町がまるごとシリーズ3
海に浮かぶある島はひらいた地図の一番左端っこにありました。わたしたちの住んでいる国にくらべたらパンくずほどの小ささで、目をこらしてみるとウエハースのような形をしています。
町をまるごとイカダにしてしまおう!と町長が「町まるごとおでかけ構想3」を発表したのは数年前のこと。浮力の計算がとてもむずかしい。町は家々と丘や池をふくめて「おにぎり10個分」と積算された。
せっせとおにぎりを10個むすび、板に乗せバケツの海に浮かべて実験をしましたが、最初はうまくいかず7個もおにぎりをバケツの海に落としてしまいました。3つなら浮くぞ。
ある朝、おにぎり3つ分の町と大地と、コロポックル1000人を乗せて出港しました。7つ分の山と川と池は置いて。コロポックルたちはせっせとオールを漕ぎました。コロポックルはキャイキャイキャイと大勢で楽しそうでした。
これから夏いっぱい暑い日々「町がまるごとイカダ国」は、地図の左端っこあたりの海の上でプカプカ浮かんでいることでしょう。
写真「板皿(街シリーズ)」
Cocciorino 工房コッチョリーノ地球のかけら
本当につくってレースに出廷したイカダ↓
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