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堀 紘一 名言集 『リーダーシップの本質』(45)


『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』(45)

 『リーダーシップの本質』(初版 2003年6月26日 ダイヤモンド社)は、堀 紘一氏が満を持して上梓した優れたビジネス書です。

 略歴は著者紹介に譲るとして、堀 紘一氏はボストンコンサルティンググループ日本法人代表、ドリームインキュベータ(DI)創業者となり東京証券取引所に上場させました。単なる経営コンサルタントではありません。

 DIは現在電通グループ(電通G)の傘下にあり(電通GがDIの株式を20.95%保有しています。 2022年9月30日現在)、堀氏は代表取締役を退任されています。

 著名な経営者と「経営の本質」を議論しあい得た知見は類稀なものです。
 優れたビジネス書を数多く執筆しています。難しい言葉は極力排除し、エピソードを交え、分かりやすく解説しています。


いい運を敏感に感じる感受性も必要である

 もちろんいい運をいい運として自分のものにするには、それが自分にとって非常に大切な出会いであり、あるいは大きなものをもたらす運なのだとわからなければならない。つまりいい運を敏感に感じる感受性も必要である
 後ろからつかまえられない幸運を早く察知してつかむことができるか、不運というリスクを早く予知して回避することができるか。その感覚をリーダーはつねに研ぎすましておかなければならない。しかしそうした対処は、修練によってある程度獲得できるものである。

    『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 1 <133>                  


リーダーは負け戦をしてはいけない
負ける戦はしてはいけないのである

 現実に早期撤退のほうが収拾がしやすい。また負け戦は勝ち戦の百倍も戦いにくいものである。リーダーは負け戦をしてはいけない。負ける戦はしてはいけないのである
 だから負け際、引き際は非常にむずかしい。敗北を宣言することはリーダーにとって身を切られるようなつらいことである。だが負け際を誤ると被害は桁違いに大きくなってしまうから、そのタイミングを遅らせてはならないのである。

    『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 2 <134>                  


リーダーシップとは学んで掴み取るものである

私は、リーダーシップ能力はリーダーとなる人が生まれながらに持ち合わせているものではない、という説に立ちたい

 リーダーシップとは学んで掴み取るものである
 あるいは、リーダーシップの能力は一部のリーダーだけが持ち合わせている才なのかもしれないが、そうであることを証明する決め手はない。私は、リーダーシップ能力はリーダーとなる人が生まれながらに持ち合わせているものではない、という説に立ちたい。
 なぜなら、自分でリーダーシップが発揮できなかった場合に、「自分にはこの能力が与えられていないのだ」という言い訳が先に立ち、それ以上の努力を放棄する。リーダーシップを生まれながらに持ち合わせている人がいると考えた瞬間から、そういうことが起きてくるからである。

    『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 3 <135>                  


✔ 出典元

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』
2003年6月26日 第1刷発行 ダイヤモンド社



✍ 編集後記

🔶  『リーダーシップの本質』は堀氏の経歴に違わない内容の本です。重要な点は「本質」です。すぐに廃れてしまうハウツーものとは根本的に違います。

私たちは新奇さに目を奪われることなく、常に「本質」とは何かに着目する姿勢を貫きたいですね。

勉強は一生続けることが大切です。世の中は常に進歩しているのですから。劇的な変化にも予兆はあります。感度の良いアンテナを張り、見逃し、聞き逃ししないようにしましょう!

何歳でも、何歳からでも勉強はできます。書籍を手許に置いておけば、いつでも何度でも参照することができます。

「この本は良書だ」と思ったらその1冊の本を何度も読み返すことが重要です。

一度読んだくらいですぐに理解できたという著書は、中身は大したことはないと判断するべきでしょう。「韋編三絶」という言葉がありますね。


🔷「リーダーシップとは学んで掴み取るものである」

リーダーという地位や肩書があるからリーダーシップを持ち合わせているとは限りません。

リーダーという地位や肩書を権力によって獲得しても、メンバーが面従腹背では成果は期待するほどには上がりません。

リーダーシップが欠如しているからです。

リーダーシップは先天的なものではなく、後天的なものであり、まさに「学んで掴み取る」ものです。実践を通じて身につけるものです。
一朝一夕では身につきません。

私は、リーダーシップ能力はリーダーとなる人が生まれながらに持ち合わせているものではない、という説に立ちたい

全く同感です。



✒ 堀 紘一氏の略歴

ドリームインキュベータ代表取締役社長。
1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学大学院経営学修士(MBA with High Distinction)。読売新聞、三菱商事、ボストンコンサルティンググループ(BCG)社長を経て、2000年にドリームインキュベータ(DI)創業。
BCG時代には、金融、ハイテク、消費財、Eコマース、中期戦略など数多くの戦略策定及び実行を支援。
『知恵は金なり』『強い会社はこうしてつくれ』『成功する頭の使い方』(PHP研究所)、『人と違うことをやれ!』『どんな「壁」でも突破できる』(三笠書房)、『挑戦! 夢があるからビジネスだ』『脱皮できない蛇は死ぬ』(プレジデント社)、『できることから始めよう!』(ダイヤモンド社)、『ホワイトカラー改造計画』『21世紀の企業システム』(朝日出版社)など著書多数。
(『リーダーシップの本質』の著者紹介から)


✒ 堀 紘一氏の略歴補足

2020年に堀氏はDIの取締役を退任し、DIは電通の傘下となりました。
近況は下記をご覧ください。
「セカンドライフ」を謳歌しているようです。



⭐出典元: 『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』


⭐回想録


⭐マガジン (2023.02.08現在)



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