#バンド
【長編小説】カットバンド #4 「Dirty deeds don't dirt cheap...」
くそっ。どこかへ走っていってしまった。
どうするべきか。後田つくし、中々に面倒臭そうだ。追いかけるにも、もう部活も終わる時間のようだ。
他の生徒に紛れ混まれては追いかけようがないな…。ここは一旦、戻って報告しに行こう。そう思って、ドントリーの地下に向かった。
「そうか…やっぱりか。」
「はい、もう一目散に逃げちゃって…」
「…やっぱ、単純じゃダメだな。もっと作戦を、練ってからじゃないとなあ。」
【長編小説】カットバンド #1 「Lock with you...」
バンドマン。
それは大多数の憧れである。
音に肢体を使い、音を奏でる、
音に身を任せ、音で飯を食う。
誰もが憧れる生活である。
俺もその1人である。
俺は今、めちゃくちゃに走っている。
いや、フォームがめちゃくちゃという訳では
なくて、沢山走っている、という事だ。
俺の名は日野あつし。歳は16で高校1年生になりたて。
何故、老後に大事な軟骨すり減らしてまで、
走っているのか。俺はその意味さえ知