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【読書感想】恩田陸『蜜蜂と遠雷』

2016.12.30、読了。
ネタバレなし感想ポエム。

恩田陸著『蜜蜂と遠雷』

本の中にコンクール会場があるから入りたくて入りたくて仕方ない。

でも、家事をやらないと。
おっと、宅配業者が来た。

早くしないと。
早くしないと。

私が本を閉じている間に、演奏が進んでしまう。
誰かがとんでもない演奏をしたらどうしよう。

この本を開くと、私は「音楽」になった。
いろんな人の隣に飛んでいって、纏わり付いて離れ、また別の人の元へ飛ぶ。

音楽は自然で、
音楽は生活で、
音楽は宇宙で、
音楽はそこかしこに揺蕩う。

読み終えた直後に押し寄せてきたこの多幸感を纏って、私は今日も生活する。

小鳥のさえずり。
冷蔵庫の唸る音。
娘の規則正しい寝息。

昨日もこの音はあったのに、
今日はやけに豊かに聞こえる。

小説も連れ出してくれるのだ、外に。

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