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「リード・ザ・ジブン」読んでみた

著者はボストンコンサルティンググループでパートナーを務め、ユニクロをはじめ複数の企業で人材育成に関わった方です。
自分が現在業務で少しだけ育成もしていて、強いチーム作りにも大いに参考にできることがありそうと思い手にしました。

簡単に要約

現在はVUCAと呼ばれるとにかく変化の激しい時代です。そのため高度成長期のように先の見通しを立てて経営していくのは困難です。すると自然と、トップダウンの経営スタイルから、変化の矢面に立っている現場がどんどん課題設定して、解決に取り組んでいくという組織への変化が必要になっています。

本のタイトルであるリード・ザ・ジブンというのは、こんな時代に求められている自律自走できる個人とその個人が団結したチームを作るための土台となるものです。以下の2つのポイントがあります。
1. 自分事化
自分が何者で、何を成すために組織に存在しているのかといった自分の根源となることを深掘りして把握することです。
2. 絆づくり
上記の自分事化した内容をチーム内で共有します。
そうすることでチームメンバー間にエモーショナルなより深い絆を築くことを目的としています。
チームメンバー間の心理的な距離が近くなり、この人のためならと、遠慮せずにFBを行えるようになります。

そんなチームを作るためにユニクロでは「過去最高の自分を育て、仲間を育て、最強チームを作る」という文化があるようです。
過去最高の自分を育てるには以下のポイントがあります。
・高い志を持つ
自分が何者で、何をなそうとしているのかを深く考える。
その上で大ボラ吹きになって、目標を高く持つ。
目標を達成しそうになったら3倍の目標を立て、常に目標を更新し続ける。
・大きい服を着せる
これは育成者の話です。
メンバーに対して今より頑張らないと達成できないようなタスクを与えて、背伸びをさせて脱皮させるということです。
また、この時大切なのは失敗してもそれを許容する環境を作ることです。
良い失敗を重ねて進化させていくという考え方が重要です。
失敗してキャリアが終わるような環境では、誰も挑戦しなくなります。
そのため、失敗した人でもカムバックの機会を与えることが重要です。

仲間を育てるには以下のポイントがあります。
・全身全霊で向き合う
部下の成長に対して愛情とコミットメントを持って真剣に取り組みます。
・心に火をつける
ただ単にスキルを教えるのではなく、心に火をつけ、部下の意識・行動を改革します。
・教育 = 実践
実践をベースに教育を行います。
教育とビジネスの成果を結びつけるために、座学などの知識を吸収するセッションだけで終わらせるのではなく、教育と実践を結びつけています。

最強チームを作るには以下のポイントがあります。
・自分の志を込めた組織のビジョンを掲げ、勝ちたいと誰よりも思う
自分の思いを真剣にメンバーに伝えて、共有することでチームがまとまるための一歩になります。
また、その思いを元にチーム全員が勝ちたいと思うことにより、より強い実行力がチームに生まれます。
・一人一人を主役にした全員経営の実践
チームのビジョンができたら、メンバーがそれに自分の志を同期化させ、自主的に行動できるようになる必要があります。
そのためにビジョンについてメンバーと話し合う場を設け、各人に思いとどうつながってくるのかを確認します。
そして各人の思いを元に、各部門の経営者として活動してもらうようにします。
すると、自分で課題の設定、解決のサイクルが回り始めます。
こうすることでチーム内に各人の志を達成する場所を作り、各々のキャリアの未来が開ける実感を持ってもらうことができ、それぞれの心に火をつけることができます。
・サクセッションプランニング - 後継者育成
リーダーには期限を決めて後継者育成の責任を課し、それができなければポジションを降りてもらいます。
また、後継者を育てることでリーダーは次のステップに進むことができます。

活かせると思った点

強いチームを作るためには以下の2つを押さえておく必要がありそうです。
・ビジョンの重要性(自分とチームの)
・メンバーの成長に対して前のめりに取り組む

強いチームにはミッションがあり、それは各メンバーのミッションを元に出てくるものだと思います。
そのため、各人がどれだけ自分のミッションを大ボラを吹いて設定できるかが鍵になってきます。
各人のミッションが大きく、達成した時をイメージするとワクワクするようなものであれば、チームのミッションも同じようにワクワクするものになります。
そしてそのワクワク感がメンバーのコミットをより一層促すことに寄与しそうです。

チームの成果はチームメンバー同士の交流の結果に生まれるものです。
そのため、メンバー同士が信頼しあった状態が望ましいです。
その信頼を作るためには、相手のミッションの達成を自分ごととして捉え、その達成のために惜しみなく支援をします。
ただし、ここで達成を支援するあまり相手の自主性を奪ってしまわないようにすることが重要と思います。
例えばフィードバックを頻繁にしたり、課題の解決のために気づきを与えたりするのは良さそうです。
しかし、相手の代わりに何かを決定したり、課題を解決してしまうのはよくなさそうです。
相手の自主性を尊重し、主役は相手であることを忘れずに、自分は舞台裏でのサポート役に徹する必要がありそうです。
そのため成長の支援のためにどこまで関わって、どこを自主性に任せるかをあらかじめ決めておく必要がありそうです。

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