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【読書感想】嶽本野ばら『下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん』

2020/07/10 読了。

嶽本野ばら『下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん』

中島哲也監督の映画版『下妻物語』が大好きで年に数回は観るんだけど、原作は初めて。自然と深田恭子と土屋アンナの声で再生されて、映画を観るみたいな読書だった。楽しかった。

2人の女の子の友情物語だけど、2人とも超個性的。特攻服に晒し巻いたヤンキーのイチコとロリータファッションとロココを愛する桃子。群れを大切にするヤンキーと孤高のロリータという対比がとても面白かった。

「こいつは、何時も一人で立ってるんだよ。誰にも流されず、自分のルールだけに忠実に生きていやがるんだよ。群れなきゃ歩くことも出来ないあんたらと、格が違うんだよ」

イチコが暴走族を抜けるシーンは、とっても感動的で面白いのに泣ける。趣味も嗜好も性格も全く違う女の子同士が、否定するとこはちゃんと否定して、相容れないのも理解した上で、影響していく過程がとっても素敵。

「なぁ、桃子。女は人前で泣いちゃいけないんだよな」
「うん。でもここには今、誰もいないよ」

16年前のお話だけど、ずっとこの2人に憧れていくんだろうなぁと思う。





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