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30代女性の転職「転職するやつの人生なんてしょぼい。」と言われた私の末路。

こんにちは。環(たまき)です。

私は2回の転職を経験しています。1回目は27歳の時。大手飲食店のマネジャーから建築業界へ。そして2回目は33歳の時。同じ業界のもっと大きな会社へチャレンジのため転職しました。

1回目は、6年間務めた会社を辞めたのですが、円満退社でみんな快く送り出してくれました。今でもつながりのある友達も居ます。そして、1,2か月前の2回目の転職。この2回目の転職は本当にしんどかった。

何がつらかったのかというと、「働いている会社に黙って転職活動をしている」、ということ。まあ当たり前といえば当たり前だし、転職活動しているんだから、辛い思いして当然、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが…。

そして社長からの「転職するやつの人生なんてしょぼい。」という言葉。そんな言葉を言われた私の転職譚を、今日は紹介します。

転職のきっかけ1 コロナで社会人学生になれなかったこと。


わたしは、BtoCの専門的な仕事をしていたのですが、地方の小さな会社では、なかなか専門的な技術を教えてくれる人も居らず、それでも自分で本や雑誌、ネットを駆使して独学でなんとかやってこれました。しかし、会社の規模的に経験できる仕事の幅も限られていたので、自分のスキルアップの限界を2年目後半あたりから感じ始め、資格を取り始めて勉強会の機会を作ったりしていました。2020年春に、社会人学生になろう!と資料請求したりいろいろ調べていたのですが、まさかのコロナ禍が始まってしまいます。月1回程度とはいえ、通いたい大学は東京だし、自分の勝手で感染リスクの高い場所に行くようなことは難しい…と判断し、入学を見送るしかありませんでした。2020年、わたしは32歳。まるまる1年何もできないで、33歳から入学、2年で卒業できたとして35歳。卒業後の転職も考えていた私には、1年のディレイも惜しいものでした。

2021年、33歳の年をどう生きるか。1年間私は本気で悩みました。大学入学か、転職か。悩みぬいた結果、私は転職を選びました。とはいえ、今の仕事が嫌になったわけでも、会社が嫌いなわけでもなかったので、今より好条件で自分がやりたい仕事ができそうな会社でなければ転職するつもりはありませんでした。

転職先で新たに得られる経験の方が、大学入学よりも今の自分には価値があると判断しました。大学は、また転職先で落ち着いたら考えたらよいと。


転職のきっかけ2 会社の業績不振による空気の悪さ。社長への失望。


務めていた会社は、ある執行役員の不祥事で業績が傾き、1,2年赤字が続いている状況でした。もともと業界的にも厳しい戦いだったのですが、その役員の不祥事がきっかけで、会社の経営はさらに厳しくなっていました。そんな状況下でも、私たちへの給料の減俸もなく、社長はなんとか耐えていたように思います。ですが、やはり社長の立場になってみれば、自分の会社が赤字で、まともでいられる方がおかしいんです。社長の雰囲気はいつもピリピリしていて、周りの社員は腫れ物に触るかのような態度だったと思います。私は少なくともそうでした。ただやっぱり、社長の社員に対する横柄な態度、時折こぼれる心無い発言に、自分の人生や働き方に敏感になっていた私は、「この人の下では働くことはできない」と感じてしまいました。本当に残念でやるせない気持ちでした。会社は嫌いじゃないし、感謝もしている。でも、このまま自分の大切な人生の時間をここで使うことはできない。と思ってしまった。自分が、社長が駄目だとか、経営が良くないだとか、上から目線で物言う立場でないことくらいは、わきまえてます。ただ、自分とは合わない、そう感じるのは自由だよね。と思います。


転職活動で辛かった。誰にも言えない、しんどさ。


私の仕事はBtoCだったので、転職活動中でもお客様や周りのスタッフに、自分はこの先ずっと働きます、という体裁でいなくちゃならない。これが一番堪えました。頂ける仕事に対しても「あと数か月で辞めるんで、受けられません」と言えるわけもなく。「任せてください」って言うしかない。本当に申し訳ない気持ちでした。部署のリーダーとして、今期の計画を立てる、なんて時も、自分が居る予定のない時期の営業計画や、達成するはずもない数字目標を立てたりして、自分が選んだ道とはいえ苦行でした。

転職に付きまとう、この「後ろめたさ」。会社に怒り、自分の物差しだけで思考していたら、余計なことを考えず堂々とできていれば、後ろめたさを感じることもなかったかもしれませんが、誰も悪くない状況で、転職をすることを隠しているということが、ここまでストレスになると思ってもいませんでした。


転職を告げたその日から始まった更なる居心地の悪さ。と社長からの暴言。


社長に退職することを告げたときに、社長はうまく自分の気持ちや、私への態度をまとめられていないようでした。私の上昇志向性はわかっていたと思うので、応援したい気持ちもある、でも転職活動を隠して進めていたことも許せない、そんな様子でした。もともとその会社でスムーズに退職できていたのは、寿退社か、出産退社か、4年で辞めると約束の上働いていた子くらいで、ほかの人たちは裏切り者扱いで辞めていました。社長が、辞めた社員のことを非難することが常で、そのことが本当に私は嫌でした。残った社員にとって、辞めた社員に対する社長の心象なんてどうでも良いし、あまつさえ悪口みたいに聞かされて、モチベーション上がる人居るわけない。私は、何も会社が嫌になって辞めるわけじゃないし、自分の人生で決めた決断だから、裏切り者だと悪く言われる謂れはない、と考えていました。

私は退職が決まったからと言って、今までと変わらない勤務態度で、もちろん迷惑かけてしまう人たちには配慮しながら過ごしたいと考えていました。私は、嫌で辞めるわけじゃない、もっと限られた人生でチャレンジしたい。だから転職するんだってことを周りにもっと伝えたかった。これは私のエゴかもしれないけど、業務以外で周りに悪い影響は与えたくなかった。

だけど、そんな私の態度を見た社長は、「何か勘違いしているみたいけど、周りに退職を言うときに、そんな態度だと不快に思う人も居るからよく考えろ」と言ってきた。言われて、「あぁ社長はやっぱり私のこと許せないんだな。」って確信しました。周りに悪く思われないようにアドバイスしてくれたんですね!って体で「ありがとうございます。」って返してやりましたけど。

朝礼の時に、社長がしゃべる時間が毎回あるんだけど、「成長のために転職とかするやつの人生なんてしょぼい」って、名指しで言われたわけじゃないけど、みんなの前で言ってるのを見て「この人私と張り合ってるのかな」って不思議でしょうがかなかった。

この社長の言葉は本当に私を傷つけて、家に帰って母や姉の前でわんわん泣きました。父が昨年亡くなっていたのですが、私は自分を育ててくれた両親に本当に感謝しているし、精一杯生きよう、と死んだ父をみて感じていたから、「お前の人生なんてしょぼい」って言われたのは、自分の親を侮辱されたも同義でした。

母は泣く私をみて「そんな器の小さい男の会社なんてささっと辞めな」と言ってくれて、「姉も早く辞めなよ!」ってちょっと怒ってくれてて、やっぱり家族は、味方でいてくれるんだなって感じることができて、それが心の支えになりました。

私の人生がしょぼいかどうかは、私自身が決めることだ。他人から評価されることじゃない。そう言い聞かせて、最終出社日までなんとか、社長との接触をなるべく減らして辞めることができました。

顔を合わせない方が、お互いストレスではないだろう、と結局最終日に挨拶に行く勇気も湧かず、会長にだけ簡単に挨拶を済ませて退社しました。


なかなか辞めたい時期に辞めさせて貰えなかったりと、思うようにいかず、円満退社とはならなかったけど、それでも会社やそこで働く仲間、お客様たちがより良い方向に行けるよう祈れるだけの気持ちでいることはできました。

同じ部署の人たちには、たくさん迷惑かけて本当に申し訳なかったです。でも退職する私に対して態度を変えることもなく接してくれて本当に感謝してます。

退職する私に複雑な心境を持っていそうな人も中には居て。あからさまに態度が変わったり、あいさつや態度が素っ気なくなる人も居ました。でもこれは甘んじて受け入れるしかないことなのだと思いました。個人的には退職や転職することは、決して悪いことじゃないし、最悪、応援できないにしても、他人の人生のことだしどうでも良いというか…。でも中にはやっぱり嫌な気持ちになったりする人も居て、そう感じる人の価値観や考えを否定することはできないよなって思いました。

転職してから約2か月


転職してまだ2か月も経っていないですが、今のところ後悔は全くなく、転職して良かったと心底感じてます。新しい刺激を受けられて、自分の知らないことが経験できることは本当に貴重で楽しいことです。年収も上がって、一人暮らしも久しぶりにはじめて、少し寂しいですが、自分で生きてくことの自信につながっていくと思います。

転職先でも戸惑うことも悩むことも勿論ありますし、すべて完璧なわけには行きませんが、また自分なりに創意工夫して自分の限界を越えられる機会があるって考えるとワクワクしかありません。


転職に対する考えはこれからどうなるのか


転職せずに、1社だけで頑張っている友人もたくさんいるし、そういう友人の働きぶりは尊敬します。私は飽きっぽいので、たぶん転職しないとモチベーションが保てないタイプなので、人によると思います。ただ、やっぱり転職は市場としても大きいし、企業は転職を前提に人事を考えるべきで、自分の社員が毎日出社してくれることを当たり前だと思ってはいけないと思います。会社と社員はフェアな関係で、ビジネスパートナーなのだから、お互い危機感をもって接することが大切です。

社員はお給料や仕事を貰えることを当たり前だと思ってはいけない。日本では一方的な解雇は不可能だけど、会社の期待する最低限のパフォーマンスができていなければ減給や上司からの不遇だってあり得る。

社長や上司は部下が、会社で働いてくれることを当たり前だと思ってはいけない。給料を払ってやってる、なんて偉そうな態度をとると、特に若い子はお金のために働いているわけじゃない、という価値観の子も多いので反感を買うだろう。

会社や上司は、社員一人一人が、どういった動機や気持ちで今働いているのか、気にかけて、相手のキャリアパスの選択肢を設けることができなければ、転職をおすすめするのも良いだろう。ようはマッチングしているかどうかの問題なのだから、需要と供給が擦り合わせても、どうしようも無いのであれば、無理に会社に居てもらっても、周りに悪影響しかない。

転職=気まずい、後ろめたい。そんな風潮が少しづつでも薄れていくと良いなって思います。






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