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#6 謝る代わりに「ありがとう」

第4回テーマでは、言葉について取り上げたいと思います。
具体的には、「謝罪」を「感謝」に言い換えようっていうお話です。

はじめにイラストをどーーん。

画像1

不慣れな私が作った画像ですいません。

・・・

↑今回のお話の一例は、ズバリこの一言なんです!
何のこと?と思った方は特に、次から始まる本文を読んで頂きたいです。
では、お話始まります。


はじめに

何かしてもらった時、「すいません」と言ってしまうことはないだろうか。
また、ふいに謝られると、逆に気を遣ってしまうことはないだろうか。

私が謝罪と感謝について考え始めたのは、数年前に何かの広告を見た時からである。会社名も具体的な言葉も覚えていないが、「謝罪の代わりに感謝を」というメッセージであった。
目にした瞬間、私は猛烈に共感した。思い当たる節がいくつもあって、ちょっとというか、だいぶ感動した。それ以来、この考えを意識し続けている。


私は「謝罪の代わりに感謝を」と指摘すべき場面には、2種類あると考えている。

1.本当は感謝すべきだが、つい謝罪してしまう

1つ目のケースがこれである。最近、実際にこの状況を経験をしたのでそれを例に話していこう。

朝、駅のホームから改札へ向かう階段での出来事だ。
私の斜め前を歩いていた人が、何かを落とした。音がしたので本人も気付いていたが、私も立ち止まって探してみた。すると、キョロキョロするその人の足元に、何か小さなものが落ちているのを発見。私は指をさして、「そこに」と一言発した。
もう推測できると思うが、この時に私が言われたのが、「すいません!」である。やはり、違和感が残った。

この例で私は言われる側のため言いにくいのだが、ここは正直に言おう。
要は、「ありがとう」と言って欲しかったのだ。いや、別に感謝を求めていたということではないのだが、「すいません」よりは「ありがとう」の方が、気持ちよく、違和感なくその場を去れていたかもしれないと思うのである。

では何故あの人は謝ったのだろうか。
それは謙虚さからくる申し訳なさの表れではないだろうか。

そこまで意識していたわけではなく無意識のうちに、迷惑をかけてしまった、手伝わせてしまったといった申し訳なさを覚えたのかもしれない。
そしてこのことは、この例に限らず起こり得ることだと思う。
何かを手伝ってもらった時に、相手の手を煩わせてしまったと感じることは当然のことであり、その気持ちがあるから「お願い」するのである。逆に何も感じないのであれば、相手を道具のように扱っている可能性も出てくる。
よって、謝りたい気持ちは十分理解できるのだ。

しかし、本当に謝罪は適しているのだろうか
謝罪された側の立場に立って考えてみてほしい。手伝いをするというのは大抵の場合、最初から感謝されることを想定しているわけではなく、困っているから助けようというスタンスで行われるだろう。だがあくまで、時間がもったいないけど手伝ってあげようとか、手間がかかるけど手伝うか、などと思う人は少ない。そう考えれば、手伝った後に「すいません」と言われて違和感を感じるのは当然である。謝られるのは想定外なのだ。


つまり、手伝う側が考慮していない「煩わしさ」を手伝ってもらう側が意識しすぎているために、ついつい謝ってしまい、違和感に繋がるのである。それは時に、謝られると困るといった困惑に繋がり、逆に手伝った側に気を遣わせることにもなりかねない。

だから、ありがとうと言い換えようということである。感謝を求めているわけではないと先ほど書いたが、感謝されて困ることはめったにない。あるとしたら、照れてしまうことだけだ。(笑)
そして、困らないだけではない。むしろ良い気持ちになる。
嬉しくなり、良いことをした気も生まれ、自己肯定感アップにも繋がるかもしれないという、いいこと尽くしなのである。



2.どちらでもよいが、感謝の言葉の方がより良い

次に、1つ目とかなり似ているが微妙に違う2つ目のケースを紹介する。
これが、冒頭で示した文が一例となるケースだ。

結論から言えば、「不慣れな私が作った画像ですいません。」から、「不慣れな私が作った画像ですが、見てくれてありがとうございます。」と言い換えるのである。

1つ目のケースと全く同じなのは、発言者の「煩わしさを意識した申し訳なさ」が謝罪の理由にあることだ。一方で異なるのは、謝罪でも間違っているわけではないことである。

このケースでは、謝罪でもよい。謝罪された側はそれをすんなり承諾・許容でき、それができない場合は拒絶することもできるといったように、先ほどのような違和感を感じない、自由な対応がとれる。

よってここでの感謝への言い換えは、より心地良い関係を築くために行われることなのである。その理由は先ほどと一緒である。感謝してもらうと、人は良い気分になり、幸せに感じる。
上の「不慣れな私が・・・」の例でも、謝られるより感謝された方が、気持ちがほっこりするのではないだろうか。少なくとも私は、「ありがとう」であったほうが気持ちよくその後の文章を読めると感じた。

また今回のケースでは、発言者の気持ちの良さにも影響する。上の例で謝罪を選べば、「不慣れな自分の作った画像は下手で、他の人が嫌な思いをするかも」とネガティブな感情が残るかもしれない。一方で感謝を選べば、読み手に対して申し訳なさではなくありがたみを感じることができ、自分のことも否定的に考えすぎず肯定できるようになる

つまり、どちらも選択可能なケースでは、感謝を伝えたほうが、発言する側と受け取る側の双方の感情に対してポジティブな効果がもたらされるのだ。


まとめ

さて、いよいよまとめである。
言葉での総括と一緒に、最初のイラストを再び提示してまとめとしよう。

画像2

◎謝る代わりに「ありがとう」を伝えよう!
●「謝罪」すると
 ・相手が違和感を感じたり困惑したりするかも
 ・自分のことをネガティブに考えすぎてしまうかも
●「感謝」すると
・相手を良い気持ちにさせることができる
 ・自分のことをポジティブに考えられるようになる
➡謝罪を感謝に換えることは、お互いにメリットがたくさん!


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ここまで読んで頂き、ありがとうございました。いかがだったでしょうか。
1つ目の駅の体験をした時に書こうと思ったのですが、もっとサクッと書けると予想していました。なので、読者の方も思ってたより説明が長いと感じた人もいるかもしれません。それでも、読んでくれてありがとう!

noteには毎日たくさんの記事が投稿され、どれもその人の個性が出ていて面白いなあと思いながら眺めています。その中でこの記事を見つけて読んで頂いたというのは、本当に感謝しかありません。

このお話を読んでくれた皆さんが、少しずつでも「謝る代わりに『ありがとう』」を実践してくれたら嬉しいです。🐙

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