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デビット・ボウイの人生を変えた100冊

彼が重度のコカイン中毒に陥っていた頃、撮影された映画「地球に落ちてきた男」の撮影のため、(「Station To Station」の頃ですね)むかったロケ地ニューメキシコに来た彼は、特別なトランクに詰めた400冊(一説には1500冊)の本(当時の彼の関心事のオカルト中心だった)を持ち込んだそうで、彼の作品の多くは、文学、絵画、彫刻、映画などに影響を受けたり、インスピレーションを得ていたことは、よく知られていますが、この本は、日本でも開催された彼の回顧展「David Bowie

Echo In The Canyon ~Music from and inspired by documentary film

Echo In The Canyon ~Music from and inspired by documentary film 「ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック」に続き、立て続けに観た 「エコー・イン・ザ・キャニオン」。前者が美しい写真と素晴らしい音楽で当時ローレル・キャニオンで起こっていたことが当時の時代と重ね合わせ総括して語られていましたが、 特に目新しい話があったわけでなく、カメラマンという傍観者の視点からの「ノスタルジー」の域にとどまった作品という

The Rebirth of Cool One~Seven

時代が90年代に入り、70年代後半のPunk/New waveから始まったMusical Explosionは Hip hopアーティストによるJazzやその他“Rare Groove ”のサンプリングを契機としてJazzの逆襲が始まった訳ですが、こちらは7集まで続いたそのムーブメントの記録。 The nineties will be a decade of jazz thing .Welcome to the story so far という確信に満ちた宣言から始まるライナ

ダブリン紀行

ちょうど6年前、初めてアイルランドはダブリンを訪れたときの投稿が出てきました。こちらは、現地に行く前に”予習”した本と音楽の数々。現地でのエピソードをいくつか。 ①.パスポート・コントロールで”何しにダブリンに来たのか?”と聞かれ、いつものように”観光”と答えると、”で何するの?”と聞いてくるので、”ライブ観たりとか”と返事すると、すかさず”誰のライブ?”と言うで”Moving Hearts ”と答えると”それってChristy Mooreがいたバンドだよね。へーライブやるん

映画「ノーザン・ソウル」

Amazon Primeの配信で見つけて これで観るのは3回目になります。ノーザン・ソウルと言えば、もちろんアメリカ北部で生まれたソウルミュージックのことで、シカゴやデトロイト(もちろんモータウン)などのソウルをメンフィスなどのサザン・ソウルと対比して指すこともありますが、イギリスでそしてこの映画でいうノーザン・ソウルは、イギリスの北部に住む若者が、昼間の工場勤務の後に、クラブに集まり踊りあかすときにかかるアメリカのソウル・ミュージックという意味合いもあります。 1974年北

Band On the Run/ Paul McCartney and Wings

Disney+で配信が始まった「マッカートニー 3,2,1」こちらもトータル6時間の長尺ですが、30分ごとに6話に分かれ、ハンブルク時代からソロ、そしてウイングスまでのエピソードまでが時系列ではなく、ランダムに話が展開し、かつホストのRick Rubinの“聞く力”もあり、テンポよく展開するので、あっと言う間に観てしまいました。  ミキサー卓を前に、“あのビートルズの作品”を他の音を消して、コーラスだけ またベースだけを聞かせたりと本人がいないとできない試みで、他の音楽からの

映画「ショップリフターズ オブ ザ ワールド 」~スミスファンのラジオ局ジャック事件

1987年アメリカのコロラド州デンバー。当時、現代最高といわれたイギリスのグループThe Smiths 解散のニュースが、飛び込んでくる。The SmithsのサウンドそしてMorrisseyの歌詞を自身の境遇と重ね合わせ共感をしていた何人かの若者は悲嘆にくれる。その中でも、レコードショップの店員ディーンに「この町の連中に一大事だと分からせたい」と地元のへビーメタル専門のラジオ局に行ってザ・スミスの曲をかけろとDJに銃を突けるという話。 実際に起こった出来事らしくその時は未遂

The Beatles Get Back

 当初、映画公開を予定されていた作品が、コロナ禍で中止になり、3部に分かれDisney+のみの限定配信となり、金曜日公開となり、早速観ました。 アップル社屋上におけるビートルズの最後ライブとして知られ、昔、一度「レット・イット・ビー」として公開されたものが、膨大な映像から、全く新しく作り替えられた作品。  3部トータルで8時間弱の長尺、その上ほとんどの場面がスタジオでの曲作りを含む、レコーディング・セッションなので、ダラダラ進む場面も多く、一応、出演者もその曲も良く知っている

京都大学の西部講堂

僕が百万遍にある京都大学の西部講堂のことを意識したのは、中学生くらいの頃のフランク・ザッパの来日でした。彼が「世界でもっともビューティフルでクレージーな劇場」と評した”ハコ”は、その後、パンク/ニュー・ウェーブのメッカとなり、京都に来日したアーティストや東京ロッカーズのライブをそこで何度も観たわけで、今でも京都に帰ると訪れたくなる特別の場所です。  でも僕が大学に入学したときは、学生運動の名残がまだ少しあったくらいで、1969年から始まる京大、同志社、立命館、芸大などの学生の

An Apple film original: THE VELVET UNDERGROUND: A DOCUMENTARY FILM BY TODD HAYNES

10月15日に公開されたばかりのVelvet underground のドキュメンタリーをApple TVで観ました。前半はニューヨークのアヴァンギャルド・アート・シーンで活動したJohn Caleが大きくフィーチャーされており、John Cale、La Monte Youngなどの当時のシーンを感じることができます。Andy Warholのネームバリュー、Nicoの参加により徐々に知名度が上がり、セカンドアルバム「White Light, White Heat」で聴ける緊張

American Utopia/David Byrne

やっと映画も公開され観てきました。監督はスパイク・リー。 今回も”スーツ”がポイントです。正直いうと「More Songs」「Fear of Music」その後、巷で大傑作と言われている「Remain in Light 」はちょっとガッカリでした。なぜかというと僕に取ってトーキング・ヘッズの魅力は、スカスカのサウンドの空間の中を抑揚をつけて 調子っぱずれに漂うデビッド・バーンの声とペナぺナギターのリフによるぎこちないファンクサウンドなので、そんなに本物の黒人のグルーブでその空

筒美京平の世界 inコンサート

 昨年お亡くなりになった現代の日本のポピュラー音楽界の最重要作曲家、筒美京平のトリビュートコンサート。2日開催された今日は最終日でした。 子供の頃は日常的に流れていた歌謡曲。 好きになる曲は大体 筒美京平さんの曲でした。 そしてバカラックの影響を受けたと言われる「ブルーライト・ヨコハマ」、流麗なオーケストレーションで一斉を風靡したフィラデルフィア・ソウルのコーラスグループ スリー・デイグリーズに提供した「にがい涙」など彼の音楽は僕に取っては、洋楽への道調べでもありました。 今

リ・ン・ガ・フ・ラ・ン・カ DELUXE /EP-4

先日,坂本龍一が参加したEP-4のライブ(Urban Synchronicity 京都会館別館ホール1983) を聴いて、久しぶりに出してきたこの作品。2011年に再発された2CDで1983年 日本コロムビアからの「リンガ・フランカ-1/昭和大赦」とペヨトル工房からの「リンガ・フランカ-X/昭和崩御」がリマスターされ、ボーナストラックが追加されています。当時、あまり黒人音楽のことを知らなかった僕が、感じたことは、A Certain Ratioぽいなぁというのと、声を加工するこ

音響ハウス Melody-Go-Round ~奇跡の音が降る場所

メンフィスのマッスルショールズを代表格として、録音スタジオにスポットが当たることが多く、また過去には、「クラシックアルバムズ」というロックの名盤の制作秘話を語るDVDシリーズがあったりと、素晴らしい音楽が出来上がるまでの過程を覗き見ることは大変魅力的で、その作品への愛情がより増すことになります。  1974年に銀座で設立された「音響ハウス」。そのドキュメンタリー映画を観ることができました。スタジオミュージシャン/ギタリスト佐橋佳幸(松たか子のご主人でもあります)とレコードディ