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たましいの真実

もぬけのから

今週は、河合隼雄の『心の処方箋』『河合隼雄 物語とたましい』などを読んでいます。河合隼雄を読み解く鍵語となってくるのが、この「物語」という言葉、そして、「たましい」という言葉ではないでしょうか。心理学者なのになぜ「たましい」? と思う人もいまだにいるかもしれません。前にも書きましたが、元々psychologyはギリシャ語の霊魂や心を意味するプシ(psyche)からきているのですが、なぜか「たましい」という言葉を使うと、「?」になってしまう。心理学を一つの学問とするにあたって、心というものを科学的に説明しようとした時に、この「たましい」とはなんぞや? というところにいつも行き当たってしまう。だから、一旦それは避けておいて、心というものについてだけ考えてみよう。勝手ながらそんなイメージを持ってしまいます。そして、いつの間にか、「たましい」というものが、タブーのようになってしまった。
日本人にとっては、これほどまで近しく、親しまれていた「たましい」というものがなくなってしまった。それは、「もぬけのから」という言葉があるように、まさに魂が抜けてしまった状態。アニメや漫画なんかでも、魂の抜けた状態を表現している絵はたくさんありますよね。でも、どうしてああいう絵になるのでしょうか。なんとなく人は、それを知っている。なぜだかそれを識っている。不思議なものです。それくらい僕たちの身近にあるというか、そもそも、切り離すことのできない魂というもの。そういうものの重要性を再度、心理学という魂を切り離してしまった学問から再度復活させようとしたことは、とても大きな意義があるのではないかと思うのです。

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