見出し画像

Vol. 4 「坂の上は雲」

まえがき

始めましての人も、前回までの内容を読んでくださってくれている方も含め、改めてこんにちは。僕は現在悶々とした心を抱えながら、日々の生活を送っているTKR。ちなみに25歳独身である。
前回までの内容を読んでますという方は、前回同様、ここは一気に飛ばして頂けたら幸いだ。今回、初めて読むという方は、すこーしだけ我慢して、下記前回までの内容を読んでほしい。
ちなみにだが、この物語は過去の事実をある程度再現している、ノンフィクションだぞ。

前回の内容
1. あの野郎、日程間違ってやがったの巻
2. ヤニちゅうから、お金もらったぞの巻
3. タイヤパンクしちまって、なすすべなしの巻
4. ちゃっかりおじさんからチャリを借りたぞ、の巻
5. 出会いに感謝しながら、ほなレッツゴーの巻

以上

死の坂は今日も雨だった

あの天国と地獄を彷徨う経験をしてから1時間。僕らは順調に、目的地までの歩みを進めていた。
目的地までの歩みが進まると同時に、僕ら6人のフォーメーションも、前半と比べ格段に進化していた。
前半はフォーメーションなんて気にせず、横並びになりみんなでぺちゃくちゃ話しながらチャリを漕いでいた。そのため当然進み方はゆっくりで、なかなか目的地まで到着しない。なにより、通行人の邪魔になっていることに、話にすっかり夢中になってしまっていたためか、全く気付いていなかった。
よほどがらの悪い中学生だと思われたのだろう。僕らが信号で止まっているとき、僕らよりあきらかにガラの悪そうな通行人の兄ちゃんに、
「ブルーインパルスでもねーんだから、縦に並んで走れ!!」

画像1

そう怒鳴られ僕らはビビリ(一応啖呵は切ってやったが)縦並びのフォーメーションをとるのであった。
しかし、横並びの僕らをブルーインパルスと形容するあたり。兄ちゃん、なかなかやるいい想像力してるね!
ただ、兄ちゃんが僕らに怒鳴ってきたことは確かに正しかった。まあ、常識的に考えればわかることなのだが、横になり、だべりながらチャリを漕いでいたらそりゃー着くものも着かなくなるし、まして通行人の邪魔になるのは明白だ。

こら.003


僕ら6人はいい子で知られているため、兄ちゃんの意見をしっかりと聞き入れ、縦並びでチャリを漕ぐことにした。先頭がA.S。その後ろをI.K、I.Hと、ある程度体力がある順で並べ、最後尾は山の神も恐れをなす、このTKRである。


この縦のフォーメーションにしてから変わったことが3点。
1点目は、当然のごとく移動スピードが格段に早まったこと。(そりゃーそうだろう)2点目は、見栄えがよくなったこと。前半はガラの悪そうな中学生であった僕らだが、フォーメーションを変更してからは通行人に
「プロって大変ですよね〜。練習大変でしょうけど、頑張ってください」
なんて声をかけられたり、
「自衛隊の練習かなんかですか?かっこいい!」
なんて声をかけられたりして、大変だったんだよ磯野く〜ん、、、(大嘘)
3点目は縦のフォーメーションにすることで、A.Sが持ってきていた無線機を使用していこうとなり、前列のA.Sと僕とで、速度ペースの調節がやりやすくなったことだ。
そのおかげで全員がストレスを溜めず旅を進めることができるようになり、「友情」を超えた「信頼」という感情が、僕ら6人の中に芽生えていった。

坂まで残り数キロ地点程の場所に差し掛かったとき、雲行きが怪しくなっていることに僕ら6人は気付いた。さっきまで、ミミズが焼け焦げて死んでいるくらい灼熱の暑さだったのに、その暑さがみるみるうちに引いている。なんなら、少し肌寒いと感じたほどだ。A.Sが気を遣ってくれたのか、僕に無線で
「TKR。ちょっとだけ止まって様子をみてみよう。もしかしたらスコールかもしれない。丁度あそこに休憩する場所があるから、あそこまで止まるよ」
そう伝えてきたので、僕は了解と一言だけ伝え、A.Sの指示に従った。


A.Sは僕ら5人のことを休憩スポットに誘導し、これからスコールになるから進むか進まないかどうするということをみんなに伝えた。
「まだ時間的に全然余裕あるし、様子見ていいんじゃね?ぶっちゃけ、無理するような状況じゃないし」
「俺も賛成。ここまで大きな事故はなくこれたけど、日程間違うようなやつもいれば、パンクしてしまう出来事もあったし。もしかしたら、ここで大きな事故になっちゃう可能性もあるしな。俺はカルマを信じるよ。カルマを」

カルマ.001

I.KとN.Nがぐうの音も出ない正論を僕らにぶつけてきた。カルマを強調してきたことに関してはうんうんと適当に聞き流したが、それ以外の意見には、確かに僕も賛成であった。
「I.HとU.K、A.Sはどうよ?ちょっと位ここで暇潰しても問題ないっしょ?指スマやろう指スマ」
指スマ王子と呼ばれたI.Kはよほど指スマをしたかったのだろう。エド・はるみのごとく両指を突き出し、有無を言わさぬ速さで、I.HとU.K、そしてA.Sにグーググーググーと迫り寄っていくのであった。

指スマ.001


A.Sは、ドラクエの戦闘のごとくひらりと身をかわした。
一方で圧力に押されたI.HとU.Kは頭がおかしくなったのか、彼ら2人もグーググーググーと言いながら指を突き出し、3人で仲良く指スマを始めていた。
その様子をみてA.Sは途方に暮れたのか。彼の頬から、光る何かが落ちていくのが見えた。

指スマを始めて10分。
「ゴロゴロゴロ、ゴロゴロゴロ、ドッカーン」
雷が激しく鳴り響く音が聞こえてきた。それと同時に、
「ザーーーーーーザーーー」
激しい雨の音も聞こえてきた。
「いやー、行かなくてよかったよかった。この状態で行っていたら、確実俺ら死んでたぜーー。マジ神ありがとう。神さんkす」
指スマの試合は優に15回戦を迎えようとしていたが、衰えを知らない指スマ界の皇太子I.Kが、満足げに僕らに話しかけてくる。

指スマはどうでもいいとしても、丁度疲れも溜まってきていた頃だし、まあ時間もあるしゆっくりするかーなんて僕は思っていた。そして、こういうことも起こりうるだろうと思っていた用意周到な僕は、リュックサックに入れた週刊少年ジャンプを取り出し、当時人気爆発であった「バクマン」を読もうとしたときであった。

バクマン.002


「みんなやっぱり行こう!俺らは、今雨が降っているからこそ行かないと!!こんなところでバクマン読んだり、指スマしている場合じゃない!もっと旅を楽しもうぜ。さあ、行こう。立って立って」

A.Sが、この状況に我慢できなくなったのだろう。ラジオ体操している小学生を泣かせるほどの声ではないが、確実に子豚一匹を殺傷できるだろうという大きな声で、リラックスしている僕らに叫んできた。これにはさすがに、
「いやいや。別にここに一生滞在するわけではないんだからさ。なっ?ちょっとだけ待とうぜ。落ち着こう。」
指スマに飽きてきたということを、全然隠しきれていないI.HがA.Sを諭す。
その後ろから、今だ指スマ界は俺が牽引していると自負し、全く飽き知らずの皇太子I.Kが野次を飛ばす。
「うるせーよA.S。今オレらは指スマやってんの。ゆ・び・す・ま。わかる?とりあえず、座れよ。な?」
指スマ界の第三の刺客であるU.Kと、遠くを見つめていたN.N。そしてバクマンを読むなと注意を受けた僕ら3人も、今は行かなくていいだろーと同じ見解であり、満場一致で今は時期尚早という意志をA.Sに見せた。

はじめはA.Sも、たしかにそうか、、と僕らの意志を汲み取ってくれたと思っていたが、みなさん忘れていたころだろうからRemindしておこう。
A.Sは、変人であるということを。
2分もすれば、いや。やっぱり行こう。みんないかないなら僕だけでもと、初号機ばりに暴走行為に走る。今度は彼をみんなで抑え込み、ガリバー状態にする。そして落ち着かせるために、電気あんまの刑に処するのであった。

「ウヒャヒャヒャ、ヒックヒック」
A.Sが完全にきまってしまっていた。電気あんまがよほど効いているのだろう。それもそのはず。5分という、電気あんま史上最も長い時間彼は電気あんまを受け続けたのだから。
今回、電気あんまを担当したバイブ執行人I.Kが、
「A.Sよ、旅には犠牲が伴うのだ。すまない」
そう優しく声をかけた。
1秒間に300回もの上下運動をさせ細かなバイブを生み出すことができるという、EXILEヒロも棒立ちさせる程のスキルをもったI.Kだからこそ、今回限界まで耐えたA.Sに敬意を表せたかもしれない。
熱い男と男の勝負はこうして幕を閉じた。

ひよこ.003



雨と共にA.Sもこれで少しは落ち着き、僕らと一緒に待ってくれるだろうと誰もが信じていた。
しかし、その期待を裏切るのが我らA.Sである。
ついさっきまでウヒャヒャ言ってたのも束の間、恐怖の回復力をみせ瞬時に立ち上がると、小石をものすごい剣幕で小石を集め始める。そして、僕らに石を投げながら応戦してきたのだ。これではまるで、「ニンゲンコロス」ではないか。
僕らはアシタカでもサンでもなんでもない。

こうなったらもう僕も我慢ならん。
「おいA.S!なんでお前は今行かないといけないと思ってんだ!!みんなで話して、ちょっと待ってから行こうって決めただろ!頼むよまじで。チームワークなんだからよ!!」
ついつい感情が高まり、思いっきり叫びながらA.Sに訴えかけると、
「TKR。違うんだ。俺はただ、この冒険を楽しみたいんだ。そして、学校でこのことをみんなに話したいんだ。この仲良いみんなで困難乗り越えたんだぜ!そう言いたいんだ。だから、ちょっとの困難があったとしても、前に進みたいんだ!」

A.S、、。石を投げるA.Sに殺意を抱いていた僕らであったが、すっかり彼の熱くて純粋な思いに心を奪われてしまっていた。馬乗りになり電気あんましたことを、とても後悔した。

続けてA.Sは僕らにこう諭す。
「友よ。友情とはパン生地と一緒なのだよ。叩かれて叩かれて、柔らかかったものが厚みをまし強くなるのだ。だから、気にするでない。これにより、僕らの友情が更に厚みをましたと思えば笑い話ではないか!それより学校でこのことを話し、少しでも女の子からちやほやされようじゃないか亅

画像7

ああ。こうして信仰宗教にハマっていくのかと心の奥底では思いながらも、A.Sの言葉1つ1つに惹かれていく。なんて素敵なお言葉なのだろうか。僕らは自然に彼の近くに歩み寄り、気が付けば彼の手の甲に、まるでジョルノ・ジョバァーナのように軽く接吻をしていた。
もうこうなりゃなんでもいい。A.Sを除いた僕らは、この時から彼をソ◯師として崇め、彼が言うこと全てについて行くことに決めた。
そして気づいたら僕らはチャリに跨り、雷鳴鳴り響く外の世界へ向かうのであった。

坂の上は雲

「ついにここまできた。ここを攻略できれば、あとは我々6人の勝利!皆のもの、心してかかれ!」

画像8

A.Sが、難所の前で僕らに気合いをかける。
なんだが時代設定までもズレてきたなぁと思いながらも、ソ◯師A.Sの話を僕ら5人は真剣に聞く。
あの時のA.Sの顔は忘れない。坂の上の雲に登場する秋山好古が、旅順攻略を試みたときの、鬼のようなあの顔にそっくりであったのだ。
まあそれは別にいいいとしてこれに対し、僕ら一同は
「おー!いざ、出陣だ!!」
土砂降りの中でも聞こえるほど大きな声で叫び、全身全霊をかけて難所に臨んだ。

Vol.3で、森田中学校側にある坂とさほど変わらないだろうと書いていたと思うが(分からない方は、ぜひVol.3に目を通してみて!)、完全に僕らは憶測を誤っていた。
ソ◯師からの激しい激が飛ばされてから早20分。未だ坂が続いている。あと数キロはあるのではないだろうか。そう思うと、坂を見上げることができなかった。横を見ると、僕同様絶望に満ち溢れた顔をした仲間たちがそこにはいた。雨により身体が冷え凍え出す者や、通行車に水をかけられ泥まみれになるもの、中には坂を登るという過酷さに耐えきれず、泣き出すものもいた。


本当に僕らはこの坂を全員で登り切ることができるだろうか?

ふと、この言葉が僕の脳裏を過る。誰もがそう思っていたに違いない。あのとき、もう少しだけ電気あんまを長くしておけばよかったと、後悔している者も中にはいたかもしれない。
ただ、
僕らにはA.Sがいる。また、祖国には愛すべき家族が待っている。そして、小川原湖にはパツキンのチャンネーが待って居られる。
その思いだけは、いくら雨が降ろうとも消されることはなかった。そう思うと、僕ら一同はこんなところで死んでたまるかと目をギラつかせ、チャリのベルを謎に全員で無駄に大きく鳴らし自らを鼓舞することで、戦いに備えるのであった。

ベルを激しく鳴らし過ぎて、僕のベルが完全に機能しなくなったと同時に、A.Sが我々に激をかける。
「皆の者。この坂攻略まで、あとほんのわずかな所まで来た。ここまでよく頑張った。大儀である。皆の頑張りをお天道様が応援しているのか知らないが、雨もだいぶ弱くなっておる。このことから、今が坂攻略の絶好の機会であるとみている。いいか。腹が減っている者はカロリーメートを少量口にし、すぐに出陣の準備に取り掛かれ!」
もうすっかり時代設定が明治時代に変わったなーと思いながらも、この激に対し我々一同も明治の軍人風に答える。
「A.S少佐、心して攻略にかかります。祖国のため・勝利のために、精一杯チャリを漕がせていただきます!!」
こうして僕らは雨が止み始めているこのタイミングを逃さまいと、激しくベルを鳴らすのを辞め、再度全力でチャリを漕ぎ、着実に歩みを進めるのであった。

「ようやくここまできたな、、。もう頂上まで後少しだ。」
この坂だけで5キロは痩せたと豪々していたU.Kが感動を隠しきれないのか、涙を目に一杯にためながら話しかけてくる。

でぶ.004


あれから更に20分ほど経ち、僕らは坂の上まで目と鼻の先という場所まで来ていた。
「ああ、まじで長かったな。これだけでも、学校で話のネタになるぜ。つか、ようやく晴れたな。夏だからまじで雨降ってくれてありがたいと最初は思ってたけど、雨降るのはもう勘弁。はやく行こうぜ」
普段は冷静なI.Hも、坂の終わりをようやく感じ取れて嬉しさを抑えきれないのだろう。帰りにチャリ返却を忘れてしまうのではないかと思わせるほどテンションで、僕ら一同に話しかけてきた。
その横から、特段テンションの変わらないN.Nがこう言う
「つかさ、全然ここまで綺麗な景色みれてないよな?まあ天気が悪かったってこともあるけど、上見上げても下見ても坂・坂・坂だし、読み見ても森だけだしさ。」

N.Nが言うことに、僕は激しく同意した。
確かに、ここまで車で感じ取れずチャリで感じ取れるようなことはいくつかあった(にんにく畑から香るにんにくの香りなど)。また、チャリ旅ならではの出会いもあった(ヤニ爺さんやチャリ貸しおじさんなど)。しかし僕らは、全員が雄叫びを上げるくらい感動するような、The景色という景色にはまだ遭遇していなかった。
「まあこれからまだちょっとだけど目的地まで距離あるし、その間にでも何かしらは見ることできるだろ。宿泊場所も湖近いし、もしかしたら夕日に照らされる湖なんて見れるかもな」

画像11

そう僕が言うと、まあ確かにな〜と、まるでさっきまでの会話がなかったかのように、N.Nが適当に答えやがる。相変わらずムカつくやつだ。
「よし、そろそろ行こう。N.NとTKRの話聞いて、景色見たくなっちゃった!もしかしたら、坂の上からいい景色見れるかもね!楽しみ!」
A.Sも僕ら同様、絶景をとても見たがっているように思えた。その横でI.Kは、景色なんかよりチャンネーを今すぐにでもみたいという顔をしていたのはバレバレであった。まあ人ぞれぞれだからな。多様性を認めよう。

そしてついに、僕らは歓喜の瞬間を迎える。

時刻は13:30分。A.Sの家を飛び出してから約6時間後、僕らのチャリは坂の頂上付近にあった。
旅の計画段階では、坂を越えるなんて誰もが余裕であると思っていた。しかし、実際はそんなことなかった。雨の中強行突破したことも然り、とにかく距離が長かった。加えて、アップダウンがとにかく激しかった。少し傾斜が緩やかな坂になったと思った瞬間、急傾斜が待ち受けているなんてことや、下り道があると思いラッキーと思うと、またすぐに急傾斜が待ち受けているなんてことはザラにあった。
その度に精神が崩壊しそうになったが、カイバル峠を越えてきたアーリア人も、こんな思いで越えてきたのかと思えると頑張れた。なにより、隣で僕と同じくきついだろうが、必死でチャリを漕ぎまくる仲間をみれば、なんとかして頑張ろう。そう思えたのであった。
「ついにここまで来たね。まじで色々あって大変だったけど、誰も脱落しないで来れたことが本当に嬉しい!!ちょっとみんなに提案なんだけど、ここにチャリおいて全員で坂の頂上まで歩いて行かない?チャリでただ通りすぎるのももったいないし、なにかいいもの見れるかもしれないし!!」
一時頭がイカれかけていたA.Sも、仲間を思いやれるほどまでにすっかり正気を取り戻していた。
僕らはA.Sのこの提案に賛成した。辛い思いを共有してきた仲間だからこそ、頂上は全員同じタイミングで登りたい。そう思ったからに違いない。
僕らはチャリを降り全員で横並びになった。そして、残り数メートルという坂の頂上までゆっくりと歩いた。
一歩、二歩、三歩と歩みを進める度に、心臓の鼓動音が大きくなっていくのが聞こえ、坂の上からは何が見えるのだろうと緊張している自分を感じ取ることができた。
そして、ついに念願の頂上。


僕らはその景色に圧倒された。

画像10

スコール明けの晴れきった蒼い空には、大きな大きな雲があった。この坂を登りきった僕らに対し、「よく頑張ったな」と称賛してくれている、そんな気持ちがした。
またその下の湖が見事に雲と湖付近で遊ぶ観光客を反射させてくれ、大聖堂天井に描かれた、ルネサンス期のイタリア絵画を彷彿とさせる、そんな景色が広がっていた。
今すぐここで死んでもいいな。そう思わせるような大絶景を目のまえにした僕らは雄叫びを上げるのではなく、

「坂の上は雲だった」

ただそう呟くことしかできなかった。


「到着」に続く




この記事が参加している募集

#おうち時間を工夫で楽しく

95,466件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?