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いちじくのフルーツサンド
きょうは朝から頭痛で、ずっといらいらしていた。原因はわかっていて、きのうの夜、おいしいおやつを食べるためにコーヒーを入れてごきげんで食べたまではいいものの、そのカフェインによってぴー太もわたしもぜんぜん眠ることができず、朝を迎えたのだ。
わたしがやっとの思いで寝たら、そのいびきによりさらに眠れなくなり、くるしんだぴー太がわたしを起こし、目覚めてこちらもくるしむというループ。ふたりとも睡眠不足のまま仕事へむかった。
しかも、朝から電車は遅延。遠回りをして会社についたのは昼過ぎで、まったくやる気がでない。それでもまあ仕事はこなして、帰り道。おさまらない頭痛は空腹まで連れてわたしをさらにいらだたせるので、本当は帰ってゆっくり本を読みながら食べようと思って買っていたいちじくのフルーツサンドを、ひとり真っ暗なバス停であけて、むしゃむしゃ食べてやった。
こんなおしゃれなものをこんな場所で雑に食べてやったぜという背徳感。ころんとかわいいキューブ型の小さなサンドイッチ。口の中で溶けるいちじくと生クリームの甘みが染みわたり、気分は一気に晴れたのだった。単純きわまりない性格でよかった。
そう、きのう死の家の記録を読み終えた。おもしろかった……ノンフィクションとは思えないどたばた喜劇。ドストの書く人物のおもしろさ、滑稽さ、愛らしさはこの極中での体験がもろに影響していると思えてならない。
わたしの勘違いかもしれないけれど、『カラマーゾフの兄弟』のアレクセイとドミートリイのモデルではないのか?!というような人たちも出てきて、ほこほこしてしまった。
ちょうど、午前10時の映画祭シリーズで、3大マフィア映画といわれている『GoodFellas』を先週観たところだったので、なおさらにたのしい……これもノンフィクションなんだよな。すごい。犯罪を擁護するつもりは一切ないけど、犯していないときの本人たちの暮らしぶりはわりと滑稽で愛らしいし、極中でもすき放題やっている……
そして、次にどれを読もうと悩んで手にとられたのは『灯台守の話』だった。
待ちに待っていたモームの新訳シリーズ『人間の絆』を買ったので、こちらにも行きたすぎて行きたすぎるけれど、長め重めの物語から離れたい気持ちもすこしあるし、読みたい本はほかにも無限にある。
と、書いたあたりでまた降りるところをまちがえたことに気づく。やりました。
まあ金曜日だしね。あせることなくぼちぼち帰りましょう。
そういや、夕方に同僚たちと月蝕を見にきゃっきゃと外へでたりもした日だったな。
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