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🐝[みなしごハッシの大冒険]第3話「悲しき対決」友達だから”してくれ”じゃなく”してあげたい”と思えるのが友達

”移動販売”と”テキヤ”(露店)

”テキヤ”と”暴力団”

違いというか、境界って曖昧ですよね
今じゃ”半グレ”なんてのもある
キツク取り締まれば取り締まる程、潜り、薄く、曖昧に
そして、その危なさは解りにくくなる

自分もかなり前からその境界というのか、間(ハザマ)で苦しみ
その状況は、多少和らいではいるものの。無くなる事はない

移動販売を始めた頃、営業廻りに行けば

『テキヤ(ヤクザ)は帰れ!』と言われ

出店中には、逆に

『お前は何処に面倒見て貰ってるんだっ』
『今から事務所に電話するから出ろ!』
『あんたちゃんと許可取ってんのぉ?』

と、出店する先々で絡まれ、脅され
車やガレージ、家にまで被害がありました
警察にも何度も行ったのですが、解決とはほど遠い対応

この仕事って思っていた以上に見えない苦労が多く
偏見とも闘わないといけないのか、そう感じました

カタチは違いますが
一時期、在日韓国人や朝鮮人の知り合いが多く
その方達も、日本では差別を受け
本国の韓国人や朝鮮人からも差別を受け、自分はどっちの人間なんだ?
と、かなり大変な思いをしていましたね
こちらの方が簡単に解決できない、難しい問題です

暴力団(と思われる)方とのトラブルは、以前業界紙にも記事を書いた事があり
そのタイミングで、この地域の業界始まって以来の大きな動きがあり
その件に大きく関わっている団体を立ち上げた弁護士さんと直接会い
情報交換をしたり
愛知県警察本部公安員会に直接詳細を聞いたりと、少しずつ情報を集めている最中なので、いずれまとめて書くつもりです

こうやって書くと、自分とその業界は対立構造のように見えてしまいますが
そこがなかなか難しい所で

自分の住んでいる所は地方都市
そして、その地域の中でもかなりの田舎
狭く深く、独特のコミュニティを持った場所で
正しい・正しくない、常識・非常識、とは違う
独特な風習というのかルールみたいなモノがあり
横溝正史の書く小説の舞台とまで言うと流石に大袈裟ですが
親を早くに亡くし、子供の頃から一家の代表(当然カタチだけですが)として様々な行事に参加し
葬式は殆ど毎月、多い時は週に3日拘束。当然喪服は2着ないと無理
お祭りに出ていた年なんかは、祭りの準備・町内でおこる多くの葬式
そして親族の冠婚葬祭、自分の友人の冠婚葬祭
田植えや稲刈り、山の草刈りや墓掃除、正月やお盆はお寺への挨拶
全てを1人で出ていた訳ではありませんが、年間の約3分の1は何かしらの行事があり
町内の行事に参加する度に感じる、独特の一体感というか不思議な雰囲気、違和感をいつも感じ
山本七平氏の「空気の研究」を読んだ時には、すぐに田舎を思い出しました
そもそも、町の行事に参加している殆どが高齢者
自分の二世代上の方々。当然、自分が最年少
方言も独特で、考え方や思想、価値観も違うので、よくよく考えれば当たり前の事なんですが

そんな独特(昔から居る人には普通)の田舎に居て
不良も真面目も関係無く、ともに狭いコミュニティで育ってきているので
地元で自分を脅し、様々な嫌がらせをしてきている人の関係者には知り合いも居て
昔自分が作ったバイクの倶楽部のメンバーの一人は
その後、日本最大規模の組織で名古屋に本部のある所でお世話になっていて
組織を辞めた後、突然お店に挨拶に来てくれ
『もう昔の繋がりとは縁を切ったのか』
『罪は償ったのか』
『ちゃんと反省してるのか』と聞き、いい返事を貰ったのですが
やはり付き合いを復活する事はできませんでした
映画[すばらしき世界]で
役所広司が演じる男が社会というか人に馴染めず苦労し
周りもまた巻き込まれていく姿が映し出されていましたが

彼が地元から突然姿を消した時も
多くの知り合いが自分に聞きに来て、中にはお金を貸したままだって人も
ある組織の先輩からもいろいろと聞かれ
自分の全く知らない事でしたが、しばらくはその尻ぬぐいに奔走
人と付き合うという事は、自分に”余裕”なければいけません
”気持ち”の余裕だったり”時間”の余裕。時には”お金”の余裕も

ずっと連絡も取らず、所在も解らないままだったのが
突然お店に現れ、凄く久しぶりに再会
嬉しい反面。いろんな思いがあり、自分は少し素気ない態度をしていたので
すると彼から

『友達じゃん!』って言われました

そう思っていたなら
今まで何度も何度も日頃の行いを注意し
散々約束も破り、周りに迷惑を掛け。お金を借りたまた失踪
友達なら、自分の言う事に少しは耳を傾てくれれば良かった

小学校から20代まで、地元で唯一継続して付き合いがあり
高校生の時には、彼が問題をおこし謹慎になると連絡がきて
その時は自分も学校をサボり、彼の家でずっと麻雀をしてました
物凄く仲がいいって訳じゃないけど、腐れ縁みたいなモノで
一時期は家族ぐるみのような付き合いをしていたんだけど
今の自分の状況もあり、彼ならきっと解ってくれると思い
ちょっと冷たく突き放してしまいました。

あと、やっぱり昔の自分に戻っていまいそうで怖った
この気持ちは大きい
今、昔の友人と一切付き合わない事の一番理由
ホント弱い人間なんで
〇〇とは付き合うけど○○とは付き合わない
そんな身勝手で中途半端な事をするぐらいな
どうせ身勝手なんだから、潔さが必要!


麻雀といえば、自分は中学になってからハマり出し
ずっと溜まって麻雀をしていた住宅があり
その仲間の1人。中学の後輩でもある、その家族がテキヤさん一家で
その繋がりもあって、周りの仲間は学生の頃からテキヤのお手伝いをしていて
その関係者の家へ行くと、背中一面に綺麗な柄の入った方が居て
桜の季節・七夕祭り・夏祭りにはよく遊びに行き
ちょっとお手伝いをしたり、お小遣いを貰ったりしていました

その後輩は、行く所がない時にはウチでしばらく預かったり
施設から出てきたらお金を貸したり、足に困ってたらバイクを貸したりと
ある時には、彼が事件をおこしてしまい、全く関係のない自分が警察に呼ばれいきなり警察の方に吹っ飛ばされた事も(未だに理解不能)

いろいろありましたが、本当に可愛い後輩で
定期的に連絡をくれていたのですが、偶然共通の知り合いに会った時
彼が自動車事故で亡くなっていると聞きました
今まで家族も沢山亡くなり、多くの友人も亡くしていますが
後輩が亡くなった事はとてもショックで、今まで感じた事のない感覚に襲われました

今現在、自分の知っている方がどれだけ向こう側に居るのか解りませんが
自分としては、全ての知り合いが”反社”と言われる事もなく
そして、そのような方々とは一定の距離を取れるような生き方をしてくれる事が理想です

ですが、やはり田舎に住んでいる限り人付き合いは単純ではなく
いろんな点と点が複雑に絡み合い、白と黒で綺麗に分ける事も難しい
だからこそ、その関係者、もしくはその関係者と繋がりのありそうな方とも距離をおこう、極力繋がらないようにしようって事もあり
今は誰とも連絡を取らないようにしています

人との繋がりは大切にするべきだとは思います
縁というのは本当に大事です
ですが、自分は凄く弱く不安定
そして、過去にあれだけ環境に流されてしまった事実もあり
反省をする意味でも、極力1人で生きていこうと決めました

たまに、1人で生きている人は”強い”と思っている方が居ますが
自分の場合は真逆
”弱い”からこそ、1人なんです
”弱い”と自覚しているからこそ、”強くなろう”と思うんです
本当に強い人って”強い”という事には結構無自覚だったしますよね

あと真逆に思ってしまう事をもう一つ
凄く”明るい人”って居ますよね
いつも周りも積極的に盛り上げたり、和の中心で楽しめる人
自分はそんな人を見ると”暗い人”に見えてしまうんです
解る人には解ると思うので、深くは書きませんが

人は見た目じゃないって言いますが
自分の事だってちゃんと解っていないのに
他人が見た目で解る訳ないですよね。

次回

🐝[みなしごハッシの大冒険]第4話「サムライアリの襲撃」配慮をし過ぎる事が、新たな差別を生む事に|たこハシロウ【日本で一番長く深く移動販売を愛する男】 (note.com)

前回

🐝[みなしごハッシの大冒険]第2話「行け行けハッシ」不幸と思えているのはまだ幸せな証拠     |たこハシロウ【日本で一番長く深く移動販売を愛する男】 (note.com)




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