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踊り続けて広がるコミュニティの輪

挑戦を支える全国各地の皆様に光を当てるSupporter Interview。今回のインタビュー対象は熊本県熊本市にてスタートアップ支援施設にてイベント運営を行う皆芳 宅雅さん。起業家を育てるコミュニティを手掛ける想いや心掛けについて伺いました。

── 皆芳さんの現在の取り組みについてお聞かせください。

熊本市のスタートアップ支援施設「XOSS POINT.」で働いています。起業家を目指す人から、応援したい方まで様々な立場の方々が交流することを目指してイベントの企画運営などを担当しています。


── 具体的にはどのようなものでしょうか?

例えば起業家の皆様を支援するアクセラレーションプログラムの準備から、そこに講師としてお越しいただく講演者の皆様の調整、またアイデアをカタチにする伴走支援などにも関わっています。


── 支援側のお仕事はどのようなきっかけで始まりましたか?

実は2019年に熊本のStartupWeekend(以下SW)で出会った方からのお声掛けなんです。第九回だったかな?当時、自分はオーガナイザーで、その方は参加者だったんです。

2019年に合志市で開催された第九回目のSW熊本


── 数年の時を経てご縁がお仕事に。

そうなんです。その方が「熊本でこれからスタートアップ支援施設を始めるんだけれども、仲間が欲しい。一緒にやっていこう!機運を盛り上げていこう!」というお誘いをいただいて、ジョインすることに決めました。


── 実際に働かれてみて、如何でしょうか?

起業家が社会に対して変化を届ける瞬間を目の当たりに出来るところも魅力的ですし、またそんなインパクトを世の中に届けようとされる皆様を僅かながらでもサポートできるやりがいもあります。エコシステムの一翼を担っているんだと感じられるところも嬉しいですね。


── そんな素敵なお仕事をを運んできてくれたSWにはそもそもどうして興味関心を持たれましたか?

実は五年前、東京から熊本に戻ってきたんですね。新卒で入った会社を辞めて。そして未来会議室というコワーキングスペースで働き始めたんです。そしてまさかの勤務初日に「スタートアップ体験できるイベントがあるよ!参加しない!?」と当時の運営メンバーにお声掛けいただいて、そのまま参加を決めたんです。参加費もチェックせず、何をするのかも詳しく見ずに(笑)


── 皆芳さんはビジネスを自らの手で手掛けようとする情熱をお持ちだったんですね。実際に参加してみた如何でしたか?

考え方が180度変わりました(笑)


── まさか天地がひっくり返るとは!(笑)具体的には何が変わったんでしょうか?

実はSWに出会う前までは、自分でビジネスを始めたいと考えながらも、何に対しても消極的だったんです。けれども場に飛び込んでみると、そんな自分と正反対の空気が満ち溢れていました。「失敗は大前提」「取り敢えずやろうよ」「動くと変わる」そんな前向きな言葉のシャワーを浴びて、自然と積極的になっちゃいました(笑)


── ネガティブがポジティブに。正に180度ですね(笑)

何事に対しても、自分から前のめりに向かっていった方が人生って楽しいんだなと心の底から感じた瞬間でした。熊本に戻ったタイミングでSWに出会えて本当に良かったです。


── そんな皆芳さんが参加者側で終わらず、アイデアをカタチにしたいと願う仲間を支える側に回られたのはどんな背景があったのでしょうか?

これもまた、誘われたからですね(笑)こんなにも面白い経験が参加者側で出来るなら、運営側もきっと面白いことがあるに違いないと勝手に期待したからです(笑)


── 期待通りでしたか?(笑)

場を作るってこんなにも難しいんだと打ちのめされました(笑)例えば人を集める集客にしても、ただ企画を作って世にリリースしても誰も反応してくれなくて心が折れそうでした。できることを全部やって、やっと僅かばかりの結果が出る。参加者側も運営側も物事を成す姿勢は同じなんだと気付くことができました。


── 新しい気付き学びを得られたんですね。他にも何か良いことはありましたか?

シンプルに人脈が広がったことが大きいです。今の僕のXOSS POINT.でのお仕事がSWを通じて得られたものの一つであるように、運営側に回ることでネットワークが熊本で広がっていったんです。起業したい人だけでなく、事業を既に立ち上げられていらっしゃる方、行政で支えられている方、学業で研究されている方と幅広く繋がることができました。

XOSS POINT.を通じて数多の繋がりを得られていらっしゃる皆芳さん


── そんな風にして数多の皆様と繋がっていくと、コミュニティが育ち始めていったことかと思います。そのコミュニティの輪を広げるためにはどんな工夫が必要だったでしょうか?

踊り続けるしかないと思います(笑)


── 踊り続ける(笑)デレク・シヴァーズの「社会運動の起こし方」を彷彿とさせますね(笑)

人が周りを巻き込んでいく瞬間は楽しさにあると思うんです。コミットしてください!と頭を下げたってご一緒してくれるわけじゃない。実際、僕が楽しんでやってることで、みんなが面白そうって思って声を掛けてくれたり、一緒に盛り上がってくれたんです。なので、まず自分が踊り続けて、後に続いて一緒に踊ってくれる人を見つけるしかないと思うんです。


── 自分自身が心の底から楽しむ姿を見せることで、輪が広がっていく、とてもとても素敵です。そんな風にして育つコミュニティには、どんな価値があると考えていらっしゃいますか?

大袈裟かもしれませんが、かつての自分がそうであったように人生の方向転換が起こってしまうことが価値だと思っています。その場の空気に触れることで、その後の歩みが変わる人を何人も見てきました。


── その「空気」の正体はなんでしょうか?

難しい質問ですね(笑)言語化するのが難しいですが、「なんか面白そう!」「なんか起こりそう!」「楽しいことが待ってる!」「なんか盛り上がってる!」「あったかくて居心地いいなー!」といったイメージですね。足を引っ張るネガティブな言葉はなく、心踊る未来が目の前にやってきているような、コミュニティメンバーが醸し出すポジティブな場です。


── そんな素敵な空気に満ちたコミュニティを支える役割を担う人は、どのような力を持つべきだと考えますか?

繰り返しになっちゃうかもしれませんが、僕は「楽しむスキル」こそ大事だと思うんです。


── 楽しむスキル。

例えばコミュニティを運営していると、いろんな人と半強制的に繋がっちゃうんです。どんな人がやってきても、この人は○○が面白い!あの人は××が面白い!といった具合に何もかもを楽しめるとか。そしてコミュニティの中でご一緒する皆様の事業や姿勢もどんどん変化していくんですね。それも全部面白がることで、コミュニティの繋がりがもっともっと生まれていくと思うんです。


── 人の変化を楽しみ、人が作る事業を楽しむ。これはもう人が大好きじゃないとコミュニティは支えられないですね(笑)

僕はずっと人を見ていられるというか、そもそも人間に興味があるタイプの人なんです。「計画的偶発性理論」っていう考え方が好きで、人との出会いで面白いキャリアが築けると思ってるので楽しめるのかもしれないです。


── では逆に、コミュニティの中でプレイヤーとして活躍するメンバーは何を持つことが必要と考えられますか?

全てに対して好奇心を持って飛び込む姿勢、と僕は思うんです。

撮影機材のセッティングにも好奇心を持って挑んでいる皆芳さん


── 飛び込む姿勢。

例えば学生さんの中に「やりたいことが見つからない」と口にされる方が時々いらっしゃるかと思うんですが、目の前にあるもの全てに興味関心を持って、好き嫌いをせずに取り敢えずやってみることで、新しい発見があると思うんです。もしくは目の前に何かに取り組んでいるチームがあったなら取り敢えずジョインしてみるとか。


── 自分に合うか合わないか。やりたいことかやりたくないことか。出来るか出来ないか。といった事前の取捨選択はせずに、といったニュアンスでしょうか?

無心になって飛び込むことが大事だと思います。実際に熊本でアイデアをカタチにする場に飛び込んだ高校生が「スタートアップって面白い!」と感じて起業家の世界に飛び込んでいって今は大活躍されているお話があるんですが、正にそんなイメージです。


── ちなみに皆芳さんが支援を手掛けられる中で、大事にしていらっしゃることをお伝えいただけますか?

続きは下記よりお読みください。


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