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旅に出られないとき

 とかくこの世は住みにくい。ロンドンで鬱になって引きこもったある文豪がそう書いた。同感!なぜ、人は旅したい時に旅ができないのか(コロナなど現状での健康被害が起こりえる状況ではない時の話です。筆者は、海外旅行封印しております)。

・有給は権利のはずなのに、なぜ許可がいるのか?
・無給で良いから休みが欲しいのに、もらえない件・・・
・軍資金が足りない!

などなど。

うんうん、筆者は心を鬼にできるので、許可制有給について以外は同意いたしますよー。仕事に、自己実現なんていうふわふわしたよく分からない、かつ実在しないものを求めてませんのでね。そんな時、ここ素敵♥となったり、ブハッと笑えたり、こんなの無理だしとなったり旅の楽しさをお家で味わえちゃう作家さんをご紹介してみたいと思います。


妹尾河童さん(故人) 覗いてみたシリーズ

 旅本は、ヨーロッパとインドがあります。この二冊は素晴らしいです。この方との出会いは、小学校の国語の教科書でした。興味深いのを覚えていて、後年購入しました。

舞台芸術家である河童さんの、スケッチと几帳面な文字で構成される絵日記を個人的に見せていただいているように読めます。実際、元々出版用に書かれたものではないとのことです。

電車に乗車中に何度かそば通り過ぎる各国の乗務員のスケッチなど、それぞれのお国柄も垣間見ることができて楽しめます。

気合の入ってないスマホカメラ

インドシリーズは、最初から出版ありきで作成されたスケッチやエッセイなので、より細かくなっています。新品としては文庫本しか入手できない今となっては、細かい字が苦手な方にはお勧めできませんが、美しさはアップしています。

青丸をつけたページ表示が実測1.5mmあるかないかでした。

ゆるゆる旅の名人 宮田珠己さん

 この方の文章は、内容を覚えていても、また読みたくなる魔力を持っています。仕事が嫌いな方は、誰しもが共感できるエッセイもあります。旅に関しては、今頃流行りだしたB級スポット(世間が宮田さんに追いついてきた!?)や、石、ベトナムの盆栽など独特のテーマを持った旅のエッセイをお書きです。そして、味のあるイラスの挿絵もあります。

単行本は、廣済堂出版さんから上梓されました。宮田さんにテレメンティコ女史という謎な名前を付けられてしまったクールな編集者の川崎優子さんとのやり取りが面白いです。

どの本も面白いのは共通していますが、ジャンルが限定されていないので、お気に入りの一冊を見つけてください。筆者は、宮田さんのお遍路の本を読んで、歩きお遍路の旅にでました(現在、途中です)。

こちらの本は、仲良しである杉江由次さんが営業?を務める本の雑誌社さんからの上梓になります。杉江さんは、ご自身も数冊の著作を持たれており、宮田さんと一緒に水族館に行ったり、石拾いyoutubeに出演されたりしています。

登録者数が増加しないと、石拾いの旅の経費が出ないので、皆さんで応援しましょう!


真似できない旅スタイル 高野秀行さん

 高野さんはグレートジャーニーで知名度が上がり、本年度は「イラク水滸伝」で第28回植村直己冒険賞を受賞されました。この方は、時々、宮田さんの本に登場することで出会いましたが、面白くタメになります。

 ミャンマーのゲリラと共に、ジャングルの中を何日も旅したり、そんじょそこらの気合いの入れ方では真似できない旅のスタイルです。ニュースには出てこない、本物の各国情報も分かるノンフィクションエンタメです。
特徴としては、悪いことを裁かず、ありのままを記載するところにあるかと思います。

過酷な旅で芽生えてくる友情にも憧れます。でも、この本で出会った人たちが、実は裏で他人の国を動かす恐ろしい中国人の敵対ゲリラ(他人の国の中でゲリラ、この時点でヤバいでしょ)に数年後殺されてしまったりもします。幸せの国ブータンが、国内での暴動を懸念して、ネパール人(日本でいうとこの在日のような存在)を追い出したこととか、最近は情報操作感を感じてしまう日本のマスコミでは大きく報道されない本当のことを知ることができます。

相棒的な存在であるカメラマンの森清さん、宮田さんと共に内澤旬子さんの「着せる女」でスーツを着ての変身モデルとしても登場されています。他には、アジアで見かける納豆と日本の納豆のどちらが元祖なのかを探ったりが面白い納豆三部作なども面白かったです。


釣り人じゃなくても楽しめる opa! 開高健(故人)

 エピソードを書き出せば、数多く出て来る故人。トリスウィスキーのキャッチコピーの産みの親だったり、特派員として生のベトナム戦争を経験したりされています。

 旅の本として、オススメしたいのがこちら、オーパ!の世界釣りシリーズ。

人食い魚がウヨウヨするアマゾンの上に張り出した枝の上に座って、お尻が食いつかれないか心配しながら釣り竿を垂れるなど高野さんと共通項はありますが、こちらの方が、自然的な意味でワイルドな旅を味わえます。
個人的感想ですが、行間から蒸せる汗の臭いようなものがする気がします。


ほのぼのイラストが魅力 オオカワヨウコさん

 同じ名前の女優さんがいらっしゃるからか、筆者の持っている著作ではカタカナのオオカワヨウコ名義になっていますが、現在「旅の手帖」で連載中のゆるりと歩く街の旅では大川陽子さんとなっています。

本業は作家さんではなく、イラストレーターです。私もこんな絵が描けたらなーと思います。筆者は一度、旅を絵日記にしましたが、思い出が半減したような気がして、それが写真に重きを置くようになったきっかけかもしれません。

まだ書籍化はされていないのですが、数溜まればしてくださると期待して待っています。

イラストだけでなく、ご本人の名前で上梓されている本は、現在、中古でしか入手できません。

お祭りを歩いている気分になれます

浅草生まれのお母さまに連れて行ってもらっていたお祭りの手書き図鑑です。日本人なら行きたくなるような、懐かしさがあって、なくなってほしくない日本の風景だと思います。中古でしか手に入らないなんて!筆者も中古で入手いたしました。

なんと、宮田さんの項目で述べた廣済堂さんの出版でした。


日本資本で買いましょう!

 気付いてくださった方、いらっしゃいますでしょうか?本日の記事内でリンクを貼ったのは、すべて丸善ジュンク堂さんのhontoです。他の本屋さんでも良かったのですが、どこか選ばなければということで選びました。

本当は、最寄の書店に買いに行ってくださるのが一番です。店頭で入手しにくいものであれば、出版社のサイトから直接購入するのもありです。とりあえず、外資であり、日本の配達事情を無視した即日配達、無料などを謳い混乱を巻き起こしているamazonにピンハネ料を払うのを止めませんかと常々思っております!

本好きで、今こそ、町の本屋さんを支えましょう!
町の本屋さんについては、地域が限られるので、全国チェーンである本屋さんのオンラインストアのリンクを貼っておきます。


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