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「たとえば、」のやさしさ *S2.35

また、楽しい本に出会っちゃった。嬉

「メルボルン案内 たとえば、こんな歩きかた」
文:小川奈緒 写真:安彦幸枝

「たとえば」のやさしさ

この本、カテゴリーでいうと観光関連本や、旅のエッセイ本になるのかなと思います。
単なるメルボルン観光の本だったら、手に取らなかったでしょう。

この本を選んだのは、
「たとえば、こんな歩きかた」というタイトルに惹かれたから。

”おすすめ〇選"とか、"…に行ったらこれは外せない!"と書かれている本も、
旅の気分をあげてくれるものとしては良いけれど、
”たとえば、こんなのはどう?”と言われると、なんだかより惹かれる気がします。

「たとえば」に読点「、」がつくことで、そこに余白を生み出してくれているような感覚にもなります。

押し付け感がまったく無く、ただ、自分が好きなエリアを旅する人たちに、
「もしよかったら、こんな歩きかたもありますよ」と、そっと旅のヒントを渡してくれるような、そんな一冊でした。

旅から暮らしを考える

たくさんのお店だけでなく、そこに住む人たちのストーリーも知ることができる本でした。

移住者が多いエリアに住む方、昔から愛されるお店を経営している方など、
旅する中で、自然と交わされた会話からインタビューまで、
たくさんの素敵な写真とともにつづられています。

メルボルンでは環境への意識が高いことを、いろんなスポットや人を通して知ることができるのですが、
それをどう自分の暮らしに取り入れていこうかな、なんて考える余白も残してくれているように感じました。

旅をして見えてくるローカルの暮らしや文化を知って、
そのライフスタイルを持ち帰るという視点で物事を見てみると、
また別の考えが生まれるんだな~という気づきももらえた本。

文字と、写真

文章の書き方もさることながら、視覚的にも刺激される写真の数々。
インタビューをした方たちの写真やガイド本にも載りそうな写真もありつつ、街を歩きながら、ふと見える”暮らしの一部"的写真もあって、
なんだか自分も一緒に旅をさせてもらっているかのような、そんな気持ちになりました。

文字と写真、こうやって本という形で、ゆっくりじっくり見ること、
とっても贅沢な時間だなと思いました。

良き本との出会いに、感謝。


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