【長編小説】カットバンド #1 「Lock with you...」
バンドマン。
それは大多数の憧れである。
音に肢体を使い、音を奏でる、
音に身を任せ、音で飯を食う。
誰もが憧れる生活である。
俺もその1人である。
俺は今、めちゃくちゃに走っている。
いや、フォームがめちゃくちゃという訳では
なくて、沢山走っている、という事だ。
俺の名は日野あつし。歳は16で高校1年生になりたて。
何故、老後に大事な軟骨すり減らしてまで、
走っているのか。俺はその意味さえ知らない。
強いて言うなら、授業だし、陸上部だからだ。
入学してすぐの事、入部希望