【敗者のゲーム】資産運用の"目的"を再確認する
オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆
全米で100万部を超える資産運用の代表的な著作、である。
株式投資に興味を持ち始めてから約9ヶ月ほど経ち、様々な株式投資に関する著作を読んできたけど、この本は自分の投資を見直す強い影響を与えそうな一冊になりそうだ。
〜「敗者のゲーム」とは?〜
著者は、個人投資家の株式投資をテニスのゲームに例えている。
プロのテニスプレーヤー同士の対戦は、テクニックを駆使して得点を取りに行く。
しかし、アマチュアのテニスプレーヤー同士の対戦では、主に相手のミスによる得点がほとんどとなり、ミスが少ない者が勝者となる。
しかし、株式投資の世界では、同じフィールドにプロの機関投資家とアマチュアの個人投資家が争っている。
そんな中でアマチュア個人投資家がプロの機関投資家のミスに気づき、手を打つ事など可能なのか?
そこに著者の問題提起の中枢がある。
〜ほとんどの個人投資家は市場に勝てない〜
著者は、アマチュア個人投資家が市場に勝とうとするのは無意味である、と結論づけている。
そもそも、市場というものはプロの機関投資家が作り上げているものだ。
資力も情報力も圧倒的にアマチュア個人投資家よりも優れているプロの機関投資家が、市場を動かしているという事実は否定できない。
プロのファンドマネージャーですら勝率が平均以下であるにも関わらず、アマチュア個人投資家が市場を出し抜いて勝つというのは、あまりにも無意味で無謀だ。
では、アマチュア個人投資家はどのように市場に立ち向かえば良いのか?
著者が強く勧めているのが、市場と伴い変動していくインデックス投資である。
結局のところ、長期的に見れば平均値に回帰する市場の変動に寄与するインデックス投資が地味ではあるが、確率的に利益を出す可能性のあるものなのである。
〜長期的な自分の目標を立てる〜
さて、僕はなぜ株式投資を始めたのか?
この本を読んでその考えをもう一度整理する事が出来た。
株式投資を始めたのは、将来の資産を増やすためだ。
そのためには、何倍株を必死に探し投資したり、アクティブ運用を行うことは、博打に等しく、資産を増やすという目的にそぐわない。
地味ではあるが確実に資産を増やす、そういった長期的な視点で自分の資産運用を見直すきっかけとなった。
資産運用のための株式投資だが、株式投資をギャンブルにしてしまえば、その目的を見失ってしまう。
この本を読めば、今一度、冷静に自分の目標を再確認する事が出来るだろう。
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