ちょっとブレイク「春のおとない」
春うららであるが、こちらは泥どんよりとでもいおうか。
生きたものを相手にする仕事とは、つめるなと言われても、根をつめなければならないことがある。相手がどんどん育ってしまうのだから、全ての体力でおいかける。子どもを育てることにも似ている。土の中の根っこも、人も、つめられたら苦しいだろう。
イタリア人の陶芸師匠の仕事っぷりにはこの「つめる」がなく「おす」くらいなんだよなあと、冷たい水道水で手を洗いながら考える。
工房40周年を迎え、ミラノのみならずパリのアートオークションでも活躍している師匠。ある人の「仕事がイヤになることはないのか」という問いに「イヤかどうかより、やることがまだまだある」と答えた。
今朝、仮眠あけの姿で窯のふたをあけた。これから釉薬をかけるのだが、その前につぶやいたボヤキを貼っておく。みなさまの「おとない」がとてもうれしかった。やっぱりだいじな道具は自身。根っこをつめるような道具にはしたくない。
ちなみに土鍋などに描かれている線はコッチョリーノの根ざすところの「根っこ」と「足あと」。
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