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前職の新規事業への活かし方

 とある新規事業の準備を進めている方から「前職の経験を事業開発に生かすにはどうすればいいでしょうか?」という相談を受けた。というわけで今回は前職の有効活用のパターンを複数共有してみたい。

 一つ目のパターンは、前職の経験を活かした顧客理解。アイデアをカタチにしたいと思った時に必ず登場するものは顧客。お金を払ってくださる方々について、深く理解していないことには課題を解決する製品やサービスの設計はままならない。

 例えばウィスキーメーカーで働いた経験を持っていると、ウィスキーを製造する方々が何に切実に困っているのかも理解しているし、また逆の立場でウィスキーを購入している方々のニーズも如実に把握している。結果として、どんなアイデアで勝負すべきかの明確な方向性を見出し易い。

 二つ目のパターンは、前職の経験を活かした試作設計。顧客の課題を特定することができたなら、それに対応する製品やサービスの試作設計。その際に、前職の専門知識を活かしてより良いものを生み出すことができる。

 例えばウィスキーメーカーで働いた経験を持つアトツギが、故郷の家業で日本酒造りに挑戦しようと思ったとする。もちろんウィスキー作りの技術は簡単に日本酒には応用できず、また特許で守れていたり社外秘のものは活用できないけれども、もっと良い日本酒を作ろうと考えた時にヒントを得る可能性は高い。

 三つ目のパターンは、前職の経験を活かした販路開拓。顧客の課題に対し、製品やサービスを生み出し、それを実際に世の中に広めるには販路が欠かせない。その際に、前職での付き合いや業界理解を活かして販路を広げられる可能性がある。

 例えばウィスキーメーカーで働いた経験を持っていると、どのような販路でお酒を流すのが良いのかも理解できるし、また販路に関わる重要な企業や人物と関係性を築けている場合がある。もちろん、前職の付き合いがあるからといって販路を簡単に築けることはないけれども、そのヒントを最初から持っているところからスタートできる。

 前職は三つの観点で活かすことができる。一つ目は顧客理解、二つ目は試作設計、三つ目は販路開拓。これまで自分が培ったものを活かし、新天地でアイデアをカタチにする助けとしていこう。


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