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おいしい「春の季語」

ー親愛なるアーバンベアーたちへー

季節ごとにちんまり登山をします。残雪に鉄爪たてる5月、山小屋びらきのころのそれは、季節の原点と、季節の芳香がするので好きです。イノセンスなアンテナがぴぴっと作動する冬眠あけのクマになる感じ。

さて、都会のクマは中途半端な冬眠をするので、ボケボケと季節をさがしにゆかないとなりません。

それを悲観せず、たのしく目覚めるために都会のクマは春を食べる。クマたちよ、コグマたちよ、たくましく「おいしい季語」を食べるのだ。ぼくら器たちも、その手伝いをします。

さて、本題「おいしい春の季語」。

アトリエの中のひとの山菜をつかった適当オリジナル料理。分量とか計ってないし、買い物にも行けずアリモノ限定クッキング!

徒歩3分の地元感あふれるお店で、アーバンベアーのための「おいしい季語」を集めました。(この他に使ったおいしい季語は「生わかめ」「いよかん」、季語ではないが脇役として「3年味噌」「たこ」「いしる」など)

さて、調理してみましょう。

季語「ふきのとう」と「きのめ」

*ふきのとう味噌* 友人手づくり味噌3年リゼルバ。きのめ添え。

 うつわCocciorino 
(サクラごはん茶碗:半磁土)
(ミニミニ土鍋シロ:耐熱土)
※我が家はオール玄米なので写真映えせず。

冬眠クマさんのおめざは「ふきのとう」。

それって絵本のお話しだったかなぁと記憶をまき戻すも…実際、山菜の苦み「灰汁」は、適量であれば、唾液、胃液の分泌を高め、血行促進させるのだから「クマさんのおめざ伝説」は本当かも。逆に山菜にとっては脆弱な命を守るための自己防衛。(過去記事⇒「自己防衛を捨て皿に出よ」



季語「たらのめ」と「いよかん」と…

*スプリングイーネ!* 山菜は苦味が命。輪島塩といよかんがミカタ!

 うつわCocciorino
(乳白の皿:半磁土/オリジナルミラノ釉薬)
※「新たまねぎ」は季語でなかった。(以下参照)

あ、ちょっと料理名に春をかけてダサい感じにあそびました。「ちっちゃな舌」という意味の歯ごたえプリッと茹でたパスタ「リングイーネ」に、茹ですぎないように灰汁抜きした「たらのめ」が合う。愛すべき「新たまねぎ」の甘さと、山菜の苦み、そして「いよかん」の酸っぱさでしめる。これは絶品!自画自賛の渦でした。

※ちなみに「たまねぎ」は夏の季語。新たまねぎは春っぽいのにね。


季語「生わかめ」と…

*山と海の酢のもの* 山のこごみと海の仲をとりもつのは「いしる」。

うつわCocciorino
(ミニミニ土鍋(ローズ):耐熱土)

※主役の「こごみ」と「たこ」は季語でなかった。(以下参照)

水がぬるむ春先に漁が解禁される「わかめ」。新鮮な「生わかめ」を入手したのでタコのマリネにしようと思ってたところに、山菜「こごみ」さんが強い女っぷりで介入。

そこに仲介人の能登出身「いしる」くん登場。成熟した男は、情熱的と冷静のはざまで仲裁してくれるのね。ああそんなフィレンツェが舞台の映画があったわね。あの画材屋さん御用達でした。

※ちなみに「こごみ」さんは季語でありませんでしたが、ぐぐぐと雪の下から出てくる強い山菜として彼女を特筆しておこう。一夜でぐぐぐと成長する彼女は山菜採りたちに愛好され、料亭などで希少とされる「一夜こごみ」さん。なんか怪しい呼称。ついでに英名はostrich fern。なぜよ?と思ったら、うふっ、ダチョウの羽毛に似た毛皮(胞子葉)をまとうからよ♡なんて。ふむ?ダチョウの羽自体よくわからない…。

おいしい季語 後記

以上で今回のConote MAG 003「春の季語」コラムはおしまい。他のページもぜひ読みに参りましょう。⇒Conoteマガジン閲覧ページ

アーバンベアーたちのためのおめざは「春の季語」だったのですね。山菜の灰汁を茹でこぼしした程度で、素材をいかした料理ばかり。パスタを茹でる時間が一番長かったくらい超簡単。友人手づくり味噌や能登で買った「いしる」や塩が有能でした。器の撮影もでき、記事をささっと書いたついでに夕食に変身したので、マガジン編集長のフレッシュさんに感謝。「たけのこ」も「いちご」も食べたけれど、今回はこのへんで!

●春一番九州掘り「たけのこ」は土鍋でたきこみごはんに。
●「山菜とミニミニものがたり」っていうのも、いくつかできた。

これらは、別の投稿で!おたのしみに。(完)

投稿 Cocciorino 地球のかけら
#Conote マガジンに寄せて 2016.03.25 6:20








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