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#言語化

「言語化」って言うな!?

「言語化」って言うな!?

■年度末、恒例の「居場所合同研修会」に参加した。今回のテーマは「協働」。これまでともに研修に努めてきた三つの居場所で、「協働」可能なことはないか、具体的に検討することがひとつの課題だった。当然ながら「協働」が成功するための必要条件は、関与する人びとの間に共通言語や共通前提が存在すること。であればこそ、「言語化による共有」は、わたしたちの間での最低限の共通了解である必要がある。そう考えていたら、ある

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言語化すること、共有してもらうこと。

言語化すること、共有してもらうこと。

■先日、山形市内において、半年ぶりに「“若年の居場所”合同研修会」を開催した。福島、会津、山形で活動する三つの居場所のスタッフと研修生と、合計10名が参加。久しぶりの再会は、何だかちょっと感動的でさえあった。「人材の過剰消耗」問題の渦中での半年間だ。再び会えたということは、この半年間、誰もつぶれず、リタイアせずに済んだということを意味する。せっかく知り会えた仲間たちだ、できるだけ長く、ともに先を見

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「スタッフの消耗」問題をこえて。

「スタッフの消耗」問題をこえて。

■かつて、「言語の貧窮」こそが「居場所」関係者(もっと言うと、若年支援系NPO)の抱える課題ではないかと述べた。「言語の貧窮」とは、活動の当事者たち(自分らをも含む)が自らの行為――「居場所づくり」や「若年支援」――の意味や価値、それが社会的に果たしている機能などについて、反省的に自己言及するための語彙あるいはそのためのしくみを、自身の活動の内部に十分に確保できていないという事態を指す。それがもた

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〈他者〉が繋がり合う居場所のために。

〈他者〉が繋がり合う居場所のために。

■年度がかわり、メンバーそれぞれの立ち位置や境遇にさまざまな変化があったり、または新しいメンバーが増えたりと、わたしたちの居場所にも「新しい風」が吹き始めたような、そんな今日この頃である。居場所の内実とは、結局のところ、そこに集う「人」にすぎないわけで、当然、メンバーの顔ぶれが――あるいはそのメンバーがそこでさらす「顔」そのものが――変化すれば、居場所そのものの雰囲気や容貌も変化して当然。そうした

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距離=言語を獲得せよ!

距離=言語を獲得せよ!

■フリースペースの運営や居場所づくり活動の現状をめぐって、常々感じてきたことがある。それは、(自分たちも含め)この業界における圧倒的な「言語の貧窮」という事態である。「言語の貧窮」とは、自分たちが実現しようとしている公共性を伴った価値が何であるのか、そのメリットとデメリット、その価値に自らを動機づけているものは何か等々、自らの行為について反省的に自己言及し得る語彙(あるいは言語化能力)を活動の当事

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