マジカル山形2泊3日の旅④ Day2 羽黒山
3年3ヶ月越しになりますが、2020年11月に訪れた山形の旅のお話の続きです。
不思議な森、山形の絶品料理などの写真も載せていますので、是非、寄り道していってください。
羽黒山へのアクセスは2通り。
①2446の石段を上がる。
②車で頂上まで行く。
文化記念館に車をとめて、お手洗いを済ませている間に外はゲリラ豪雨☂
雨に濡れて滑りやすい石段、苔、ときたら出雲の骨折り事件が思い出されます。
骨折してから半年足らず、まだ足の痺れもあり、階段を上がり切る自信はありません。
なので安全な車でのアクセスを選択したかと言うと、やっぱり階段を上がってみることにしました。
調べてみると、頂上まで往復のバスが出ているので、帰りはそちらにお世話になることにしよう。
羽黒山へ行くと言うと、
出会う人出会う人、必ず口を揃えて言う。
「絶対石段は登って、参拝した方がいい!ありがたさが違う。」
この言葉を参考にしました。
羽黒山参詣道の入り口に建つ朱色の門、随神門(ずいしんもん)は、この世とあの世、人の住む世界と御神域を分ける役割を果たしているそうで、悪い霊の侵入を防ぐため、左右には恐い顔をした門番の神々(随神)が剣と弓矢を持って鎮座しています。
この門を越えて、いよいよ参道に入っていきます。
立ち並ぶのは樹齢350年から500年の立派な杉並木。
慣れないトレッキングポールの組み立ての準備に手こずっている間に幸運にも雨が止んでくれ、潤った森と空気がとても気持ちいい。
どこからか絶え間ない水の音が聞こえてきます。
ふとそこに現れたのは、豊富な水が流れる川、そして滝。
祓い川と呼ばれ、昔の人はお参りする前ここで身を清めたそうです。
木々は雨をまとってキラキラ。
苔も美しい。
杉の木立がぽっかりと開け、突如現れたのは高さ29mの国宝五重の塔。
「出羽三山」と検索すれば必ずイメージ画像として出てきます。
そこだけまっすぐに光が差しこんで、神々しい雰囲気を醸し出しています。
さぁ、ここからが本番。いよいよ石段登りの始まりです。
途中小刻みに休憩を挟みながらゆっくりとしたペースで一時間弱、道の脇に目をやると、遠くにひっそりと赤い鳥居⛩が立っているのが見えました。
不思議な雰囲気をまとっている「御本坊」という空間で、看板を読んでみると、かつて修行寺として羽黒山を治めた宝前院若王寺の跡地だそうです。
松尾芭蕉もここで2度句会を開き、今までは自分の心情を読んでいたが、羽黒山に滞在してからは情景も組み込むようになったという。
浮島のある池には蓮が咲き誇っていたそうな。雅な情景が浮かびます。
このどこかさみしげな場所につい調べていると、素晴らしい思いと信念を持って2009年に草木生い茂る状態だったこの場所を整備した参拝者グループをとりあげている山形観光協会のページに辿りつき、感銘を受けたので、ご紹介したいと思います。
想いを知ると、その場所は深みを増し、より一層記憶に残ります。
観光地として故郷が広く周知されるのは喜ばしいことですがその反面、別の問題も生まれています。
ある土地の魅力を広く流通させるために、分かりやすいアピールポイントだけを伝えるのはマスメディアの性ですが、周知が進んだ結果、どの媒体をみても同じ紹介の仕方、同じような観光スポットが並べば、その土地のさまざまな顔は均質化されてのっぺりしたものになっていく。飽きられやすくもなります。
観光地は観光地のイメージをキープし続けならなければいけない。
飽きられても、イメージを変えれないという負のループに陥ります。
このボランティア活動を通して、外のイメージを保つために空洞化してしまう故郷を取り戻すために、その地域の持つ、独特の味、雰囲気、そういったものが伝わるよう、人と人のつながりを大切に、思い入れのある観光地づくりに励んでいるそうです。
途中何度も石段の隙間に、トレッキングポールの先っちょのゴムを奪われ、紛失しながらやっと頂上に近づいてきました。
標高も高く、足がすくみます。
数人の子供がコワイ×2と泣いていましたが、大人でもコワイ。
羽黒山は出羽三山の1つ。
本来なら三山全てを回ってみたかったのですが、月山・湯殿山は、山頂や渓谷にあり、冬季の参拝や祭典を行うことが出来ないので、ここ羽黒山でまとめてお参りできるとされています。
出羽三山は羽黒山、月山、湯殿山の総称で、明治時代までは神仏習合の権現を祀る修験道の山でした。
明治以降は神山となり、羽黒山は稲倉魂命、月山は月読命、湯殿山は大山祇命、大国主命、少彦名命の三神を祀っていますが、修験道は継承され信仰は今も変わりません。
今宵の宿は、月山志津温泉にあり、月山登山口から車で10分。
五色沼と月山を眺める眺望の湖畔の宿五色亭。
まだ雪は降り出していないものの、月山への参拝は9月初旬まで。
登山は叶わないとしても、散策はできるであろうと願って近くの宿にした。
羽黒山の山頂で参拝を済ませ、散策し、冷えた身体をしみしみの玉こんにゃくで温めてバスで駐車場へ戻るころにはすっかり夜になってしまい、美しい月と闇夜のコントラストがドラマチックだった。
他に車は1台も残っておらず、無人。
少し不安になりましたが、昼間に買っておいたあんこ餅を車中でほおばる。
固い!固いけど、噛めば噛むほど餅米の旨味が感じられてウマイ!
それからというもの、あの味が忘れられず、旅行の度に、冷えてちょっと固くなってしまったお餅を2人で探すようになってしまいました。
変なものにハマってしまった。
宿に着いたのは、8時前だったでしょうか、予定より大幅に遅れてしまった為、さっさと夕食を済ませます。
楽しみにしていたきのこや山菜も多く出て、美味しかった!
家族経営の小さな宿のため、10時(11時だったかな)以降は消灯になるので、それまでにお風呂は済ませること。
食後しばらく部屋で寛いでいると、事件が起こりました。
カメムシです。
部屋にカメムシが出る旨注意書きとガムテープが置いてあり、その夜も注意はしていましたが。
談笑していると、あいつの独特な匂いが近くに感じられました。
スンスンスンッ。全集中で匂いの元を辿る。
「ひろみさん、肩!!」というSaoriの声と指差された方を見ると、いた。
「ぎゃぁ〜!とって×5」今にも顔の方に上がってきそうな気配にパニクる私。
どうしようと、パニクるSaori。
無事ガムテで取ってもらいましたが、しっかりちゃっかり、置き土産として香りを残していかれたので、そこから洗面所で服を洗う私。
なかなか匂いは取れない。
そうこうしているうちに、気づくと消灯時間を過ぎていました。
ですが一日羽黒山を歩き、カメムシの洗礼を受け、このままお風呂に入らずには眠れません。
怒られるかもしれないとドキドキしながら、暗く静まりかえった廊下を、抜き足差し足忍び足で1階へと下り、そぉ〜っつと最小限の電気をつけてお風呂に入らせていただきました。
このトシになって、ルールを破ってこっそり風呂に入ることになるとは思いもしなかった。
修学旅行を思い出す、そんな夜となりました。
明日は最終回。
参拝できなかった月山・湯殿山からの贈り物とは!
お楽しみに☆
愛をこめて
たまひろ
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