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#HALFTIMEアカデミー チケットセールスの極意

皆さまこんにちは。琢磨です。 タイトル講義に参加し、その備忘録と考えをまとめる。

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NBAミルウォーキーバックスのジェーダさん。新卒で入社後、チケットセールスでどのようなキャリアを積まれてきたかをとても具体的にご紹介いただきました。(ってことは新卒4年目ってことか!?凄い…)
良いチケットセラーに求められるスキルとは?
テレアポやコール営業で使えるスキルも多いので、何かを売ってる方は是非!


バックスの組織図

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オープンコンセプト。オフィスが開かれた空間になっており、いつでも社長と会うことができる。セールス、マーケティングなど垣根なくすぐに会える。

当たり前のように聞こえるかもしれませが、Jリーグのチームでは未だに縦割り社会って結構ある。風通しのよさは組織設計から生まれるなと。

チケットセールスのキャリアパス


チケットセール部門、最初はセールスアソシエイトから入り、その後は3つの部門へ分かれていく。

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①セールスアソシエイト

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セールスアソシエイト:いわゆる新卒。
・売り方のノウハウを学ぶ
・8万ドルの売上目標→フロリダのマイアミ行けるインセンティブがもらえる
(これめっちゃ良くないですか…)
・ToCがメインのお客様

ここから3つの方向性へ。

②アカウントエグゼグティブ

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・法人の客様がメインとなる部門
・目標金額は10万ドル
・チケットセールスから新たなビジネスへ展開することも

②グループアカウントエグゼグティブ

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・グループ=10名以上を招待する場合。主に、教会、企業、学校に対して販売。例えば学校教育の体験学習で数百名訪れることも。
・企業20名以上の場合はクラブラウンジを販売→空間自体を買うことができる。※パーティー空間へカスタマイズも可
提供価値は体験そのもの
例えば、ゴールネットを切りたいか、フリースローを投げたいか、フィールドに立ちたいか、等のオーダーに応えていく。

④アカウントサービスエグゼグティブ

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ジェーダさんが異動されたチーム。
メインミッションはシーズンチケットメンバーの囲い込み。
・目標:20万ドル売る
・92%の維持がゴール(現在88%まで来ていると、頑張れ~!!)
・なんと、420ものアカウントを抱えている。
・新規販売もやっている。会員へのアップセルや紹介してもらえないかを提案。
・バスケだけでなくディズニーオンアイスやコンサートとクロスセル提案も。
・シーズンチケットホルダーだった方がスポンサーになってくれることも

さらにプレミアムチームが別に存在。
アリーナ建設のタイミングで、VIPエリアを売る部隊。サービス設計、販売全てを担う。
沖縄アリーナがそうですが、日本でもVIP設計を前提で考えられるアリーナが増えて欲しい。本当はサッカーもホスピタリティー周りを着手したいですがハード面の課題が…泣

どうすれば良い販売員になれるのか?

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ジェーダさんの経験からアドバイス。若手のきみは印刷してトイレに張っておこう!

・Noはパイプラインを築くためのスタート!すぐに諦めるな!わめくな!
・共感力を持て!常にお客様目線!
・目標へコミットせよ!調子が悪い時も前向きに!
・強い決意をもって取り組め!甘えるな!
・人に好かれろ!お客様からの信頼あるのみ!


よくあるミス…

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・話過ぎてしまう→お客様に傾聴せよ!
・お客様が欲しいものを見抜け!知らない状況で情報を与えすぎるな!
・サインを読み違いない。焦るな、まだ買う準備ができてない。
「安いですよ!」ではなく、体験価値や顧客メリットにフォーカスせよ。自分の実体験を売れ。

ジェーダさんも新卒時代はうまくいかず、売上も下位に沈み悩んだようだ。
※ちなみにバックスは売上がフロアに張り出される、人によってはブラック企業だ。ジェーダさん達は楽しんでいるようだが。

反省ポイントとして、売り方がロボットのようだった。なので自分の性格をむき出しにしてお客様に自分自身をわかってもらうように変えた。そうするとおのずと結果が出るようになったと。

ジェーダさんはオンラインでもポジティブなオーラを発せられるいわゆるネアカだと感じた。「人に好かれやすそう」な印象はメインウェポンになりえる。


コールセールの極意

スポンサー営業でテレアポを行っている方は参考に!

▽電話する時にどうする?
・背骨を正して笑顔で電話をすべき(電話口でも笑顔が伝わる)
・テンション高く前のめりで行かないとダメ
・礼儀正しく!お客様は神様!課題が出されたらソリューションをピンポイントに!
・5w1hでの自由回答式の質問をする。
→先方に話し続けてもらうことでセールスクロージングのヒントを得る
「その体験がなぜ良かった?普段どこに座る?アリーナのどこが好きか?」
自由回答の質問を駆使して相手にストーリーテリングをしてもらおう。

ただ、毎回そんなには話してくれない。
その場合はYes or Noの選択式で答えられるように質問をする。

・共通点を見つけて自分の体験を伝える。
→例えば、
客:「オハイオに引っ越してきた」
ジェーダ:「オハイオですか!私もです!どちらでしょうか?」
客:「クリーブランド」
ジェーダ:「私の家族が住んでます!ミルウォーキーのどこが好きですか?」

・チケットセールスプロセスで使いたいワード
「今年は何ゲーム来れましたか?」
「どの席座る?近い席?」
「どなたと来ましたか?」※アップセルのヒントに
「上司と来ました」→「会社はどちらですか?」
「ゲームで何が一番楽しかった?」
「今日買ってくれたら~~選手のサイン入りグッズをつけます!」
BUY NOW!と呼ばれる必殺技のようです。

断れた時の対処法

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「セカンダリーマーケットの方が安くない?」
→確かに1回の試合の支払額となると安い。ただ、フルシーズンだと毎回価格が一緒。レイカーズ戦、単品だと300$になるよ?シーズンパスなら最低55$で見られるよ?と提案。(ってかレイカーズ戦、高っwww)

私はヤフー新卒時代、リスティング広告をコールセンター経由で売り毎日件数を追わされるブラック企業部門に所属していた。その現場で、リジェクト対応に優れている人材がトップセールスマンだった。
「確かに…でもね」の切り替えしが秀逸。セールス手法を各メンバーに「パクるように!」とリバトル集(切り替えテクニック)をまとめたのを昨日のことのように思い出す。二度と戻りたくない現場である。


質疑応答コーナー

質問:「420ものクライアントをどうマネジメントしているのか?」
新規顧客は全員電話している。長く関係値を築けている方はemailを24時間以内に返信するようにしている。

質問:「420クライアントすべて対面?」
→正直全員に会うことが難しい。ただ対面で会ってくれた方の方がリピート率が高い。シーズンチケットホルダーイベントがあった時にお会いする。「ハッピーアワーのタイミングでここにいるよ!」と伝えて会いに来てもらう。


質問:「お客様のロイヤリティは何をもって判断している?」
チケットホルダー全員のデータを持っている(CRM)全ての会話歴、提案情報がすべて格納されている。セルシートというのもあり、顧客の使用金額がランキングで表示されるようになっている。

このあたりのデータ管理はさすがである。


質問:「シーチケホルダー来場当日の単価を上げるためにどうしているか?」
マーケティングプロモをやっている。例えばコロナ禍で無観客だった時に「NEWジャージできたからグッズショップ来てね!」と伝える。
※シーチケホルダーは全品10%オフ。プロショップ/飲食でも使える。

またインシートフードオプションを強化している。
→スマホを使えば注文を自分のスマホでして取りに行くだけ。
今後客単価の向上はより利便性を追求することが求められる。


「質問:ダイナミックプライシングのメリデメは?」
シーチケホルダーの良さはダイナミックプライシングではないこと。
※単品ならレイカーズとの対戦がめちゃ高くなる。300$…
また「このタイミングでダイナミックプライシングに切り替わるよ」と前売り販売を行うこともある。
マイナス面は高くなりすぎてしまうこと。


質問:「来場頻度とフルシーズンパス購入は相関関係がある?
3~5試合見に来る方がシーズンホルダーになる可能性は10%程度。
その場合、10試合パックやシーズンハーフチケットを案内する。
シーチケを買ってくれる可能性が一番高いのが10~15試合を観に来るお客さん→40~50%。


質問:「チケットホルダーを獲得するための投資はどうしているか?」
チケットホルダーを獲得するために必ずしも投資はしない。プロスペクティングに投資は必要ない。ツールを活用して新規獲得の確率を表示できるものがある。※これは個人的に気になったのですが、CRMデータ等を活用してAI分析によりデータ抽出できるようなものがあるのかしら?便利です。

最後に

チケット販売とはなんだろう。講義を通しての学びは体験を売ること。ついついあと何枚売らなきゃと数の話になりがちだが、チケットを売ることがゴールではなく、来場者に心揺さぶる体験を提供することがゴールであるべき。

よく「スポーツチームのライバルはディズニーランド」と目にするが、本気で超えたいと思ってるのであれば相当な努力が必要だ。

究極は観戦翌日の朝にロスを起こせるかどうか。最近自身に課している新たなミッション。ロスを起こせる体験とは。試合の結果に関わらず、そんな現場作りにコミットしていきたい。


過去講義録も是非ご参考に!


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