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「経験学習リーダーシップ」読んでみた

去年の終わり頃から育成を任されるようになって、完全に独自でやっていたなという反省とリーダーシップという言葉に惹かれて読んでみました。

人が成長するためのプロセス3つ

1. 振り返り
行なった活動に対して、良かったところよくなかったところを振り返ります。
2. 教訓の抽出
振り返るだけではダメで、ちゃんとそこから教訓を見出す必要があります。
なぜうまくいったのか、なぜうまくいかなかったのか。
過度に自責したり、過度に他責にしたりしてはこのステップができていないことになります。
3. 教訓を次の機会に応用する
教訓を見出したら、それを次の活動の機会に応用することが必要です。
教訓を見出しただけだと、活動の精度が上がっていきません。

育成のポイント2つ

1. 強みを見つけて、成長ゴールで仕事を意味付ける
基本的に、弱みを克服するよりも強みを伸ばすことを意識します。
その方がその人のパフォーマンスが高まり、また感情としても得意なことをやった方が幸福度が上がります。

そのため、相手の得意そうなことを見出す必要があります。
これは以下のようなやり方で見つけることができるかもしれません。
・相手のプライベートでの活動や、雑談などから
・一緒に仕事をしたことがある人に聞いてみたり、
・相手の仕事ぶりを観察する

相手の得意そうなことを見つけたら、それを生かせるようなタスクを任せます。
相手のタスクに対する意欲を引き出し、より成長を確実にするために以下3点をタスク開始前に行うと良いです。
・そのタスクが相手のキャリアゴールのなかでどういった意味合いがあるのかを説明する
・その業務を通じて相手の何の能力を伸ばそうとしているのかを説明する
・その業務のポイントとなるところを示して、見通しをつけられるようにする

2. 失敗だけでなく、成功も振り返り強みを引き出す

タスクが終わったら振り返りを行います。
この時にはデータとともに振り返ると効果的になります。
よくなかったところだけでなく、良かったところも振り返ります。
良かったところを振り返るのは、成功の再現性を高め、それをさらに横展開できるようにするためです。

失敗したことを振り返る時に特に注意したいのが、相手の姿勢を問題にしないことです。
姿勢を問題にされると、それはその人そのものと強く結びついているので、人格を否定された気分になります。
そのため、相手の行動やプロセスにだけ注目するのが良いです。

例えば、納期に遅れてしまう人に対してです。
ガッツがあって何としても納期に間に合わせるという気概がある人ほど、納期が守れない人をやる気がないと思ってしまいがちです。
しかし、行動やプロセスにだけ注目して振り返りをすれば、姿勢を問題にしなくて済むので、お互いにハッピーになれそうです。(自分でもあまりできてないですが)

自分の組織に当てはめてみると

自分の組織は、人の強みにあったタスクを任せ、その人のキャリアを考えたアサインをするということはできているので納得感を持って読めました。
月次で前月の仕事を振り返る機会(一人20分程度)もあるので、この本で言われていることの大枠は行われているなという印象でした。
(各自が振り返って資料を作り、それを発表し、上長とメンバーがコメントをします。)

ただこの本を読んで、振り返りの重要性と振り返りで得た教訓を次に応用することの大切さを痛感しました。
なので、こんなことができたらもっとよくなるなと思いました。
1. 上長(もしくは関係者)と、タスクが始まる前に、どういうことに気をつけるか、どういう能力を伸ばそうとしているかを確認する機会を設ける。
2. 上長(もしくは関係者)と、タスクが終わるごとに振り返りを行い、導き出す教訓の質を上げる。

月次で行なっている振り返りを、スパンをより短く得られる教訓の数を増やし、複数人で取り組むことで教訓の質もあげます。
また振り返るだけではなく、タスクが始まる前に何をどうするか確認し、過去に得た教訓を生かしやすい状態にします。

また、副次的にメンバー間でのコミュニケーションが増えることで、意見が言いやすい環境が出来上がります。
そうすると、自己主張をしやすくなり、よりメンバーの自主性を発揮しやすい環境になるんじゃないかと思っています。

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