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中学受験って本当にやる価値がある?受験の全くない国に在住する元大手進学塾TOPクラス担当講師が、30年の受験指導を通して辿り着いた「答え」とは

こんにちは。
元大手進学塾トップクラス担当講師で、現在はニュージーランド在住の受験&国際教育コンサルタントのTakuです。

あなたは中学受験に疑問を持ったことはないですか?

最近中学受験をする人がすごく増えていて、
自分の周りにも受験する子がいると聞くけど、
受験をさせようかどうしても踏ん切りがつかない。

多額のお金と労力を注ぎ込んでまで挑む価値が、
中学受験には本当にあるのか分からない。

中高一貫校に行った方が良い環境を得られるというけど、
大変な思いをさせてまで本当に生かせる価値があるの?

もし今あなたがそんな不安や悩みを抱えているなら、
今日の記事はきっとあなた自身の答えを出すために、
きっと役に立つと思うので最後までお読み下さい。

中学受験はコスパがあまり良くない

中学受験には多額のお金、
そしてたくさんの時間や労力が必要です。

特に中学受験に向いていない子にとっては、
かなりの投資が必要だと覚悟しましょう。

生半可な気持ちで始めると、
親子で大火傷を負うことも十分あり得ます。

なぜなら中学受験で投資した分を、
リターンで得られる人はごくわずか
だからです。

もちろん無限にお金がある人は、
数百万円程度の損失は痛くも痒くもないでしょう。

かつて指導した生徒の中に、
驚くほどの資産家の子供がいましたが、
家事は全てメイド、勉強は家庭教師にお任せでした。

それでも「楽にできれば安いもの」と、
笑いながらおっしゃっていたので、
彼らにとっては本当に安い投資なのでしょう。

しかし、多くの人にとって、
中学受験につぎ込むお金は決して、
小額とはみなさないはずです。

お金をつぎ込むだけでなく、
親自身が学習のサポートから家事、
果てはメンタルサポートまでしなければいけない。

それは経験した人にしかわからない、
とても重い負担を強いられる仕事なのです。

にもかかわらず一体何人の生徒が、
希望した学校に入れるのでしょうか。

大部分の生徒は志望校に届かず、
妥協しながら学校を選ぶことになります。

でもそれはそこまでに費やした投資に、
本当に見合ったリターンと言えるでしょうか。

これまでお話を伺ってきた多くの保護者の方は、
この問いに「NO」とお答えになりました。

正直、受験を担当する私から見ても、
その答えは妥当なものだと思います。

得るものより失うものの方が多い

多くの受験生にとっても、
中学受験はとても重い負担です。

精神的にも肉体的にもすり減り、
ギリギリの状態で戦い続ける必要があります。

多くの子供たちは自分の大好きなことを我慢し、
あるいはあきらめながら勉強します。

正直言ってほとんどの子供たちは、
受験勉強を楽しんではいません。

ただ合格する、それだけのために、
好きでもない学習を我慢しながら、
毎日毎日取り組んでいるのです。

その間ずっと、自分の好きなことはお預け。

合格して良い学校に行くためだけに、
大切な今を犠牲にしながら学習し続ける。

そんな修行にも似た過酷な戦いの挙句、
望んでいた志望校の合格を勝ち取れるのは、
ごくわずかと言う理不尽な戦い。

この中学受験を通して子供たちは、
確かに学習習慣を身に付けるかもしれない。

将来の大学一般入試に必要な、
基礎学力も習得できるかもしれない。

でもそれと引き換えに子供たちは、
かけがえのない子供時代の数年間を、
棒に振りながら学習に向き合う必要がある。

その志望校に届かなければ、
自己肯定感を見失うリスクもある。

それどころか長く苦しい戦いの中で、
自分の無力さを痛いほど思い知らされ、
自己否定に走ってしまう可能性だってある。

こう考えると中学受験とは多くの子にとって、
手に入れるものに比べて失うものが、
大きくなりすぎてしまう選択ではないか
と思います。

時代にあったスキルを育てにくい

先ほども軽く触れましたが、
中学受験で身に付けられるスキルは、
従来型学力に限定されがちです。

あらかじめ用意された1つの正解に向かって、
いかに早く効率的にたどり着けるかを、
徹底的に鍛えていく戦い。

そこには自分独自の発想力や、
豊かで自由な想像力などは問われない。

でも、今まさに世界が求めているのは、
このような未来型のスキルばかり。

中学受験のために塾で学習している子より、
自分の好きなことに熱中しているこの方が、
こうした未来型スキルははるかに育てやすい。

このような観点から考えても、
習い事を諦めてまで受験に挑む事は、
あまり大きな価値を見出せないのは私だけでしょうか。

新しい大学入試にマッチしにくい

こちらも以前お話ししましたが、
現在日本の大学入試制度も一般選抜中心から、
推薦選抜中心に変化しています。

特に推薦入試の中の総合型選抜では、
自分の好きや得意が明確な子に有利になり、
従来型の学力では対抗できません。

このような推薦入試の拡大と言う現状を踏まえても、
小学校の最後の数年間を、
受験だけのために過ごすのは得策とは言えません。

もちろん好きなことを十分やりつつも、
中学受験のための学習を同時にできる子なら、
何の問題もないでしょう。

しかし実際にそんなことができる生徒は、
一体何人いることでしょうか?

ほとんどの生徒は自分の好きなことをする時間や、
習い事の時間を全て諦めて、
塾の勉強だけに集中せざるを得なくなります。

そのおかげで自分の好きなことを忘れたり、
情熱を失ってしまうことも少なくないことを、
私は30年の指導の中で嫌という程を見てきました。

この観点から考えても、やはり、
多くの子供たちにとって中学受験と言う選択は、
決してベストとは言い難いと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか。

30年にわたって中学受験を指導してきた私からは、
多くの子供たちにとって中学受験と言う選択には、
メリットよりもデメリットの方が多いような気がします。

もちろん中学受験を生業にしている、
塾や家庭教師の多くは私のこの意見を否定されるでしょう。

もちろん様々な意見があっていいと思うので、
私のこの意見が正解とは思っていません。

ただ少なくても私自身は、
中学受験の仕事が完全になくなったとしても、
多くの子供にとってより幸せな選択ができるよう、
自分の意見をこれからも発信していきたいと思っています。

親としてまず何よりも考えるべきは、
子供がどうやったら幸せになるかです。

中学受験の合格そのものは、
子供の幸せには何の関係もありません。

中学受験の選択を検討するなら、
その選択があなたのお子さんにとって、
本当に必須なものなのかをまず考えてください。

そして多くのリスクを犯してもなお、
選択する価値のあるものなのかどうかについて、
じっくりと時間をかけて、どうしてみてください。

中学受験で不幸になる子供が、
1人でも減ることを心から祈っています。

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