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経営資源から始める新規事業への挑戦

挑戦を支える全国各地の皆様に光を当てるSupporter Interview。今回のインタビュー対象はアトツギとして経営資源を活かした新規事業に自ら挑戦中の吉本 龍太郎さん。支援家としても活躍しつつ、新規事業に挑み続ける想い、そして今後の展望について伺いました。


── 吉本さんの現在の取り組みについてお聞かせください。

本業としては家業が廃棄物リサイクルを手掛けており、その経営企画に携わっています。加え新規事業の立ち上げに挑戦中です。


まちと未来をキレイにする仕事に従事される吉本さん


──  具体的にどのような挑戦をされていますか?

一つ目は家業の廃棄物リサイクルの文脈で手掛け始めた遺品整理事業。二つ目は英語で教える子ども向けプログラミングスクール。三つ目は廃棄物からアート作品を生み出すコンテストです。三つ目はまだ収益は上がっていないですが、重ねて開催するうちにマネタイズの方法論が見えてきました。


──  廃棄物アートコンテストの事業化とは珍しい。具体的にどのような形でしょうか?

昨今、SDGsやESGの流れもあり、大手メーカーの皆様、特にリサイクル資源を取り扱っている皆様が「再利用」「廃棄物」といったキーワードを元にtoC向けに新しい取り組みを始めたいと考えていらっしゃるんです。既に弊社は廃棄物×アートのイベントの企画運営を手掛けているので、そのメーカー様の廃棄予定であった資源に沿って独自プログラムの支援なども出来るかもしれません。


──  アートコンテストも実績が出てきていらっしゃるのですね。

既に200以上のアーティストの皆様が応募してくださっていて、おかげ様でクリエイティブの領域でのネットワーク構築も出来ました。私の知人で廃棄物を用いて絵を描き、それをNFT化して世に届けるという構想を持っている方もいらっしゃるのですが、そういった方法論を応用してマネタイズも可能かもしれません。一番最初は社会貢献の一環として始めた廃棄物×アートの取り組みでしたが、事業化の兆しが出てきたことを嬉しく思います。


アーティストの皆様が手掛けられた廃棄物×アート作品(一部抜粋)


──  吉本さんは複数の新規事業を手掛けられていらっしゃいますが、そのやりがいや魅力はどちらにありますか?

「良くも悪くも自分のせい」というところに一番の魅力を感じています。自分自身の手で作り上げるからこそ、自分の行動が成果に直結します。逆に言えば、行動しなければ成果は出ない。つまり言い換えると「嘘を付けない」ところですね。もう既にどうすれば成功するか型が出来上がっているビジネスだと、仕組化されているので売上も立てやすい。けれども新規事業は違う。自分次第でどこまででも価値を生み出すことも出来る。正に自分=価値を体現できる機会なんです。


──  逆に新規事業を推し進める上での壁や困難はどこにあると感じていますか?

組織として取り組む際の熱量の維持ですね。自分は新規事業立ち上げを推し進めたい立場ではあるものの、それを本気で自分と同じ温度感で取り組んでくださる方は稀なんです。例えば社内のメンバーに「〇〇までに△△の成果を上げたいので一緒にやろう!」と呼び掛けると、確実に時間外に死ぬ気で働くような状況になってしまう。それこそ労働基準法や36協定を完全に無視せざるを得ないような。


──  結果を出すことが君のミッションだ。時間は度外視で。なんて言えないですよね。

そうなんです。中小企業では許されないですね(笑)もうひたすらにその新規事業をやりたい人間を見つけてくるとか、もしくは自分以外に任せることは出来ないんじゃないかと思うこともあります。念のために、文面からブラック企業臭がしたので一応自社のことをフォローすると、うちの会社はめちゃめちゃホワイトです(笑)昨年には働き方改革を推進している企業ということで山口県知事から優秀賞をいただきました。誤解なきように・・・(笑)


──  そんな風にして新規事業に数多挑戦中の吉本さんが、支援側としてStartupWeekend(以下SW)やアトツギWeekend(家業後継者の皆様限定の経営資源活用必須の新規事業開発プログラム)を手掛けていらっしゃる背景はどのようなものでしょうか?

実は自分は家業に戻る前は営業畑だったんです。それもあってか1を10にするような営業活動が得意だったんですね。結果として0を1にする取り組みを一度も経験したことがなくて。家業に戻って新しいことを出来るスキルセットがない、というのは流石にマズイと思って、その時に偶然にも出会ったのが事業構想大学院大学だったんです。


──  大学院を通じてマインドセットが切り替わっていったのでしょうか?

そうですね。ずっと新規事業ばかりを考えるようになったので、気付けば一年ぐらい経ってみると、地方にこそ新しい価値を生み出す必要があると考えるようになったんです。私の家業がある山口県周南市は工業の町。基本となる工業に加えて、新しい産業を生み出すことができればもっと強い町になると思っています。


──  それでスタートアップというキーワードを手繰り寄せたと。

ちょうど同じ中国地方の岡山県でスタートアップのイベントが開催されていると聞いて、問い合わせたんですね。その時にSWを紹介され、これは自分たちの町で開催しないと!と思ったわけです。そこからは中本さんを繋いでもらって、初対面では名刺交換をしようとしたら「名刺交換なんていらないでしょ(笑)」と度肝を抜く台詞を貰って、そこからキックオフして気付けばもう三回も開催を終えました。


主催者を務めるだけでなく参加者側にも回られる吉本さん(※松下村塾開催時の様子)


──  開催してみて、実際にどうでしたか?

続きは下記よりご覧ください。


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