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奈良への道を切り開く勇気を持ったドアノック

挑戦を支える全国各地の皆様に光を当てるSupporter Interview。今回のインタビュー対象は神奈川に住まいつつ、遠隔で奈良のアントレプレナーコミュニティを盛り立てる福井 健司さん。全く何もアテがない状況から故郷の場作りを進められたエピソードを伺いました。


── 福井さんの現在の取り組みについてお聞かせください。

今は、フィンテック領域でキャッシュレス決済のアプリの企画を担当しています。要件を決めて、開発者とコミュニケーションをしてプロジェクトを進めるリーダーの立ち位置です。


── そのお仕事に就かれた背景をお聞かせいただけますか?

世の中の流れの変化を感じ取ったことがありました。コロナをきっかけにして現金からキャッシュレス決済に流れが変わり始めたので、今後伸びる業界で働きたいなと思っていたんです。そんな時、偶然にも転職エージェントからお声掛けいただき、実力試しで転職したんです(笑)


── 時流に沿ってお仕事を進めていらっしゃるんですね。時流と言えば、世の中ではスタートアップ育成が叫ばれていますよね。福井さんがStartupWeekend(以下SW)のファシリテーターを担っていらっしゃるのもそういった背景あってこそでしょうか?

熱量に当てられたというのが大きいです(笑)SWへの初参加は2016年のことでした。当時は大企業で企画のお仕事を手掛けていたんですが、やっぱり会社の中だけで企画しても、自分たちだけで考えたものを世の中に出しても、良い結果を生み出せないと感じていたんです。

SWにてファシリテーターを担われる福井さん


── 新しい学びを得るために飛び込まれたわけですね。

見知らぬ人とチームを組んでサービスを週末だけで作り上げる、一番最初は実力試しというところもあったんですが、その魅力に惹かれちゃったんです。そして故郷の奈良でも出来たらいいな、と思ったんです。


── 分かります(笑)自分も東京で初参加して、故郷の和歌山に持ち帰ろうと心に決めました。ちなみに福井さんは神奈川在住でいらっしゃいますよね?故郷の奈良で開催するために、どうやって準備を重ねられましたか?

当時、奈良には地元の友達ぐらいしか人脈がなかったので、準備には苦労しました(笑)SWを開催しようと思えば参加者を集めるだけでなく、コーチやジャッジやスポンサーの皆さまを場に集める必要があるものの、自分は全く何もアテがありませんでした。


── どうやって関係各位を巻き込んでいきましたか?

実はご紹介が大きいんです。当時、全国47都道府県でフリーランスや起業家を対象とした事業立ち上げのノウハウを共有する「事業スタートカンファレンス」というキャラバンが開催されていたんですね。ちょうど私が奈良でSWを開催しようと思った際、カンファレンスの奈良番が開かれたばかりだったんです。


── これはもう巡り合わせですね(笑)

加えて、そのスタッフの中にSWも手掛けている成松さんがいらっしゃったこともあり、話はトントン拍子で進んでいきました。会場の方をご紹介いただき、登壇された方をご紹介いただき、あっという間にネットワークが広がっていきました。会う人誰もが「面白そうですね!やりましょう!」って前向きにお返事をくださったんです。

ご縁から初開催を成し遂げたSW奈良


── ご縁から始まったSW奈良を開催されてみて、如何でしたか?

30名近くが参加して盛り上がる中で一つ気付いたことがあるんです。それは都市であっても地方であっても特に大きな地域差はないということです。出てくるアイデアも面白いですし、行動を起こそうとする熱量も高いですし、圧倒されるばかりでした。もちろん、みんながみんな会社を立ち上げたわけじゃありませんが、実際に事業が生まれるケースが登場したりと成果が少しずつ現れ始めてきています。


── そんな素敵なコミュニティを継続させるためには、何を大切にすべきと考えられますか?

一つ目は「リアルでお会いする」ということが大切だと思っています。現場に足を運ぶと、地域の課題感や雰囲気も熱量も分かりますし、人柄も会えばこそより深く理解できます。


── まず出会うことが全ての始まり。

二つ目は「ヒエラルキーがないこと」が大切だと思っています。一人一人が主役で、誰が上とか下とかそういったことがないフラットな場所だと考えています。誰もが分け隔てなく扱われ、お互いに関係を結べるような空気感が大事ではないでしょうか。


── そんなコミュニティの中でアイデアをカタチにしようと思った時には、どんな工夫が欠かせないと福井さんは考えられますか?

アイデアは一人で作り上げるものじゃなく、チームで取り組むものだからこそ、本気で腹を割って意見をぶつけ合うといいものが出来ると思うんです。お互いが遠慮し合って言いたいことを言えなくなってしまうと、全体的に丸くなってしまい、結果的に誰にも刺さらないものが出来上がる。

アイデアはチームで本気で腹を割って取り組むからこそ


── 自分の考えを躊躇わずに伝えること。

これまでいろんなチームを見てきたんですが、喧嘩しているチームや雰囲気が悪そうなチームほど、何故かいい結果になることが多いんですよね(笑)もし仮にそのアイデアを言い出したリーダーがいたとしても、リーダーの意見が絶対ということはないというハズなんです。火花を散らすところからいいアイデアが誕生するんじゃないでしょうか。


── 逆にアイデアを支える支援者はどのように立ち居振舞うのが良いでしょうか?

逆説的な回答になるかもしれませんが、干渉しないことが重要じゃないでしょうか。


── その心は?

時々、様子を見ていると思うんです。こういう風にアドバイスしたらいいなーって。けれども、それを自分が口に出してしまうと、プレイヤーとして取り組んでいる皆さまがもがき苦しんで、その中で答えを見つけ出せなくなってしまう。起業家として成長する機会を奪ってしまうことにもなりかねない。


── 放置を通じて花開くことを促す。

もし仮に私が自らアドバイスを積極的にしてしまうと「誰かが助けてくれる」なんて風なマインドセットになってしまう可能性さえあります。だからこそ、本当に困って相談に来ることがない限りは、自ら干渉しないようにしているんです。

干渉せずに、参加される皆さまが起業家として行動できる環境を


── アントレプレナー育成のポイントをお伝えくださりありがとうございます。福井さんと同じく故郷でコミュニティを立ち上げたい方が世の中に数多いらっしゃるかと思いますので、もしよろしければアドバイスをいただけますか?

続きは下記にてお読みください。


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