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【キリン あなたの知らないこの世の闇大全】ほどよい距離感でエンタメとして闇を楽しむ

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜考察系YouTuber・キリン〜

僕がこれまでにnoteで書評を書いてきた本とはかなり毛色の違う本である(笑)
なぜこの本を読んだかというと、僕はこの本の著者である「考察系YouTuber キリン」さんのファンなのである。

「キリン」のYouTubeチャンネルは、主にオカルトや都市伝説などをテーマとした解説動画をアップしているチャンネルだ。
もともと、ホラー映画や小説が好きな僕は、そのようなオカルトや都市伝説などの類も好きなのだ。
内容もさることながら、解説する「キリン」さんの軽妙な語り口がクセになっている。テレビでやるようなおどろおどろしい語り方ではないので気軽に楽しめる。正直、動画内では中学生ばりの下ネタが頻発するので、合わない人には合わないかもしれないが、ハマる人はハマるだろう(笑)。

〜エンタメとして"闇"と距離感を保つスタンス〜

僕が「キリン」さんを好きであるもう一つの理由は、ふざけながら話す様子から、「キリン」さん自身がオカルトや都市伝説をあくまで"エンタメ"として楽しんでいるのだろうなと感じるところだ。
本の中でもその感じが伝わってくる。

実際、本の中で「キリン」さんはこのように述べてる。

僕はみなさんを闇の世界に引き込もうとしているわけではありません。エンタメとして、ほどよい距離感で、僕の闇動画を思いっきり楽しんでもらいながら、その人の抱える闇をほんの少しだけ軽くできる動画を、これからも作っていきたいと思っています。
つまり僕は、隠れてドキドキしながら見るような、そんなエロ本になりたい。

この世の中のオカルトや都市伝説はのめり込むのではなく、好奇心をくすぐるような楽しいものである、という「キリン」さんのスタンスが僕は好きなのだ。

〜"闇"に飲み込まれてはいけない〜

そして、僕もオカルトや都市伝説というものに対しては「キリン」さんと同じスタンスである。

しかしながら、世の中にはこういったオカルトや都市伝説にのめり込みすぎて、非現実な陰謀論や悪質な宗教なんかにハマってしまう人がいる。
実際、僕の知り合いにも何人かそういう人がいて、申し訳ないがそういう人たちとは付き合いをやめている。この世界の裏の顔、なんてものを信じる事は個人の勝手だが、それを他人に押し付けてその人の生活まで影響を与えるようになってしまうと、もはやこちらは付き合い切れなくなる。さらにそれが当人にとっては善意であるというのも厄介な話だ。

陰謀論や都市伝説が好奇心をくすぐるのはわかる。そういったものは無い、と証明出来るものなど僕には無い(そもそも、「無い」事を証明する事自体不可能な話だが)し、実際にあり得るかもしれない可能性は否定出来ない。
しかし、自分の周りの人の事や自分の状況を俯瞰的に客観的に見る事が出来れば、そういった類の話に他人まで巻き込んでしまうのはバカバカしいと思うはずだ。

噂は噂。オカルトはオカルト。都市伝説は都市伝説。
そう割り切って、自分の生活を大事にしていれば、適度な距離感でそういった類の話を楽しんで聞けるはずだ。

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