【詩】鈍い臭いを覚えてる
ゲレンデで喧嘩をした
喧嘩というより、殴られた
頭とか腹とかを殴られたことはあったけど
顔を真正面からグーで殴られたのは初めてだった
斜面を後ろ向きにゴロゴロゴロゴロ転がり落ちて
どっちが上だか前だかよくわかんなくなって
ようやく雪に手を突いて、さっきまでいた場所を見上げる
正確にはここで気付く
あ、殴られたのか
で、落ちたのか
鼻の付け根にジンジンと鈍い感覚
勝ち誇ったあいつの顔ときたら
絶対殴り返してやる そこで待ってろ
って叫びたいんだけど
喉が勝手に嗚咽に変換してくれやがる
先生が仲裁に入ってきて
二人ともしょっぴかれて
あいつはまた調子のいいことばっか言って
僕の喉は相変わらず言うことを聞かず
でも今日は100%僕の勝ち
どんなことがあっても手を出したら負け
何度聞かされたことか
最後は味方になるパターンねって内心清々してたのに
あーそう、あーそう、そうですか
正確にはここで気付く
あ、それが大人ね
で、めでたしめでたし
鈍い臭い、覚えてるよ、今も
小学校最後の愉快な思い出
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これが始まりですね。覚えてるよ。なんちゃって😀
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