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1‐4 意図的な運動をやってみる

 では、意図的な運動は、どのように生じるのでしょうか? その手がかりとして、ちょっとした実験をやってみましょう。ちなみに、本書では何度も「実験」が出てきますが、あくまでも違いを体感するレベルの簡易的なもの、としてご認識いただければ幸いです。

実験1 ~5本の指を大きく開いてみる~


 片手(右でも左でもOK)をパーの形に開き、5本の指が扇形になるべく大きく開くように(指と指の間隔が大きく拡大するように、指と指のなす角が大きくなるように)動かしてみましょう。

 A:5本の指が最大に開くように開いてみてください。
 B:5本の指がそれぞれ2倍ほど長くなったとイメージし、2倍先にある仮想の指先が最大に開くようにやってみましょう。


 いかがだったでしょう? AとBでは、Bの方がより大きく開いたのではないでしょうか? AとB、どちらも外からみた限りでは(ヴィジュアル的には)、「5本の指を思いっきり開く」運動にしか見えません。しかしAとBでは出力される運動は違ってきます。

実験2 ~手のひらに何かを載せてみる~


 右でも左でも構いません。片腕だけを「小さく前にならえ」して、手のひらを天井側に、手の甲を床側に向けてみてください。(肘関節90度屈曲位、回外位)そして、この肘の角度をしっかりキープするようにします。

 まだ手の上には何も載っていません。
最初に手のひらの上にミカンが載った、と想像し、ミカンを手で支えてみましょう。

次にミカンがリンゴに変わりました。


その次にリンゴがメロンに変わりました。



次にメロンがスイカに変わりました。

スイカくらいになると、ちょっと片手でもつのは簡単ではないですが、なんとか肘の角度を保ってみてください。(ファイトぉ!)

そしてさらに、スイカが10キロのお米の袋になりました。さらに20キロのダンベルに変わりました。

 さて、これらの過程で腕の筋肉はどのようになったでしょうか?

 おそらく腕の力こぶにあたる筋肉、上腕二頭筋はじめ、前腕や肩の筋群の収縮を感じたかと思います。

 想像上の対象が大きく、重くなればなるほど、筋の収縮は強くなったはずです。この運動の変化はどこで起きたのでしょうか?

そう、もちろん「脳」ですよね。

PS.読んでくださる皆さんのパフォーマンス向上に寄与したい!

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