相手に届け心を動かす情動を乗せた言霊
挑戦を支える全国各地の皆様に光を当てるSupporter Interview。今回のインタビュー対象は三重県伊勢市エリアにてアトツギとしてゑびやを経営されつつ新規事業を手掛けられている小田島 春樹さん。アイデアをカタチにする在り方とコミュニティ運営について伺いました。
── 小田島さんの現在の取り組みについてお聞かせください。
いやぁ、何をやっているんでしょうかね(笑)いろんなことをやり過ぎて一言では語れないですね(笑)
── それでは直近の取り組みをお伝えいただけますか?
それであれば不動産業ですね。コロナが流行ってから早三年。伊勢で店舗系飲食業を営んでいたので、それはもう本当に大変な思いをしたんです。その時に偶然にもちょこっと手掛けていた不動産業に救われたことがあって。
── その経験がきっかけだったんですね。
リスクヘッジを学びました。どれだけ優れた事業であったとしても、一つの領域だけに特化していては何かあった時に弱過ぎる。事業は多角的に展開しなくちゃいけないと。ゑびやという飲食業からEBILABというTech事業に発展したように、全く違うジャンルに常に飛び込み革新し続ける大切さを感じています。
── 多角化の文脈で他にも手掛けていらっしゃいますか?
それでいうと、米国債券の運用も始めたんです。事業を継続して営んである程度の資金の担保と信用を培うことができたので、それを元手にスタートさせました。やっぱり現金を貯め続けていても何の価値も生まないので。
── どうして米国債券という文脈に至ったのでしょうか?小田島さんはスタートアップにも明るいので、投資家としても活動できそうなイメージがあるのですが。
自分たち自身がTechの領域に足を踏み入れていることが大きいです。もちろん世の中に貢献できるようプロダクトを作り込んでいくものの、それが本当に咲くか咲かないかは分からない。いわば不確実性の高い場所に身を置いているからこそ、軸足を置くことも大事だと考えています。
── リスクヘッジとしての選択。
またテクノロジー関連の商品の仕入れや店舗運営の原価は、特に為替の影響、特に円安の影響を大きく受けます。そのリスクをヘッジするためには、ドル建ての資産を持つことが重要です。さらに、日本とアメリカの金利差を利用して、日本で稼いだり調達したりした資金をアメリカに投資することは、商売人としての視点から見ても自然な選択です。
── 解説ありがとうございます。そんな小田島さんがStartupWeekend(以下SW)伊勢を開催しようと志したのは、どういった背景があったのでしょうか?
全ての始まりは、それこそコロナが始まる直前に開催された2019年12月のSW東京Foodtech@サッポロビールで審査員として招かれたことです。元々活動そのものは知っていたんですが、そこで直に触れてからというもの開発拠点のある沖縄などでもスポンサーさせていただいているうちに、ゑびやの拠点である伊勢でも地方の起爆剤の一つとして開催できないかと思ったんです。
── 地方の起爆剤。
SWって新しい繋がりやきっかけをパワフルに与えてくれるじゃないですか。ゼロから考えて行動して仕組みを作り上げていく、そのメソッドを実体験で地方に届けてくれるのは本当に価値があるなと思ったんです。
── その小田島さんの想いや構想を伊勢の関係各位の方々にお伝えした際に、どんな反応がありましたか?
実はどう転ぶか全く分からなかったんです(笑)伊勢は老舗がとてもとても多いので、変化変革に賛同してくれるかどうか心配でした(笑)けれども蓋を開けてみると、赤福を筆頭にポジティブでした。
── 変化に寛容であったと。
他の老舗の方々も、思うところがあったみたいなんです。ゼロから新しいことを起こすような熱意ある人が本当に伊勢にいるのか確かめたい。願わくばいて欲しい。もし本当にいるなら応援したいと。二世三世が数多い場所だからこそ、事業を起こす姿勢には敬意を払いたい気持ちを皆さま持っていらっしゃるようでした。
── SW開催を成し遂げてみて、如何でしたか?
くすぶっていらっしゃる方々が伊勢にもいるんだと気付きましたね(笑)企業の中で新しい事業を立ち上げたい、そんなニーズがあることも分かりました。これまで伊勢にそういった機会やきっかけがなかっただけで、本当は非日常の変化を作り出すことは求められていたんだと。
── 地場の皆さまにとっても良き機会となったようで嬉しいですね。SWでもコーチやジャッジを務められ、また事業を実際に推進されている小田島さんに伺いたいのですが、アイデアをカタチにする際に大切なことはなんだと考えますか?
これは全てに通ずることかもしれませんが、「熱意」と「やり切る力」に尽きるのではないでしょうか。例えば「副業で起業します!」という宣言をされる方に時々出会うのですが、中途半端さは失敗の要因になりかねない。それこそ365日、その思い描いたアイデアを実現するためだけに寝ずにフルコミットできるかどうかによって未来は大きく変わってくるんです。
── その熱意はどこから生まれるのでしょうか?
エゴではないでしょうか。俺はこれをやりたいんだ。このアイデアは絶対に面白いから実現すべきなんだ。世の中に役に立つから作るべきだ。といった自分の強い強い思い込みです。
── 強い思い込み。
もちろん、エゴを丸出しにすると周りは引いてしまって誰も協力してくれない。だからこそ美しい言葉に変えて、誰もが共感できる美しい姿にして、人々を魅了し賛同者に変えて引っ張っていく。「そのアイデアにかけてみたい!」「その未来が実現した世界を見てみたい!」といった風に本質的に好奇心を刺激するような独創性とアーティスト性がそこには求められます。
── 人々を魅了するエゴ。
SWのピッチと同じですよ(笑)「自分はこんなことを解決したいんだ!」「自分はこんなプロダクトを作りたいんだ!」って伝えていくじゃないですか。如何に自分自身の考えを捻出し相手に届けられるかが勝負です。心の底にある情動・欲望・鼓動を言葉に乗せ言霊に昇華してこそ、人の心は動き始めるんです。
── 物事を成すために大切なことをお伝えくださりありがとうございます。そんな強い想いを思った人たちが集う場は、何を大切にして運用されるべきでしょうか?
続きは下記よりお読みください。
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