フォローしませんか?
シェア
玉・流・成
2020年11月12日 20:45
これを書いている今は丁度、10月の4週目が始まったところ。先週から風が寒気を帯び始め、秋の訪れを半ば強引に知らされたところである。とはいえ、僕は生まれつき寒さに多少強いみたいで。このくらいから、下ろしたばかりのコートを羽織ったり、身に纏った思い思いの衣装で秋を楽しむ人々で街は賑わう。一方で僕は、身体がまだ夏を忘れておらず、少し厚着をすると途轍もない発汗に苦しむから、Tシャツに古着のドリズ
故郷の家には空調もないが、海から吹き抜ける風が天然の空調となる。夏は窓を開け放し、冬は石油ストーブと炬燵で過ごす。だから、朝方に網戸の向こうからやってきた冷気が鼻の奥にぶつかって、それが秋の訪れであった。観光地として賑わう地元も、シーズンが終われば肌寒い風が木々を揺らし、過剰なまでに鮮やかに見えた町の色彩も夢から覚めたように落ち着いていく。僕は、秋の思い出がほとんどない。故郷の島は、夏野菜
あの日からこれに火を近づけたあの午後からどれくらい秋が深まったのだろうか水面に映るのは二重で赤目まなこな何も手に入れてない俺達の顔だ秋について書くと決まったとき、真っ先にこの詞が浮かんだ。北海道のアンダーグラウンド出身のアーティストで、2000年初頭の荒削りだった頃の彼の言葉は今でもその熱を保っている。ほかの季節と比べて、秋だけが「深まる」という表現をするのはなぜだろうか。スマホ