結論。果物ってヘルシーなの?
最近よく目にする、キウイのCMが大好きです。
キャラクターがサウナに行って白目をむいたり、汗ダラダラでランニングをしたり。憎めないかわいさ。
そして「キウイはヘルシー」と結んでいきます。ここで思うこと。
「本当にキウイはヘルシーなの?」
キウイはビタミンCや食物繊維もたっぷり。高血圧対策に欠かせないカリウムや、DNA作りに関わる葉酸も豊富です。ポリフェノールもたっぷり。そして糖質も多め。
この事実に対して、「ヘルシー」と解釈するかどうか。
これらの栄養が特に必要な人、欲している人にとっては確かにヘルシー。
でも、キウイにはご存知、糖質もたくさん含まれています。もしパンや麺好きなら、キウイを食べることは逆にヘルシーじゃないのでは? と考えてしまいます。
「果物は太らない」という神話
キウイをはじめ果物のメリットはたくさんあります。ビタミンやミネラル、抗酸化成分も豊富。でも血糖値を上げてしまうことが玉にキズ。
とくに最近の果物はとっても甘くておいしいですよね。その分、血糖値もしっかり上がります。急上昇すると、今度は血糖値を下げるためのホルモンが出てきて脂肪に変換されます。つまり太りやすい食材でもあるのです。
こう言うと「果物に含まれる果糖は血糖値を上げないから、太らないと聞いたことがあるけど」と言う人もいるかもしれません。
糖質と一言で言っても、ブドウ糖や果糖、麦芽糖などさまざまな種類があります。
おもに血糖値に関わるのはブドウ糖。確かに、果糖自体は血糖値を上げることはしません。しかし果物は果糖のほかにブドウ糖やショ糖も含まれているため、血糖値は上がってしまうのです。
しかも果糖は、すぐに肝臓に吸収されて脂肪に変換されます。つまり、ダブルの意味で食べすぎると太りやすいといえます。
エイジングとも関係あり※いろんな意味で
もうひとつお伝えしておきたいこと。果物に多いビタミンCはエイジングを遠ざける栄養素ですが、果糖は糖化を招きやすくエイジングを進めやすいこと。
身体のなかで糖が余ると、身体の血管や筋肉、肌細胞などのタンパク質とくっついてしまい、AGEs(終末糖化産物)という物質を作ります。これが老化を進めてしまうやっかいな存在なのです。
糖がくっついたところは本来の身体の機能を果たせなくなってしまい、骨粗しょう症を進めてしまったり、動脈硬化が起こったり、とさまざまなトラブルの原因となります。
実は果糖は、ブドウ糖に比べて糖化を起こしやすい糖と考えられているのです。10倍、なんて数字も。もし肌のコラーゲン細胞に糖がくっついてしまったら、たるみやシワ、シミが加速することに……。
もしあなたが「いつまでもキレイでいたい!」と果物を毎日食べていたとします。
あなたがスイーツ好きで、さらに果物を食べてしまうと、逆にエイジングを加速させる行動になる、なんてことも考えられるわけです。
バナナをモーニングルーティンにしている人へ
周りのお話を聞いていると、果物が好きな人はとっても多いです。とくにバナナ。毎朝のルーティン、とも。食生活は糖質も多め、というパターンも。
そんなタイプが果物を食べるなら、デメリットを意識しながら食べることがヘルシーだと思います。
朝ご飯のあとにちょこっと食べることで身体をいたわることにつながります。先に胃に食べ物が入った状態で果物を食べることで、血糖値の急上昇を防ぐことができます。
量は、バナナなら輪切り2切れぐらい。林檎も小さめふた切れ。
このほか、グレープフルーツやはっさくなど、糖度の低いタイプをチョイスするのもコツです。
見落としやすいのが果汁100%のジュースや、市販の野菜&フルーツジュース。生だと食物繊維などが一緒に入っていますが、ジュースだと果糖が液状になっているので血糖値が爆上がりすることに。
わたしもかつて、起きがけのスムージーを欠かさなかった一人です。野菜だけだとおいしくないので、パインやりんごなども一緒に。むくみもお通じもスッキリ! やっぱヘルシーだよね! と思っていたのですが、ある日上記のことを知ったのです。
我が家はいわゆる糖尿病家系。父も、母方の祖母、叔父も糖尿病にかかっています(取材で江部先生にお会いした際、「サラブレッドやね」と言われました)。甘いものも大好き。中毒的だったと思います。多分。
そんなわたしが起きがけにスムージーを飲む行為は、膵臓にガンガンダメージを与える行為に等しいと思ったのです。そこからはやめました。
オーソモレキュラー栄養学に取り組んで、いま、糖を欲することはほとんどなくなりました。抑制がきくようになったので果物も少しは食べます。ぶどうは大好きですが、食後に2、3粒ぐらいにとどめています。残りは一旦冷凍室へ。ちょこちょこ取り出して楽しみます。長期間味わえて最高。でも、意外に食べたいなと思うシーンは少ないものです。
果物がヘルシーかどうかは人それぞれ。その人の食生活や嗜好、文化に答えがあると思っています。
ただ、ぐるりと周りを見渡しても、糖質多めな食生活の人はやっぱり多いかも。それを踏まえつつ、楽しくつきあっていきましょう!