CESは参加する価値なし。出展するは価値あり!?セキュリティ厳しすぎて足止め食らう世界一の展示会の実態。

お世話になっております。
セールスのタクミ佐藤です。

日本のSaaS企業で
30社以上の展示会出展をサポートしている
展示会のプロフェッショナルが遂に海外展示会
出展支援に参入いたしました。

クライアント様の出展
お手伝いにて1週間ラスベガスに行って参りました。

空港に現れるスロットマシーン!これぞラスベガスだ!

アラスカ空港の事件に巻き込まれ、
1日帰ってくるのが遅くなるハプニングがありましたが無事帰国。

日本のNEWSでは、「CESはすごい!!!最新テックだ!!!」
Twitterを見ても「近未来だ!!!」と多くの投稿を見ました。


一方で、
実際に出展者側として出てみると
外からは見えない多くの事に気づきました。

このnoteを
実際のCESのリアルな内情を知りたい方
と出展を検討している方向けに書いていきます。

日本の展示会と異なり、
かなりセキュリティの厳重さやルールの厳しさ
など出展する上でかなり厳しい制約がありました。

来年出展をご検討される方向けにも
そういった教訓も記載できればと存じます。

無くしたら33,000円の高級バッジ

それではいきましょう!!!



CESは出展する価値があるのか

結論

海外展開を考えていて、
グローバルのテストセールスをしたい
スタートアップにとってはかなり出展する価値があると思いました。

一方で、出展するプロダクトによってかなり成果や、
差別化が重要になってくるので注意が必要です。

CESの出展企業を見てみると9割がハードウェアでした。
SaaSは私が探した限り10社未満で、殆ど存在しないだけでなく、
明らかにブースの人気度が低かったです。

ハードに10人来るならば
ようやくソフトウェアに1人という状況です。

外部骨格のやつ

美容器具、ロボット、などとにかく何かしらのハードウェア製品が立ち並んでいます。CESの起こりとしてそもそもが、ラジオから始まっており、家電見本市として広まっていった経緯があることから、圧倒的に家電に類するものがメインでした。

農業のIOT


最近だと家電もどんどん広義になっており、
車でさえ、IOT化され、今回非常に多く出展されておりました。


なぜか、ブガッティ!!!


そもそもCESとは

大きく2つのエリアに分かれています。
それぞれのエリアはバスで移動して10分くらいの距離にあるため、
かなり会場は広く、徒歩移動はできないイメージになります。

今回私がご支援したのは、真ん中のTech Westというエリアになります。
このエリアは主にスタートアップ、ベンチャー企業が出展しており
今回スタートアップだけでも1,400社もの出展があったそうです。

もちろん会場内を全て見ることはできなかったですが、
皆さんがテレビで見ていたのは主にメインの方のLVCCの会場の方です。

こちらのメイン会場にはSONYや、LGや、Samsungなど
の超大手企業が出展しておりました。

ソニーブース。日本人皆無。
話題もアフィーラ。

具体的にどんな客層がいたのか

CESはグローバルから人が来ており、
特にスタートアップの出展社ブースは
完全に国ごとにエリアが分断されていました。

アメリカ合衆国の出展ブース

JAPAN エリアは今回2つ存在しており、
JETRO様、JAPAN TECH様という2拠点でいずれかの
団体の場所を借りて出展していました。

JETRO様のブース
JAPAN TECH様ブース

もちろん、通常の個社出展をされている会社様もあるようでしたが
ほとんどの日本企業はこの2ブースの場所を借りて出展していました。

来場者属性
-------------------
<国別>
・6割:日本人
・4割:外国人

<業種別>
・9割:一般人
・1割:メディア
・0.5割:投資家
・0.5割:逆営業
-------------------

結局、JAPANブースとして出展しているのもあって
日本人が最も多いという結果になりました。

国別対抗という雰囲気だったので、
自国の会社がどんな形で出展しに来ているかを興味本位で見に来ている人が多かったです。また日本人の中でも半分は日本から、半分は現地に日本支社があって、近場だから遊びに来ている人の半々という印象でした。

毎回、なぜCESに来ているのとみんなに聞きましたが、
9割9分が最新のテクノロジーや流行を勉強するためといった形でした。

buyerみたいな海外製品を扱うために物色しに来ている人
も一定存在しましたが、圧倒的に情報収集層が多かったです。

プレゼンブースは常に満席

日本の展示会との違い

 日本の展示会は多くても数百の出展社数しかないですが、
圧倒的に出展社数の数とバリエーションが異なっていました。

そのため、日本であれば3割程度は明確に〇〇のツールを導入しにくるというモチベーションが多く、ターゲットさえしっかりと確保できれば獲得ROASが明確に合うと思います。

一方でCESは完全にバリエーションが多すぎて、
明確にこれを見に来たという人はほとんど皆無だったため、
まさに一期一会の商談の機会が生まれるといった形でした。

今回私の企業様はSaaS企業様でしたが、
SaaSともなると更に出展のパイは限られており、
会場内を歩いても両手で数えられるくらいしか出展していませんでした。

海外の会社でLPのトラッキングツールや、CHAT GPTラッパーサービス
など日本に似通ったサービスは一定存在しました。

GPT FAQシステム
ユニコーン!?
採用関連のAI

日本からだと、
株式会社RevComm様や
カーボンクレジットのアスエネ様などが出展していました。

また参加者に関しては1人33,000円が掛かってくるので、
一定のスクリーニングができていました。

大手のGAFAの社員や、現地の有名企業、ドバイの企業、日本でも大手外コンなどが殆どで、いわゆる日本の展示会に来るような一般人はいませんでした。

参加者が14万人と聞くと、
日本の展示会の3倍くらいかと思いますが、
実際はかなりハイレイヤーのみに絞った14万人
なので来場者の質の高さ、ITリテラシーの高さは別格だったと思います。

CESに出展社として参加するメリット

 主にメリットは3つあると感じました。

1:グローバルでのプロダクトのフィードバックを受けられること。
今回は海外向けに初めてリリースしたプロダクトを販売させていただきましたが、やはりユーザーのFBは日本の展示会と同じく最もリアルな声を獲得できました。来場者の方はかなりITリテラシーが高い層が多いため、実際に使ってみての感想や、懸念点などをその場で聞くことができました。個人的な感想としては日本のSaaSが世界で通用するのか?と懸念に思っていましたが、そういったことは全く関係なしに、1プロダクトとして皆さんがdemoを体験していただいていたので、SaaSプロダクトはグローバルで関係なしに勝負ができると感じました。また、海外ユーザーの積極性や、自らダウンロードをして実際に使ってみるね!という声などを聞き、日本人には無いような寛容さや、スピード感を肌で体感することができました。

2:出展企業同士のつながり
CESは国対抗戦というイメージがやはり会場では強く、展示会出展社同士が強いつながりを作ることができると感じました。特に海外をこれから攻めていこうという企業に関してはどういったマーケティング手法が刺さっているのかなど展示会以外の施策なども気軽に情報交換をすることができ、強い横のつながりができると感じました。また、CES開催の前後には各所でパーティーなどが開催されているようなのでそういった場所でも横の繋がりを作って、海外展開などの情報収集ができると感じました。

3:メディアに取り上げられること
CESには世界各国含めて数多くのメディアが参加します。グローバルで日本のスタートアップブースにインタビューに来る人は正直ほとんど居ませんでしたが、逆に日本メディアに関してはかなり多くの取材が来ました。日本メディアとしても日本企業が海外で奮闘している絵を撮りたい意図があります。通常ニュースに取り上げられることの無いようなプロダクトでも海外に行けば、そもそも60社しかいない会社の中で取り上げられるのは非常に確率が高いと感じました。

CESに参加する参加者として価値はあるのか

出展者としてではなく、参加者としてCESにいらっしゃっている方が日本人でもたくさんいらっしゃいました。

しかし、その多くはとりあえずCESに参加していることをステータスにしているような方が多く、特に目的もなく、日本ブースをウロウロしているような印象を受けました。訪問された目的を聞いても、会社が出展してて、無料で経費でラスベガスに来れるからとりあえず来た。報告レポートを作る必要があるから写真を撮りたいなど、あまり具体的にビジネスに繋げようという気持ちは感じませんでした。

正直、ほとんどが遊び半分というか、殆ど遊びで参加しているような印象を受けました。参加者として参加するのであれば、もちろん来場者と話すというモチベーションは強制的には起きないため、とりあえずなんか凄かった。という感想を持って帰国をされる方が殆どなのでは無いかと感じました。

また、出展企業に関してももちろん世界最先端とはいえ、正直かなりもの珍しいものは少なく、日本の展示会で東京ゲームショーや、モーターショーの方が十分興味深いものを見れる印象を受けました。

特にIT業界に精通している人はわざわざ行くまでもなく、半年もすれば家電量販店や、日本の展示会でも十分みれるような印象を受けました。

各国のCESの様子

日本ブースはグローバルな中でもかなり盛況な印象を受けました。
これは嬉しい発見といいますか、世界と比べても日本のプロダクトはかなり実用的で面白い印象を受けました。

海外に関してはとりあえずテクノロジーを使ってみました。のような実用とはかけ離れているような面白プロダクトも多いなか、日本のプロダクトは実際に自分の生活を良くするというような実態感がありました。

また日本ブース全体が何か面白そうなものがあるという雰囲気を感じさせ、他のエリアのブースよりも明らかに人の集まりが多いことを感じました。
これは私にとっても嬉しい発見でした。

今回出展エリアの中で、最も興味深かったのは韓国ブースでした。

韓国NO.1 ソウル大学


とにかく韓国ブースは大学の出展が多いだけではなく、圧倒的な出展面積を確保しておりました。ブース対応人数も圧倒的な密度を誇り、営業では日本ブースの目の前にも被さってくるような勢いを感じました。

CESでは、ゴリゴリの営業をしているブースが正直なく、みんなインバウンドで人が来るのを待っているようなブースが多かったです。そもそも人の密度が圧倒的だったために声をかける必要もない状況ではありましたが、日本の展示会に比べるとかなりもの静かな印象を受けました。

そんな中でも韓国ブースは圧倒的な引き寄せを誇っており、まじまじと国力の差を感じさせられました。韓国の出展されている方とお話ししたところ、彼らのCESのブース出展は、国や、VCがお金を出資しているそうで、国を挙げてこのCESという展示会にかけているそうです。国全体でスタートアップを生み出して、技術力で闘っていこうという勢いを側から見ても感じるほどでした。

昨今のLGや、samsungの飛躍は彼ら一人一人の情熱と
国全体の勢いから生まれているんだなと確信しました。

それ以外でいうと、アメリカに関してもアメリカ政府が出展しており、
スタートアップ企業をする方の相談に乗っていたりと、
国を挙げて挑んでいる様子が特に印象に残りました。

起業の相談をしているもよう。

日本ブースに関してもJETROさんのご支援によって圧倒的な映えスポットになっているのを感じましたが、グローバルで比較すると、やはり韓国とアメリカは別格な印象を受けました。

日本企業をお薦できるカテゴリー

正直、SaaSは今回出展してみてあまり相性が良くないと思いました。

理由はやはりメディア映えという観点です。
来場者の方は明確に、動くものや、目新しいものを求めてやってきます。
そんな中で、PC上のプロダクトだけを展示するというのは引きの観点では弱いと感じました。

やるにしても、SaaS+IOTのような形で、safieさんや、
議事録にしてもボイスレコーダー付きのものなど、
ハードウェアを絶対的に取り入れるべきと感じました。

日本ブースの他の出展者の方に聞いても、
その場で即日購買の話が進んだり、バイヤーの方と話が進んだりと、
明確にROASがあっているような話も聞きましたが、
正直ソフトウェア単体でROASを合わせに行くには
かなり工夫が必要だと感じました。

ソフトウェア出展でも目的が市場調査と、認知獲得、
日本メディアへの展開などをメインにするのであれば問題ないと思いますが、スタートアップ企業に関していうと日本の展示会に出展をしてまずは
トラクションを作るのに注力した方が良いと感じました。

CESに出展する際に最も気をつけるべきこと

>出展準備編

・ノベルティを配ろう。
今回チラシ、ティッシュにQRコードを埋め込んで配布をしましたが、
これはかなりヒキが良かったです。各社海外ということもあり、そこまでノベルティを配っている会社がなかったので、明確にリンクを入れ込んだノベルティを配るのは差別化につながると感じました。

・一目で分かるような看板を用意しよう。
またJETRO、JAPAN TECHブースで出るとなると、全体の統一感を重視するため日本のようにデザインを自社ブースごとに拘ることはできません。その中でも一言で明確に何のブースが分かるような看板は重要だと感じました。もちろん看板に関しても制約が多くあるので、そこはブース責任者の方と相談ですが、会社名だけでは何をやっている会社か分からないので、ハードウェアプロダクトと看板は必ず用意していくと認知されやすいと感じました。

>出展当日編
・英語を話せるアテンダーをアサインしよう。
社内に英語ペラペラ人材がいれば心配ないですが、CES専門の英語で派遣してくれる会社があるので、そこからアテンドしてもらった方が良いです。結局

・キャリーバッグはホテルに全て置いていこう。
CESはとにかくセキュリティが厳しいです。キャリーバッグはどこに行くにもとにかく嫌われます。

・HI !! と笑顔で話しかけよう。
日本の方よりもとにかくフランクな方が多く、とりあえず話しかけたらにこやかに話を聞いてくれます。ビジネスビジネスしていなく、ノリとしては文化祭に近かったです。スーツなんてご法度です。ラフな格好で望みましょう。

ラスベガスの素晴らしさ

正直CESに行った方は、観光目的が9割かと思いますが、
それでもラスベガスに行く価値は大きくあると感じました。

今話題のSphere

とにかく、これは異次元の体験でした。

世界最高峰の舞台シルク・ド・ソレイユ

これらの本場のショー。エンターテイメント。
正に、これだけでも非常にインスピレーション
を得れる素晴らしい体験でした。

会場のほとんどはCESに来た方が占めていたので、
結局はみんなCESに行くと言いつつ、
TRIPを楽しんでいたに違いありません。

総括

ーーー

・参加者:ほとんどは観光、遊び。
・出展者:ハードウェアは多いに出展価値あり。
     SaaSはかなり工夫が必要。
・ラスベガス:最高!!!!!
ーーー

セールスのタクミでは
普段はSaaS企業の日本展示会の
0⇨1の出展コンサルティングと代行をしております。

・出展展示会の選定から、
 ブースデザイン、ビジュアル作成、ポスター、チラシ作成
 当日の名刺交換、CRMの運用、追客電話まで全て
 弊社内で代行しております。

 平均アポ率35%の異次元の成果が出せますので、
 まずはお気軽にご相談くださいませ。
 → https://twitter.com/takumi_startup

持ち前の強運で旅費をペイしました。


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