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「自分には才能がない」と思っている全ての人へ。【あなたの「天才」の見つけ方】


「自分には才能がない」と落ち込むことはありませんか?
(僕はカラオケでマイクを持つ度に経験している)


それはあなたの遺伝ではなく環境のせいだ!と言ったらどう思います?


歌が上手い人、運動神経が優れている人、勉強ができる人たちをみて、「あぁ、僕も天才に生まれていたらな」と考えさせられてばかりですよね。

しかし、これは「歌が上手い人がもてはやされる世界」が前提にあるのが原因です。 例えばあなたが音痴だとして、「歌が下手な方が天才と称される世界」であれば、あなたは天才なのです。

何が言いたいかというと、「自分には才能がない」というより、「自分にある才能にこの世界が適していなかった」ということです。


「ただのとんちじゃないか」と反論したいでしょう。 しかし、これはマインドフルネスという教養の話です。 今回は、以下の本を参考文献にしています。(中古品のURLのため、クリックしても表示されない可能性があります)

この本を執筆したのが、マインドフルネス研究の第一人者で、ハーバード大学の心理学者エレン・ランガ―です。 この方は「マインドフルネスの母」と称されることも多い有名な方です。

本書では、自分の天才を見つける方法として、疑うべき「七つの神話」が提唱されています。 言い換えると、よくある7つの常識に縛られているが故に、自分の才能を殺してしまっているかもしれないということですね。

ただ残念ながら、この著書は今から約20年前に出た本で、もう絶版になっています。。(2002年出版) そこで、本書を読めないという方のために、各章(七つの神話)を端的にまとめていきますね。 また、マインドフルネスをベースにしているとはいえ、専門用語を知らない人でも理解できる内容にしています。


今回の記事は、個人的に結構気合いが入っています。(笑)

なぜなら、私は過去に、「お前には光るものがないな」と親に直接言われたことがあるからです。 弟がスポーツで活躍していた頃、助手席に座っている私に対して、運転している親が言っていました。 

また、学生の頃は、授業についていけないどころか、周りにとけ込む能力も低かったせいで、悪い成績をつけられては「ダメな子」というイメージのレッテルを貼られてもいました。

正直、これからの人生はただ老後に向かって死を待つだけのつまらないものとしか考えていませんでした。 そんな私でも、本書を読むことで、そしてマインドフルネスについて学ぶことで、「自分にも何かできるかもしれない」「何かに熱中してやりがいを感じることもできる」と自信を持つことができています。 実際、本番ともいえる社会に出てから、成績の良かった同級生よりも早く出世して、高い収入を得た経験があります。(今は違う仕事をしている)

これを読んで下さっているあなたも、過去の私と同じように「自分には才能がない」と落ち込んでいるとしたら、それは私の親や先生だった大人たちのように、視野が狭くなっているだけです。

今回の記事はめちゃくちゃ長いですが、大事なことは全て無料でお届けしています。 各目次で1つ1つのテーマを扱っているので、気になるところを読むだけでも何か学びは得られるでしょう。

あと、この記事を読む時のお願いなのですが、、

ゆっくりと読んで下さい! もう他の記事は読まなくてもいいですから、1つ1つの文章に対して集中力と想像力を働かせてほしいです。(笑)

それでは、あなたの天才を見つける旅に出かける準備はいいですか?



7つの常識をぶったぎる。


「あなたが天才じゃないのは、あなたに才能がないからではなく、あなたの才能に世界が適していないからだ」と冒頭で言いました。

この世界を形作る常識たちに縛られ、新しい視点に立てないでいると、あなたはいつまで経っても自分にとっての天才を見つけることが不可能になります。

今回は、そんな間違った7つの常識たちをご紹介します。 この記事を読んでいると、学校教育なんかで教えられてきたことが間違いばかりだったことに気づくでしょう。

そう、この「気づきを得て視点を変える」という作業こそ、今回の記事で目指したいゴールです。 あなたの内に秘められた才能を殺してしまわないためにも、少しお話にお付き合い下さいませ。


先に全体的な概要をお伝えしますね。気になる目次へ飛んで頂いて構いません。

あなたは、学校の先生や上司、親にこんなことを言われたことがないですか? あるいは、あなた自身が勉強やスポーツをする時に、次のようなことを信じていませんか?

1、大人の言うことは聞くべき。基礎を忠実に学ぶべき。
2、集中力とは、真面目に1つのことに取り組める能力である。
3、報酬や喜びを得るためには、努力や忍耐が必要だ。
4、大事なことは忘れないようにしなきゃいけない。
5、一度で憶えて、二度と困らない記憶力があると便利だ。
6、知能は高いほど良い。
7、結果が全てである。

これらの常識について、それぞれ真理に迫りたいと思います。


※補足※
これは、学校にいる教師の方々を批判するための記事ではありません。価値観や信念が傷つく恐れのある人は読まないで下さい。 …ただ、そんな常識にとらわれている人ほど、今回の話は参考にするべきだと思いますが...



1、基本は学びすぎるな。
~真の教養とは?


学校教育では、その子の強みを伸ばすことよりも平均的に優れることに力を注ぎます。 そればかりか、その子にあるはずの才能に気づかず、自分たちに都合が悪いという理由だけで悪い成績をつける大人までいます。

もし、教師側の人間が、自分の信じている真理に対して疑問をもち、目の前にいる子どもや現象にマインドフル(心をオープン)に注意を払うことができれば、常識から外れていたとしても、それが世の中にとって利点になるかもしれないという可能性に気づくことができるはずです。

しかし、元々人間は変化に弱い生き物で、歳をとるほど脳に柔軟性がなくなり、新しい価値観や考え方を受け入れられないのです。 それで多くの大人たちは、子供に対して「大人の言うことを聞きなさい!」と言います。

既に亡くなられている教育思想家のケン・ロビンソンも、TEDトークで「学校教育は創造性を殺してしまっている」というテーマでお話をされていましたね。 これはTEDの中でもランキング上位3番目に位置する超有名なスピーチです。


結論として、基本は学びすぎないことをおすすめします。 本書でも、何かを学ぶ時やスキルを獲得する時も、基礎はある程度でよいと主張されているのです。

なぜなら、「その人にとっての基礎はあっても、万人にとっての基礎など存在しない」からです。 全員に共通している基礎があるとするなら、それは全員が同じ人間であるという前提条件が必要です。

例として、学校の教室を思い浮かべてみましょう。 先生からすると、一度で多くの生徒に授業をしてしまった方が手間が省けます。 しかし、生徒からしてみれば、それぞれに個性があるはずです。 その違いを意識せず、単一的な教育をしているようでは、生徒の中にそのまま差が生まれてしまうのは当然です。

そもそもの先生との相性が悪い生徒は、学びを向上させることができず、悪い成績をつけられてしまうのです。 教師による生徒への見方を変えてあげれば、あるいは違うコーチの元で学習するようにした子どもは、成長するかもしれません。

そのことにも気づかず、必死こいて常識に合わせようとするのは、真面目なように見えて、本来目の前にあるはずの現実から目をそらしているということになるのです。


かといって、常識に反抗していれば良いのだとは言いません。 

つまり真の教養とは、「基本はある程度まで学び、現実をしっかり認識し、あとは自分で工夫する」というように、全てのことに対して心をオープンに開く姿勢(マインドフルネス)を持つことです。

大人の言うこと、教科書に載っていることが真実で、自分自身の心や感情を失わせて(マインドレスになって)、情報をそのまま鵜呑みにしてはいけません。

 大人であれ子どもであれ、ある技能にはじめて出合った時には、その技能についての知識はもっとも少ないはずだ。とすれば、その技能をほかの状況で試してみたり、自分の力や経験に合わせてこまかく調整したりせずに、丸呑みしてしまっていいのだろうか。知識をほとんど持たないで学んだにもかかわらず、最初に学んだことに固執するのは、理にかなっているのだろうか。ある技能をはじめて学ぶ時には、その一つ一つのステップに注意を向ける必要がある。ところが習熟しすぎると、どうしてもその技能を構成している一つ一つの要素が見えなくなり、こまかい調整がしにくくなる。
(出典:あなたの「天才」の見つけ方)



2、1つのことに真面目に取り組む必要はない。
~授業がつまらないのは先生が悪い!?


「作業(勉強)中に違うことばかり考えるな」「真面目に1つのことに取り組みなさい」と注意されたことはありませんか? 

あなたも、授業中や読書中に眠くなったり、仕事に手を付けず他のことをしてしまったり、そんな自分を責めた経験が一度はあることでしょう。 実際、ス●ホのせいで簡単に注意がそれるようになってしまった現代では、高い集中力を発揮して成果を生み出せる人の方が重宝されます。

だから、何か1つのことにリソースを投下できる集中力はあるに越したことはないのですが、、集中できない作業に対して、頑張って注意を保持させようとするのはあまりおすすめできない努力です。


2つ目の間違った常識は、「集中力とは1つのことに真面目に取り組むことである」という認識です。


あなたにとって、「高い集中力を発揮している」とはどんな状態ですか?

人に何かを教えた経験のある教師や上司、先輩方は、次のような感覚を覚えたことがあるでしょう。

「思考を固定させる」「一点を見つめてじっとさせる」

しかし、実際に自分が、我を忘れるほど集中できている時のことを思い浮かべてみて下さい。

たぶん、現代っ子であればYouTubeが良い例です。 配信している人について知らなくとも、一度再生すれば最後まで視聴することは容易です。 あろうことか、視聴中に関連動画を探して、次に注意を向ける動画を視聴と同時に決めている始末です。 

この状態を「気が散っている」ととるか、「時間も自我も忘れるほど没頭している」ととるかは人それぞれですが、「静止画より動画」「1つのことより次なる刺激」を求めているのは確かです。

つまり、本当に高い集中力を発揮するためには、「動きのあるもの」「目新しさ」という刺激が必要になってくるといえますね。


ということで、あなたが自分の仕事や勉強で集中力を発揮するために必要なのは、誘惑に抗って1つのことに真面目に取り組もうとするよりも、作業自体に目新しい刺激要素を付加させていくことです。

そもそも、注意がそれるというのは、他に集中力が向いているということで、それは「集中力がない」のが原因ではなく、むしろあなたの集中力に対して作業のレベルや教材の面白みが合っていないのが原因です。 だから、学校の授業に集中できず、つまらないと感じるのは、少なくともその生徒に適したものではなかったのでしょう。

もし、その気づきが得られる(マインドフルな)心の状態にある人であれば、授業の仕方や生徒の在り方を工夫するように考えるはずです。 しかし、常識や慣習を疑うことのできない大人たちは、気が散っている生徒の集中力にこそ問題があると決めつけて疑いません。


もちろん、SNSに対して高い集中力が発揮できたとしても誇れることではありませんよ。(笑)

勉強中はス●ホを近くに置かないようにして、仕事中は作業に対して違った視点からアレンジを加えるなど、「環境整備」と「刺激のコントロール」を工夫しましょう。 

これが、本当の集中力を手に入れるための努力です。根性はいりません。



3、報酬がないとやりたくないなら、やるな。
~好きを仕事にする方法。


「努力は報われる」

なんと美しい響きでしょうか? 

多くの大人たちは、タダで報酬をもらうことに気が引けて、「ご褒美はお預けにした方が良い」という神話を信じてきました。

しかし、「ご褒美はお預けにする」「仕事で頑張った分の報酬を求める」のは根拠のない価値観です。 また、ご褒美を設定するのは、その過程の努力が辛いものであるという前提条件を作り出しているに過ぎません。

つまり、努力と報酬が必ずセットになっているという信念が大きな間違いなのです。


例えばあなたが副業に挑戦する場合、その作業を「将来のための苦労だ」なんて思っていたら、毎日が辛くなるだけではなく、過程を楽しむこともできません。 

先に解決策を言うと、「これは一種の実験だ」とゲーム感覚で挑むようにしましょう。 必ずしも成果が上げられるとは思わず、報酬が手に入ると信じ切るのもやめてしまいましょう。

その根拠は、本書で紹介されている著者ランガーによる実験結果から見て取れます。

被験者たちに、楽しい漫画を使ったある作業をしてもらい、2つのグループに分けた。 1つ目のグループには「これはゲームですよ」と伝え、2つ目のグループには「これは仕事です」と伝えて参加させた。 
この「作業に対する認識の違い」を作るだけで、全く同じことをしているにもかかわらず、「仕事」だと伝えられたグループの方が気が散って、「ゲーム」だと伝えられたグループの方が楽しいと感じていた

人は「働きたくない」とは言いますが、「ゲームしたくない」「ス●ホなんてまっぴらごめんだ」とは言いません。 人は、義務を感じた途端に嫌気がさすようにできているのです。 

毎日決まった時間に、決まった場所で、決まったやり方で、ス●ホを触るように指示されたとしたらいかがでしょう? この逆を工夫することができれば、あなたが本来集中するべきはずの作業を好きになることができるかもしれませんね。


ちなみに、2と3の章でお話している概念は、心理学用語で『フロー』という概念に基づいたお話になっています。 

『フロー』とは、「没頭」のことを意味していて、高い生産性と深い喜びが経験できる心理状態を生み出すといわれています。

この『フロー』の状態を作り出すための条件として、自分の能力に対して「ちょいムズレベル(目新しい刺激)」や、「報酬ではなく作業に対する喜びや達成感」が必要です。

本章③では、後者についてお話しています。

子どもや生徒に努力させようとする大人は、ご褒美を提示して釣ろうとしますが、それでは本来その子にあったはずの内発的なモチベーションを確実に失わせてしまうことになるのです。

また、「好きを仕事にする方法」ですが、まず、報酬がないと頑張れないことなら、やらない方がマシだといえるでしょう。

そして、最初から全ての作業を好きになれるという幻想は捨てて、作業の中から目新しい要素に目を向けるようにしましょう。 1つの作業を違う視点から見つめてアレンジしたり、違う要素に目を向けて刺激を感じることで楽しむこともできます。 そうやって情熱を注いでいると、仕事が好きになってしまったり、好きだったものが成長して仕事に開花してしまうこともあるかもしれません。 

マインドフルネスは、常に今を最大限に生きることを目的にしています。 投資というと、「今を犠牲にして未来に備える」ことをイメージしますが、今を犠牲にせずとも未来につながる活動を見つけることは可能です。



4、アンダーラインは引かなくていい。
~本当に効果的な記憶術とは?


「大事なことは忘れないようにしなきゃいけない」

あなたは、何かを記憶する時にどんな手法を用いますか?

教材にアンダーラインを引くことは記憶の定着には結びつかないし、先生が黒板に書くことをノートに板書するのも労力の無駄です。

効率の悪い記憶術に共通しているのは、「情報をそのまま頭にしまい込もうとする」努力のことです。 

記憶したいことをマインドフルに見つめて、様々な角度から観察し、感じ取ることによって、自然と記憶は定着していきます。


といっても、専門用語ばかりではイメージがつき難いでしょう。 

そこで、役者さんがセリフを覚えているところを想像してみて下さい。 おそらく、台本にある文章をそのまま暗記しようとはしていないはずです。 前後にある相手のセリフや、背景にあるストーリーやその時の状況を一生懸命に想像しているはずです。

あなたが好きなアーティストの新曲を憶える時も、歌詞カードと睨めっこするよりもメロディや雰囲気から得られる気分的なもので、自然と記憶していくかと思います。

つまり、本当に効果的な記憶術とは、先生の言う通りに機械的な暗記に労力を使うのではなく、自分の心が感じるままに情報について観察する意識を持つことです。



5、記憶力より大事なのは、○○力と○○力。
~丸暗記の弊害。


そもそも、記憶力はそこまで重要ではありません。

「何度言わせたらわかるの!?」と怒ってしまう大人たちは、自分の思い通りに動かない子供に対する怒りをぶつけているだけで、本質的なことを見落としています。

1の章でも解説したように、過去に役立った基礎を丸暗記したところで、状況が変わってお手上げになってしまえば意味がないからです。 基礎を身につけるのはある程度の範囲にしておいて、それよりも、今経験していることをしっかり認識して対応できる柔軟性の方が大事です。


昔に成功した体験は忘れたくありませんよね。 気分が良くなるから人に自慢する人もいます。 もう一度それを再現したくて憶えておくようにする人もいるでしょう。 また、過去に経験した失敗を繰り返さないためにも記憶しておこうとする人もいます。

しかし、どちらも過去の状況にいたからその結果になったわけで、現在同じことをすれば、結果は大きく変わる可能性だってあるはずです。 過去の栄光にしがみついている人が次の成功に辿り着けないのは、既に状況は変わっているのに、新しいことに挑戦していないのが原因です。

つまり、記憶力より大事なのは、現実世界への観察力と対応力です。

マインドフルネスの定義をひとことで言うと、「評価や価値判断を下すことなく、今という瞬間に注意をはらうこと」です。  マインドフルネスの教養を身につけることは、過去にとらわれず今を生きるということなのです。


記憶力が良いのは悪いことだ、とは言っていません。 

自分の記憶にすがることが危険だ、と言っているのです。

人間の万能ではない記憶力は、情報への信頼性が低かったことを忘れて、都合のよいことだけを思い出してしまう弊害があります。(これをスリーパー効果という) 丸暗記の弊害とは、記憶しているその情報の信憑性を無視して、現実世界に対して心が自動的な反応(マインドレス)になってしまうことです。

「あの人が言っていたから」「みんなそうしているから」と、何も考えないで行動するのはナンセンスでしょう。  知識や情報のインプットばかりしていないで、現実世界で起こっていることをしっかり観察し、対応していくことが肝要です。

 記憶してしまいこんである事柄は真実だ、と思いがちだ。だが、真実は状況や時によって変わる。あらためて探り出した答えは、以前より多くの経験に基づき、現在の状況を考慮したものになっている。したがって、忘却あればこそ、よりよい答えが見つかるともいえるのだ。
(出典:あなたの「天才」の見つけ方)



6、正解は1つではない。
~現実世界をコントロールする方法。


科学が発達し、合理的な正解ばかりが目立つこの時代に、「知能が高いほど良い」という常識について批判的に考えてみましょう。


まず、「知能が高い」とはどういうことだと思いますか?

本書では、「問題に対する回答の速度が速いこと」だと提唱されています。 「A点からB点に辿り着く速度が速い」「望む結果を手に入れる能力が高い」ということもできますね。

知能(IQ)は90%が遺伝で決まり、親子の所得にも相関関係があると、心を持たない科学は結論を出してきました。 知能が低い側の人間(僕)は、この事実を知ったら落ち込んでしまって仕方ありませんよね?


しかし、著者さんはこれも1つの神話ではないかと疑問を掲げます。

専門用語にすると理解しにくいと思うので、ここでは例え話で表現しますね。 

知能が高い人というのは、「1+1は?」と聞かれたら「2!」と即答する人のことです。

しかし、心がマインドフルな状態にある人は、この回答の仕方で満足して終わりません。 「そもそも1と1を足す理由とは?」「他に加えるべき数字はないか?」「他の数式を使えばもっと効率よくならないか?」「答えである2は私にとって重要か?」と現実に対応することよりも現実を作り出すことができます。(そして、こういう子供は大人に嫌われやすい)

マインドフルネスの教養がある人は、神話の中にいる人とは違って、問題から回答への直線的過程を満足しないということです。  その瞬間に経験していることを大切して、いろんな視点から物事を見つめることに労力を費やすのです。


ここで冒頭の話が理解できるかと思います。 

知能が高いほど有利なのは、それを前提にしている世界が既にあるからで、学校や会社という集団組織内ではその世界が作り出されていました。

しかし、現実世界はそんな単純なものではありませんよね。 今いる環境から一歩外に出れば、YouTuberといった職業まであるように、既存の常識や価値観とは別のところで生きている人もいます。

正解は1つではないし、見方を変えてあげれば、目の前に映る現実世界をコントロールすることも可能なのです。


多くの知能論の中心に、個人と環境とのもっとも望ましい適応は一つしかないという信念がある。しかし、私たちは快適な規範に自分を合わせるといった形で環境と関わっているのではない。むしろ、世界に形を与え、意味や価値を与えつづけているのだ。もっとも望ましい適応などというものが存在しないのであれば、もっとも望ましい適応を見つけ出す能力、すなわち知能という概念を考えても無駄である。
 知能検査に何の意味もないというつもりはない。しかしこれらの検査で測れるのは、それ自体は価値を持たない、ただの性質にすぎない。ちょうど背が高いと便利な場合があるのと同じように、知能検査で測れる能力も、ある状況では役に立つかもしれない。だが、背の高い人々が作り上げた環境では背が低いと不利だと感じるかもしれないが、状況によっては、背が低い方が有利になることもある。それに、背が高いと不利になるような世界を想像するのも難しくはない。世界が背の低い人々によって作り上げていたら、背の高い人は実に不便だろう。
(出典:あなたの「天才」の見つけ方)



7、むしろ、失敗や間違いを求めるべき。
~「答え」よりも「問い」が重要な理由とは?


最後に、「結果が全て」という価値観を完全に否定します。

よく、会社の上司や先輩に、「いいから結論だけを言いなさい」「結果となるもの(書類など)だけを持ってこい」「このやり方が一番効率的なんだから従え」と言う人がいます。

また、あなたの親や学校の先生だった人で、子供の「なんで?」に応えようとしない人や、よその子とは違うことに熱中していることに対して注意する人はいませんでしたか?

おそらく、この章までを読んで下さっている方なら、この大人たちのどこがいけないのかがわかるでしょう。 本章を一番に読まれている方のためにも、「結果が全て」という常識がいかにして間違ってるかを解説しますね。


⑥の章では、知能とは1つの性質に過ぎない、というお話をしました。

「知能が高いほど良い」「賢い人の方が有利」とは言いますが、そもそもその検査方法や信念を作り出したのは過去の人物たちです。 

そして、これからの時代はどんどんと不親切な世の中になっていくといわれています。 「何で稼げるようになるのかわからない」「将来役に立つスキルがどれかわからない」 そんな不確実なことばかりで、変化の速い時代になっていくということです。

当然ですが、未来を知っている人はいません。 であれば、この世界で成功するためには、自分にとって本当に必要なこととは、「大人や常識が提案する知能や能力ではないのかもしれない」という立場に立つことができるようになるのです。

ここまできて初めて、「今すぐ答えが欲しい」と直線的過程を求めるのではなく、世界にはいろんな可能性が秘められていて、新しい答えを見つけ出すためには、「自分自身の新たな問いから始まることが大事」だと理解できるようになります。


今世の中にある答えが真実だと盲信するのはやめにして、新しい問いや疑問を持つようにしましょう。

それは往々にして、既存の常識たちから見れば”間違い”や”失敗”と目に映るものです。 

しかし、今答えとして出されている常識から脱却するには、そういう視点を持つところから始めなくてはなりません


「結果が全て」となるのは後付けによる価値観です。 

新たな結果を生み出すためには、過程にこそ注意をはらい、全ての現象に対して最大限に働かせられる心(マインドフルネス)が必要なのです。


 ものを教える人々はしばしば、生徒の間違いを大目に見る。特に、生徒の知能がそれほど高くはないと感じると、この傾向は強くなる。だが、生徒の答えを大目に見ることはあっても、違う状況では正しいのかもしれないとは思わない。
(出典:あなたの「天才」の見つけ方)
 私たちの心がマインドフルな状態にあると、今は適切でない答えでも状況が変われば適切になるかもしれないと感じる。人はそれぞれに、自分をよりよく理解するためのレンズを持っているものだ。生徒の、自分の経験を定義し、自分の仮説を打ち立て、世界を新しいやり方で分類する能力を尊重しようと思うなら、生徒の答えが適切かどうかをあわてて評価すべきではない。むしろ、生徒の問いに耳を傾けるべきである。生徒の問いから、よりよい創造的な考えや発見が生まれるのだから。
(出典:あなたの「天才」の見つけ方)



自分の人生を台無しにしないで。


お気づきでしょうか? 

今回お話した7つの常識(神話)に対する答えは全て、「結局のところマインドフルネスって大事よね」という結論に至ります。 また、マインドフルネスについての知識がない人は、「ただの哲学じゃん?」と感じたかもしれません。

しかし、本来マインドフルネスとは、抽象的な概念や曖昧な現象に対しての認識を明瞭にすることが目的なのです。 

冒頭でも言ったように、あなたが気づかないうちに信じ込まされている常識や信念を疑うことがこの記事のゴールです。 

そのため、概念を深く理解するためには、長い文章にせざるを得ませんでした。 この記事はずっと無料で残しておくので、ぜひとも、時間のある時に読み返しては、理解を深めるのにご活用下さいませ。



そしてここからは、マガジンを購読して下さる方のためのお話も書いておこうかと思います。

低価格とはいえどお金を払って下さる方には、次の3つの悩みを解決させるための考え方を、具体的な言葉にしてお届けします。

①「何をやってもうまくいきそうに感じない、、」と思い、自分の人生は辛いものだと諦めかけている。
②「今まで無駄なことばかりしてきた」「あの時、~していれば」と失敗を後悔している。
③「どうやって生きていけばいいのかわからない、、」と迷い自信を持つことができていない。

あなたが自分の人生を台無しにしないための一助となれば幸いです。



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