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僕たちはいつだって出かけていかなきゃならない

バンド活動には曲を作ったりリリースしたりするアクションがある。
このタイミングを通して「現状維持したい」のか「変化したい」のかという問いが自分の中にいつも生まれる。

このポストを読んでいただいているひとも同じだと思う。これはバンドマンだろうが国会議員だろうが、区別ない。心というものは「現状維持したい」のか「変化したい」のかという両極を泳ぐ性質があるからだ。

そして「現状維持」という心構えは一般的、対外的にあまり好まれない。
地獄系の運動部とかで「現状維持で大丈夫っす!」などと言うとぶん殴られるイメージがある。

現状維持というのが、目標の位置設定としては低いからだろう。なぜならすでに達成されているような高さを目指すと大幅に下回るからだ。

この理屈は残酷なことにまぁまぁ的中する。
というより「現状維持でいいや」という心構えでいると、現状維持すら下回っていくのだ。

同じ食事をしていても昔よりは太りやすくなってしまうし、「同じぐらいの仕事でいいや」と思っていると、周りが実力をつけてあっという間に追い抜かれ、5位だったのが15位ぐらいまでランクダウンしたりする。

僕自身、30代になって重ねてきた音楽のキャリアが存在するけれど、「20代の感じでいいや」というスタンスで歩んでいたら、あっさり滅んでいたように思う。

僕の20代はとにかくステージに立って、曲を発表して、ひたすらに量で発信しまくった。これと同じ方向性で表現を進めていったら厳しかったはずだ。

比較すると、会社をやったり、本を出したり、映画にしたり、脚本に専門学校、ともうメチャクチャに多様化してきている。20代との違いは、裏方に少し重心を持っていっているのかなぁと感じている。

昨日はESP(音楽の専門学校)の授業に参加して、一緒にjuJoeの選曲を会議した。二十歳のひとたちに、自分たちの新曲7曲を選んでもらうといった授業だった。

脳みそがジャブジャブ洗われる感覚を得た。
「ノリやすい」といった言葉一つとっても自分たちの世代とは全然違うのだ。4月は最新ヒットチャートを毎日聴いて、曲を書いていて本当に助かった。

授業の一環ではあるのだけれど、バンドにとって、ものすごく大きなプロモーションをさせてもらっている。

僕もホワイトボードを使ってベラベラ喋ったりするのだが、これほどステージ外での人間性や、自分の音楽を作る行程まで聞いてもらえるチャンスなどそうそうやってこない。

そしてESPの学生たちは1,2年で業界のプロになっていくわけだから、卒業後もなんかしらで繋がっていくメンバーが出てくるだろう。

でも20代の僕はこういったことができなかった。

考え方も姿勢もゼロだったし、そもそもステージ外で物事を伝えていくようなアビリティもなかった。「俺が作ったものを俺が歌う」しか表現の手段がなかったのだ。接近戦しかできず、空中戦がニガテな初期の悟空のようなものだ。

この記事は「現状維持したい」のか「変化したい」のかという内容だけど、思うに「現状維持」というのはできないようになっているのだろう。

仏教にも「無常」という教えがあるけれど、今日と同じ明日は絶対に存在しないのだ。自分も変わるし、世界も変わる。友だちもバンドメンバーも恋人も家族も少しずつ変わっていく。

そう考えたら「変化したい」と思っていくほうが心にとっては健全なのだと思う。変わるほうが安全なのだ。

ひっそりとうっすらと決めておくだけでもいいし、「変化しなきゃ」と覚悟しておくだけでもいい。

弊社に面接に来るひとは「変化したい」という主張が多い。

変化を求めて僕の会社にやってくる。

ただ、本心は行動に表れるので、本当は現状維持につま先が向いてしまっているひともいる。別にそれが悪いわけではないのだが、だけどきっとその場所にずっとはいられないのだ。僕たちはいつだって出かけていかなきゃならない。

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