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レディバード 2018年 アメリカ

★1471文字・※ネタバレ含みます。

久しぶりに良い映画を見たなーという感想。

ストーリー

 内容は17才18才19才へと人が一番多感な時期に主人公の成長と親への反感、親からの愛情。親からもらった名前に誇りを持てるようになるまでの流れを綺麗な形で映画化している印象を受けた。

 え?!と思ったシーンは付き合っている彼氏が実はゲイでトイレで男とキスをしているシーン。は?!と声が出てしまった。

やはりこの監督は見せる形がうまく、同じ監督の作品は2本目で一本目の「若草物語り」もすごくおススメである。

 映画に関しては辛口評論家になったつもりで、いつも感想を打ち込んでいるのだが、この映画に関しては大当たりである。構成、演技、内容、伝えたいこと。全てがシンプルだが、何が人生で一番大切なのかを感じやすい内容になっている。

鑑賞後何を思うか

 この映画を見て感じたこと。見ている内に自分の18才19才はどんな感じだったかなーと思い出す。不安定な感情、毎日変わる思考。溢れるアイディア、しかし実現できない能力資金。

 この映画を18才の時に鑑賞していたら、何も感じなかったかもしれない。30才になった今18才の自分を見ているみたいで、懐かしい気分になると同時に10代が羨ましい感情に浸る。

 不安定で、感情が爆発していて、無理やりに行動している。最高だ。

それでも人の人生はうまくいくのに、今の自分は行動する前に考え、作戦を練り、安全な方向へしかいかない。ギリギリのラインを攻めれなくなるのだ。今は収入、感情、情緒がとても安定している。いい状態なのだが、、、

それをしたら不安定になるわ。ということをしていない。ずっと自分が得意なジャンルで、戦っていて、苦手な部分では戦わないようにしている。汚い大人が良くやる戦法を自然と身に着けてしまっているんだろうね。

レディ・バードを見ていると、全力を出してぶつかり、可能性が低い場所にも挑戦していて、親の反対までも押しのけるエネルギー。自分にはないだろうなーという凄いエネルギーを感じた。

18才の高校卒業をした自分がやった行動は、友達も彼女もいる地元に残り、正社員として会社で働くことを選択した。しかし今考えてもあの選択がベストだったと思うし、よくやった自分と声をかけたい。

あそこで、無理やりに行きたくない大学に行き勉強をして、周りに合わせていたら今の自分はいないだろうな。

18才の人が考えて思いっきりやる行動に間違いはないのかもしれない。あそこでレディバードが親への言いなりになり、そうだね、行きたくない地元の大学に残るわ。という選択が一番最悪なのである。

 そこで一番大切な時期の自分を裏切り、嘘をつき、自分の思考と反対の行動を取る癖がついてしまう。これが一番悪い。

離れてから気付く親からの愛情

 ここも面白かったな。うまく表現されていた。父親の二人ともとても強い個性だからぶつかって仕方ないよ。という言葉にも父親からの愛情を感じたし、アメリカ特有の母親を1人の人間としてすごく尊重されている感じを受けた。日本では父親が母親を1人の女性として見ることを忘れてしまう人が多い気がする。ただの先入観かな? 

 洗濯をして、料理をして、皿を洗って、子育てをして、パートタイムで働く。俺は絶対にしたくないし、年収500万の人より実働時間が長い。リスペクトを忘れないようにして、分担をしたほうが良いよね。

 ネタバレになってしまうが、最後は自己紹介の時に私はクリスティン。と言えるまでに成長していく主人公の姿。親からもらった名前に誇りを持ち、自分の中で大切にしていく。

面白い映画だった。


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