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【読書】人生は長い、と気づかせてくれる「大人の人生相談」~祝・伊集院静氏、作家活動再開!~#386

おはようございます、tamamioです(^^)皆さん、悩み事は誰に相談しますか?友人、家族、ネットなど、様々にあると思います。

今回は、大人の皆さんにこそ読んで欲しい!作家の人生相談のご紹介です。

1 祝・作家活動再開!

本日のおすすめ本はこちらです、ドン!

作家・伊集院静氏が『文藝春秋』で連載していたQAをまとめた本です。伊集院氏は2020年にくも膜下出血で倒れ、意識不明になりました。

幸いにも、その後無事に目覚めてリハビリをされ、作家活動を開催されています!本当に良かった!

実は、伊集院氏の作家活動再開を知らなかった私。新聞広告で新刊発行を知り、同時に伊集院氏の活動再開も知ったという。

即注文して、今日届くはずです。楽しみ!

2 思わず考え込む相談と、回答

でも、今回ご紹介するのは、新刊でなくこちらでしたね、QA集。

伊集院氏の元に寄せられた読者からの相談は、子育て、恋愛、介護、お金など、どれも、「その人の人生」が詰まったものです。

「重い」相談ですが、それだけに読みごたえがあり、また伊集院氏の回答も考えさせられるものが多い。大人の皆さんに、ご一読頂きたい一冊です。

3 勉強も部活もパッとしない、高校球児の息子

その中で、50代男性からの、子育ての悩みの相談があります。要約します。

高校球児の息子。進学校かつ古豪の名門野球部だが、学業成績も野球部での活躍もパッとしない。万年補欠の野球部を辞めさせ、学業に専念させたい。

こういう相談でした。皆さんが、この相談者ならどうされますか?勉強も部活もパッとしないまま見守るか、勉強に専念させるか。

4 それが与えられた「現実」です

伊集院さんの回答はこうです。

(前略)息子さんが補欠の控え選手ということですが、それは息子さんに与えられた現実です。

p39

ズバッと言いますね、現実。これは、親の立場では考えられないことです。距離のある第三者である伊集院氏にしか、言えないことだと思います。

この現実を若い時にどう受け止め、いかにそこから逃げ出さずにやり通せるかが、息子さんのこの先の人生に大きく影響します。

p39

そうですよね。やっぱり親だと、息子さんを近くで見ているので「その時」しか見えない。息子さんには、野球を終えてからの「人生」があるのですよね。むしろ、その先の方が長い。

5 レギュラーと控え・精神力の鍛えられ方

中高大と野球部所属の伊集院氏は「将来大成する人は、控え選手だった人が多い」と言っています。その理由を、以下の通りに述べています。

黙々と目の前の仕事、目標をこなし、志を決して捨てない強い精神力を、彼等はクラブ活動の時に獲得していたのです。

p40

伊集院氏は、同回答で「高校時代に運動部で得られるもの三つ」を、以下の通りに挙げています。

一 体力
二 精神力
三 友情

※tamamio抜粋/p39

辛い練習に耐えるのは、レギュラーでも補欠でも一緒です。

レギュラーには「試合」という晴れ舞台があり、「プレッシャー」という代償がある。

対して控え選手には、舞台も代償も与えられません。辛い練習に「耐えて」「待つ」だけ。「割に合わない」。ですよね。

6 人生の先達の、温かいまなざし

そんな息子さんを持つ相談者に、伊集院氏は次のように語りかけます。

長い人生のほんのわずかな数年、何かに耐える時間を持つことは、決して悪いことではありません。素晴らしい宝物を彼は得ると思います。

p40

結論です。

どうか息子さんに野球を続けさせなさい。

p40

いいですよね!「どうか、続けさせなさい」。「続けさせてください」でなく、「なさい」のところに、伊集院氏の温かいまなざしを感じます。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

日々を忙しく過ごしていると、どうしても「コスパ」「効率」に焦点を当てがちです。こうして一歩引いた視点から、人生の先達に語り掛けてもらえると、近視眼的な考えから、「ふっ」と我に帰れます。

読書って、いいですね!

では、今日も素敵な一日を!





私の創作活動の糧は「読書」です。より多くの書籍を読み、より有益な発信ができるよう、サポートいただけると嬉しいです。