて、内容もちょっとネガティブ寄りだし、東京のことをよく知っている人たちからしたら、当たり前すぎることを羅列しているだけだし、と卑屈になっていました。

このレポ全体で主張したいことは「本をつくるのって簡単だよ~!」ということなのですが、もし本当に自信がないのであれば、自信がつくようになるまで内容を磨いてから本を出したほうがいいような気がします。
『東京が好きだった』と書いているとき、
「もし私のことを知らない人がこの本が単体で買ってくれたとき、あまり自信のないこの本が、この文章が、私の出せる100%だと思われてしまう」
と考え、原稿をイチから考え直したりしました。

そうしているうちに、私は、できるだけ自信をもって本をつくり、宣伝し、この本(もちろん日記本も同じく)を愛することにしました。
自信も愛もなく売ってしまっては、買ってくれる人、読んでくれる人に大変失礼だからです。

するとなんと当日、日記本(『炭酸がどうしても苦手で。』)よりこの本(『東京が好きだった』)の方が先に完売したのです。
もちろん価格設定(日記本は1,000円、東京の本は400円)による手に取りやすさもあったと思います。が、やっぱり自信をもってこの作品を世に送り出すことができて、本当によかったなぁと思いました。

日記本についても、自分の考えてきたことを振り返りながら原稿をつくる作業はとても楽しかったですし、それを本という形にできた嬉しさ、段ボールに入った本が印刷所から届いたときの喜びは計り知れません。

と、こんな感じで本をつくって売ることについて書いてみましたが、レポになっているのでしょうか、これ。うーん。まぁいいや。

次は原稿を作る過程を備忘録として書こうと思います。

出店レポ②▽



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