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ストレッチポールで簡単にできる肩甲骨はがし(ランニングフォーム改善)

肩甲骨はがし
そういう看板を見た事はありませんか?
肩甲骨って剥がせるのか? と、疑問に思ったり、気味悪く・怖く思ったりする人もいるでしょう。しかし、慢性的な肩凝りに悩む人には、魅惑のフレーズに聞こえるのかもしれません。
今回は、この「肩甲骨はがし」について、というか、そもそも肩甲骨はどんな骨なのか、を掘り下げてみたいと思います。

肩甲骨ってこんな骨

また例の通り、肩甲骨の画像検索のリンクです。(自分で図が書けないので)

見ていただいて分かる通り、肩甲骨は逆三角形の平べったい骨で、背中に貼り付いて存在しています。しかし背中側の胸郭との繋がりはなく、背中の面をある程度自由に動きます。肩甲骨の先に腕の骨が繋がっていて、肩甲骨が自在に動く事によって腕は複雑な様々な動きができるようになっています。
ポイントは、肩甲骨は背中に貼り付いていて背中の面上を自由に動く事ができるという点です。
(実は、肩甲骨は、胴体の前面から出ている、鎖骨と繋がっています。なので、自由に動く事ができるのは、鎖骨と繋がれる範囲内で、という但し書きが付きます。また、肩甲骨にはたくさんの筋肉がくっついていますので、それらの筋肉の伸縮で肩甲骨の動きがコントロールされている事になっています。)

三浦龍司選手の肩甲骨

それで、肩甲骨の柔軟性というと、有名なのは、陸上3000メートル障害の三浦龍司選手です。その「手羽先みたい」と評される肩甲骨がこちらです。

多分、「肩甲骨はがし」って、このような動きをイメージしているのだと思われます。つまり、肩甲骨が背中の面から離れて浮くようになり、それによって「羽のように」なっている、そこまで肩甲骨が自由に動くようになるのが理想じゃないか、という事ですね。

ストレッチポールで肩甲骨を「剥がして」みよう

それで、三浦選手のように肩甲骨を背中の面から大幅に「剥がす」事は叶わなくとも、少しならば背中の面から離れるような動きをさせる事はできます。
それには、ストレッチポールを使います。

以前、こちらの原稿で、ストレッチポールの基本的な乗り方を説明したと思います。
その応用編になります。
(この動きは四十肩の治療で理学療法士の方にリハビリで教わった運動です。なので、四十肩で腕が上がらないみたいな人でもできる運動だと思います。)

まず、上の原稿を参考にして、ストレッチポールの基本的な乗り方で乗ってください。その際に、しっかりと後頭部が付くように顎を引いてあげましょう。
その状態から、腕を「前に倣え」の格好で伸ばして、寝転んだ状態で物理的な上方向(立った状態なら前方向)に腕を伸ばします。なるべく指の先が上の方に届くようにしっかりと伸ばした上で、腕(肘)を伸ばしたまま脱力してストンと肩を落としてやります。
そうすると、肩甲骨が寝転んだ状態で物理的な下方向(立った状態なら後ろ)に落ちて、ストレッチポールの円柱のカーブに沿って引っ付くようになります。

ストレッチポール利用法・応用編1

やってみると分かりますが、これ、ストレッチポールの円柱のカーブに肩甲骨が吸い付くようにくっついていく感覚があるんです。そうやってポールのカーブの曲線(アール)に沿って肩甲骨が下に落ちると、その分少し肩甲骨が胴体から「剥がれる」事になる訳です。

この運動は非常に重要で、固まっていた肩甲骨周りをほぐし動きやすくする事で、肩甲骨の可動域を広げる事ができます。すると、前に書いた「肩甲骨と骨盤を連動させて動かす四つん這いストレッチ」がより大きく動かせるようになります。

「ストレッチポールでの肩甲骨剥がし」を応用した肩甲骨の運動

この「肩甲骨剥がし」をさらに応用して、今後の骨盤と肩甲骨を連動させた動きに繋げられるような動きを練習しましょう。
これもストレッチポールの上で行います。
肩甲骨剥がしの運動では、腕を持ち上げて落とす時に真っ直ぐ落としていたと思いますが、それに慣れてきたら、ちょっと回すように落としてみるんです。

ストレッチポール利用法・応用編2

落とす時に真っ直ぐ真下に落とすのではなく、ちょっとお腹側に円弧を描くように回すように落としてみるんです。そして、その動きに慣れてきたら、腕を持ち上げる時は頭側に円弧を描くように持ち上げてみる。それを一連の動きにすると、肩を回すような動きになります。(蒸気機関車の車輪を繋ぐ連結棒のような動き、というと分かりやすいでしょうか。)
この動きをストレッチポールの上で行うと、下側を通る時に肩甲骨でポールを擦るのが感じ取れます。そうする事で肩甲骨の動きを感じ取りやすくなりますし、肩甲骨がより大きく動く、その動きがどういうものかを身体に教育していく事ができます。
この動きができたら、反対周りもやってみましょう。落とす時に頭側に円弧を描くように落とし、持ち上げる時にお腹側に円弧を描くように持ち上げる。こちら側回しはちょうどクロールの動きになります。(先ほどの動きは背泳ぎの動きですね。)ランニングの腕振りはクロールの動きに近いので、クロールの回し方の方がより重要です。(ただ、個人的には背泳ぎ方向の方が動かしやすい気がします。個人差があるかもしれませんが。)

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