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結果を手放し整える自主自律を掲げたチーム

挑戦を支える全国各地の皆様に光を当てるSupporter Interview。今回のインタビュー対象は東京都多摩エリアにてスタートアップコミュニティを支援される黒沢 裕介さん。アイデアをカタチにする場に携わり続ける想いについて伺いました。


── 黒沢さんの現在の取り組みについてお聞かせください。

内視鏡メーカーに勤めつつ、StartupWeekend(以下SW)多摩のリードオーガナイザーを務めております。加えて三鷹市に2023年6月にオープンしたスタートアップスタジオ「Musashino Valley」のお手伝いもしています。


── 本業とプライベートの活動の乖離が激しいですね(笑)何がきっかけでこのような生き方にシフトされたのですか?

SWに参加したからこそ多彩になったんです(笑)思い返せば始まりはSW沼津の第二回、そして三島の初開催に参加し、その次からはオーガナイザーとして関わり始めて、そこからどんどん活動の幅が広がっていったんです。

参加から関わりの幅が広がり続けたSW(沼津 2017)


── そんなにも多大なインパクトを届けてくれたSWに参加しようと思ったきっかけは、どちらにありましたか?

当時は今とは異なる医療機器メーカーに勤めていて、過去の手当やルール厳守から解放された場に飢えていたのかもしれませんね。


── 過去の手当。

医療機器は命に関わることなので、厳しい法規制に合わせて常に更新をし続けなくちゃいけない。そうなると必然的に、過去に開発した製品も継続販売していれば今の法規制に合わせてメンテナンスしていかないといけないんですね。結果として、未来に向けて新しい何かを生み出すようなチャレンジをしてみたくなったかもしれません。


── そこでアイデアをカタチにするSWに飛び込まれたと(笑)

過去の反動で未来を求めちゃいましたね(笑)週末でスタートアップを!そんな掛け声に見事に惹かれたんです(笑)もちろんそれだけでなく、学生時代から漠然とですが「起業したいな」という想いもあったんですが。


── そんな想いを持ちつつも、運営側に回ろうと思った理由は何かありますか?

アイデアをカタチにする側は向いてないと思っちゃったんです。二度参加して、どちらも思うように活躍できなかった。それで思ったんです。自分は場を作る方が向いているのかもって。それで運営へのチャレンジを開始したんです。

場への参加から場の担い手へとフィールドを移した黒沢さん(三島 2020)


── 参加を重ねれば重ねるほどアントレプレナーとして熟達するので、二度での判断は早過ぎかと思います(笑)

そうでしたか(笑)それでは次回は場を作りつつ、参加者のところにもっと深く入っていって、アイデアをカタチにする研鑽を積もうかなと思います(笑)


── 多摩地区にアントレプレナーコミュニティを立ち上げ、次はどんなことにチャレンジしたいと考えていらっしゃいますか?

昨年の八王子市開催から順次広げて、いつかは多摩地区三十市区町村全てで開催したいですね(笑)もちろん、自分一人ではできないので、一緒に運営してくれる仲間を増やしていこうと思っています。もちろん、自分がこれまでお世話になった仲間たちのいるコミュニティを支えつつ、沼津や三島で体験させてもらったように、住まいと「スタートアップ体験」の場が近くにあるという環境を生み出したいです。


── そんな風にして場作りに対してモチベーションを燃やされているのはどういった背景があるのでしょうか?

やっぱり、住んでいるとこをもっと楽しい場所にしたいなって思っていて。「楽しい」が私の中ではコミュニティでした。自分がSW多摩の立ち上げたことを通じて、改めてコミュニティの価値を知ったことが大きいです。コミュニティがその地域であるとないとでは熱量が全く違う。いうなれば、どこにだって油はあるけれども、火がないような。コミュニティは火を届けるイメージなんです。


── 場作りをする人は、何に気を付けるべきでしょうか?

自分の常識を持ち込まないことが大切ではないでしょうか。固定観念を外すからこそ新しいものが生まれてくるので、ストッパーをかけないことが大事だと思っているんです。自分が持っていないものに触れることができる場所、それがコミュニティの面白さにつながると思っています。

自分が持っていないものに触れる面白さに満ちたコミュニティ


── ストッパーをかけない。

例えば「アンケート100人集めてきます!」と宣誓があったとして「いやいや街頭インタビューで100人は無理でしょ」と否定するんじゃなく、「いいね!1,000人の声を集められるように工夫していこう!」と返事をするような空気感ですね(笑)


── 否定をせず相手を焚き付け行動を促す、ということですね。逆に支援を受ける側、アイデアをカタチにすべく挑戦する人は何を心掛けるべきでしょうか?

それは僕が逆に聞きたいですね(笑)ありきたりかもしれませんが、アウトプットから始めよう、ですね。「アイデアを思い付いたけど試作設計ができない!」なんて声を時々耳にするのですが、絵を描くことなら誰だって出来るんです。それを人に届けてフィードバックを貰う、その行動が大事ではないでしょうか。


── MVPの出来栄えを落として即時に動き出そうというメッセージですね。

失敗する方には「まずやってみる」がないと感じています。それがないからこそ、何もせずに頭の中の妄想の世界で終わってしまう。僕は正にそういうタイプだったからこそ、まず文字を書き始めることをお伝えしたいです。加えて、書くと他にも良いことが起こるので。

「まずやってみる」を支援される黒沢さん(Musashino Valley)


── 良いこととは?

頭の中のモヤモヤが書き出されるので、あぁ自分ってこんな風に考えていたのか、って具体的になり始めるんですね。こんな人の、こんな課題を、こうやって解決したいんだって見えてくるんです。自分を理解するという点でもオススメです。


── そんな挑戦者と支援者が集うスタートアップのコミュニティを継続するには、何を心掛けるべきでしょうか?

今、正に悩んでいます(笑)当事者意識を持った人が自由に動ける環境を用意することが何よりも重要ではないでしょうか。というのも、会社チックにコミュニティを運営して痛い目にあった経験があるからなんです(笑)


── コミュニティを会社チックに運営。

「Aさん、あれやってください」「Bさん、こうやってください」といった風に、自分がリーダーとして細かに指示を切っていったんですね。そうなると、会社の中の上下関係みたいになってしまって、一緒にチームを組んでいるみんなが求めていた自由度を提供できなかったんです。


── 自由度の提供。

もちろん「会社じゃないから自由にやっていいよ」と完全放任主義を取ると結果が出なくなってしまうのである程度の縛りは残るものの、自主自律の人が心地良く行動できる環境を準備することが大事だと思うんです。ある程度の結果を手放す覚悟はいるので中々に難しいですが(笑)


── そんなコミュニティの中で、より結果を出すことの出来る人はどんな気質を持っていると考えていらっしゃいますか?

続きは下記よりお読みください。


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