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日経ビジネスのインタビュー バックナンバー Vol.053

日経ビジネスのインタビュー バックナンバーVol.053

ここに掲載しているのは、管理人・藤巻隆が携帯サイトで運営していた時のコンテンツです。

2007年1月8日号からスタートしています。1カ月分毎にまとめてあります。

途中、数件記事が抜けている個所があります。データを消失してしまったため再現できません。

「日経ビジネス 電子版使い方ガイド」(全24ページ)を見ると
「雑誌『日経ビジネス』のバックナンバーの閲覧について」で、
閲覧できるのは2011年10月から最新号と書かれています。

そのため、2008年8月18日、25日分の記事は確認できません。
しかも紙の雑誌は、はるか昔に処分しています。

『日経ビジネス』の記事を再投稿することにした経緯

再編集して再投稿することにした理由は、次のとおりです。

自分が当時どんな記事に興味があり、どのような考え方をしていたのかを知りたいと思ったからです。

当時の自分を振り返ることで、当時と現在で考え方は変わったか否か、あるいは成長しているかを確認したいと思いました。

記事データは当然古くなっていますが、本質的な部分は必ずあるはずで、しかも普遍性があります。その個所を再度学んでみたかったのです。

さらに言えば、『日経ビジネス』のバックナンバーをご紹介することで、この記事に目を通していただいたあなたに何らかの有益なヒントを提供することができるかもしれない、と考えたからです

「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」だからでもあります。
プロフィールから)



● 2011.05.02 (No.1)<219>
未来に評価される復興を
村井 嘉浩(むらい・よしひろ)氏
[宮城県知事]

宮城県でも復興会議というものを独自に立ち上げました。全国レベルで活躍されている有識者の方に集まっていただき、復興計画の中身について大所高所からアドバイスを頂きます。

6月に県議会がありますので、それまでにたたき台を作って、8月に国に予算要求をしていきます。9月の県議会までに正式なものを作って、県の復興計画とし、具体的な事業を進めていくことになります。それを市町村に渡して、そこから市町村で自分たちの街に合ったものを作ってもらう。

内容は、第1次産業から第3次産業までのバランスが取れたものを目指します。特に今回最も被害を受けたのは、少子高齢化が顕著な第1次産業ですから、少人数で利益がしっかり出る構造に持って行きたい。


● 2011.05.09 (No.2)<220>
「総合」だから危機に強い
小林 喜光(こばやし・よしみつ)氏
[三菱ケミカルホールディングス社長]

理科系の人間は時間軸で考えます。

当社は進むべき方向を「KAITEKI価値」という尺度で見ています。2015年にはLEDや記録メディアといった機能部品と、医薬を中心としたヘルスケア、そして汎用品(コモディティー)をバランスよく3分の1ずつにしたい。

中国やインドは今、コモディティーがものすごく必要とされる社会です。機能商品については、先進国でも中国やインドでも求められています。

一方、非常に高度なファッション性のあるような製品は今は先進国でなければ求められません。ただ、必要とされる製品は時代とともに動いていく。だから時間軸を意識して、どの製品もやっていかなければなりません。


● 2011.05.16 (No.3)<221>
利益なくして安全なし
稲盛 和夫(いなもり・かずお)氏
[日本航空会長]

以前からお話ししておりますが、JALを上品で高級感のある航空会社として存続していくという考えに変わりありません。(中略)お客様に喜ばれるサービスを提供する会社であり続けたい。

料金で対抗するLCC(格安航空会社)が出てくるでしょうが、ビジネス客や余裕のある人に、こぞってお乗りいただく。高級感はあるけど偉ぶらないサービスをして、生き残っていかなければと思います。

初年度の売上利益率が10%超えている状態でした。1兆3000億円の売上高で、1800億の利益というのは約14%の利益率です。売り上げが10%程度下がっても、利益分ガ吹き飛ぶだけでまだブレーキが利く。20%下がってもイーブンでいけるだろうと。30%になってしまうと月次で赤字転落は仕方ないですが、大体2割程度の変動には耐えられる力があると思っています。

JALの再生には何もマジックを使ったわけではありません。社員の意識を変えたから、やる気を出させたからです。何も分からない、誰も引き受けないもの、引き受けたら大変なことになると誰もが危惧するものを引き受けて、成功させていったことに産業界復活のキーがあるはずです。

私は徒手空拳で資金もありません。ただ強い意志とガッツを持ってきて、それをJALの幹部に移植した。その手法しか日本産業が復興する方法はないと思います。


● 2011.05.23 (No.4)<222>
効率至上主義は限界に
上釜 健宏(かみがま・たけひろ)氏
[TDK社長]

TDKはインドやインドネシア、フィリピン、南米にも生産拠点を構えています。これらの国々に比べ、中国は人材が豊富です。やはり、「世界の工場」と呼ばれるだけのことはあります。TDKの海外生産比率は約85%に達していますが、中国だけで約65%に上ります。

最近は世界の工場としての役割よりも、消費市場としての重要性が増したと言われますが、生産地としての中国の優位性は依然として高いのではないでしょうか。


● 2011.05.30 (No.5)<223>
アジアから目指す世界一
柳井 正(やない・ただし)氏
[ファーストリテイリング会長兼社長]

日本を食べさせていくのは、グローバル化した企業とグローバル化した日本人なんです。日本を支えていくには海外展開しかありません。この思いは震災を経てますます強くなりました。

短期間でグローバル化を果たしたアップルやグーグルのように、5年、10年といったスパンで一気呵成にグローバル化を果たしたいと思っています。

今までは欧米でナンバーワンになることが世界一になる近道でした。しかし、これからはアジアでナンバーワンになることが、世界一につながるかもしれない。

僕たちはアジアについて勉強しなければなりませんし、「一緒にやっていきましょう」とお願いする立場にある。そうした認識を持っていない人はいまだに多い。日本はアジア各国よりも進んでいると思い込んでいる。上から目線なんです。

それは全くの錯覚で、日本は20年もの間、成長から遠ざかってきました。あと10年もすれば、アジア各国に完全に追いつかれるでしょう。こうした認識を持ったうえでアジア展開に取りかかることが大切です。



🔷 編集後記


この元記事をアメブロに投稿したのは、9年前のことです(2014-01-22 20:57:20)。

読み直してみますと、「こんなことも書いていたのだな」「この個所に関心があったのだな」ということが思い出され、当時の自分の心境に思いを馳せています。

それだけ歳をとったのだと実感しています。

編集長インタビューの記事を読み返してみると、当時の経営者の心意気・信念・余裕・揺るぎない自信といったものが伝わってきます。

月日が経ち、自分だけでなく身の回りにも、環境にも変化があります。

しかし、経営に限らず、物事の本質は変わらないものです。

今回のインタビューの中から興味深い言葉を拾い出してみます。

柳井 正(やない・ただし)氏
[ファーストリテイリング会長兼社長]


の言葉から。

短期間でグローバル化を果たしたアップルやグーグルのように、5年、10年といったスパンで一気呵成にグローバル化を果たしたいと思っています。

今までは欧米でナンバーワンになることが世界一になる近道でした。しかし、これからはアジアでナンバーワンになることが、世界一につながるかもしれない。

柳井さんは12年前からユニクロ(ファーストリテイリングが運営)のグローバル化を見据えていました。

そして、口先だけではなく、グローバル化を実現しました。

最近、柳井さんは記者会見で、
「できたら10年で(売上高)10兆円にしたい」
と語っていました。

「ユニクロ」10年後の売上高目標は10兆円…柳井会長「9兆円だと区切りが悪いので」

柳井正会長兼社長は同日の記者会見で「世界中で最も愛されるナンバーワンブランドを目指す」と語った。過去も10年間で売り上げが3倍に成長したことを例示した上で、「できたら10年で(売上高)10兆円にしたい。期限を区切らないと目標には到達しない。(現状の)3兆円から3倍で9兆円だと区切りが悪いので、10兆円とした」とユーモアを交えて展望を語った。

読売新聞オンライン 2023/04/13 19:14   
           


🔴「できたら10年で(売上高)10兆円にしたい」

思いを口に出さないと実現できないということです。
大ぼら(と言ったら失礼ですが)を吹くことで、後戻りできないように自分にプレッシャーをかけて、実現してみせるという強い決意表明をしたのです。今まで経営してきた実績と自信の現れです。


ファーストリテイリングの株式情報(2023/04/24)

株探のデータを加工 2023/04/24


この中からいくつか重要な数値を抜粋します(2023/04/24現在)。

売上高   予  2023.08  2,680,000 百万円
営業利益  予  2023.08  360,000 百万円
自己資本比率  22.09-02  53.1 %
時価総額       10兆1,417億円
PBR            6.10倍

申し分のない数値だと思います。



1回の投稿ごとに1カ月分にまとめたインタビューの概要を掲載します。

2007年1月8日号からスタートし、2013年7月までの6年7カ月分のバックナンバーだけで79件あります。

途中、数件記事が抜けている個所があります。
データを消失してしまったため現時点では再現できませんが、日経ビジネス電子版では「2011年10月から最新号まで」のバックナンバーが閲覧できるようですので、抜けている個所に該当する部分が見つかれば、追記します。

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⭐回想録


⭐マガジン (2023.04.24現在)



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